RZ50に乗って近場を回ったりして、あとは高校卒業後に専門学校に通ったのですが、その実習所が東京の桜上水にあったので、そこまで行ったりもしていました。ただある時、丁度、環状八号線と国道246号線が交差する瀬田の交差点で白バイにつかまってしまいました。理由は「方向指示不履行」というやつで、当時のRZ50はバッテリーがヘバッテいたので、ウィンカーが点かなかった事が理由でした。
その際、白バイ隊員から「お前!これスワローハンドルだろ!整備不良で検挙する事もあるんだから、直ぐに直せ!」と言われてしまいました。これもRZ50を手放すきっかけになりました。
ただ人間というのは、基本的に「なまけ癖」があるもので、一度、原付の楽さをしると改めて普通の自転車に戻る事が出来ません。当時は専門学校に通っていましたが、季節バイトをして不足分は親にお金をかりて原付を購入しました。それが「ホンダ タクト」でした。当時は「バイクで遠出」というのも、あまり興味もありません。どちらかというと日常の移動の足として原付を利用していたので、やはりスクーターが楽だろうという事で、近所のバイク屋を見に行って、このバイクに決めました。
この先代のタクトは小ぶりな車体でしたが、このタクトになると、一回り大きくなり、フロントに物入があったので、小物はそこに入ります。ただ駅までの足、また買い物に使うにも、今の様にメットインがシート下に有る訳ではないので、フロントにカゴを付けていました。
ただスクーターというのは、当たり前なのですがクラッチがありません。アクセル回せば走り出します。
ある時。これは早朝ですがぼーっとしてこのバイクに乗っていて、少しバイクに異音があったのでバイクを降りて確認しようとしました。しかしその時にエンジンは切っていない状況でバイクを降りて、道脇に進もうとした時、何かに躓いてしまいました。当然、その時に右手のアクセルは掴んだままだったので、結果としてバイクだけダイブして、私は引きずられ電柱にぶつかってしまいました。
この時、幸い私はかすり傷程度、バイクもフロントのカゴが歪み、フェンダーの一部が傷ついただけでしたが、恐怖体験でもありました。
またそれだけではありません。
当時、専門学校では徹夜で課題を仕上げるという生活が続いていたので、ある朝、寝ぼけてバイクに乗り駅に向かう途中、前を走る車にカマを掘ってしまうという事もありました。この時には前カゴが壊れ、フロントの前輪カバーが砕けてしまいましたが、幸いにして自動車のバンパーにはほとんど傷がなく、ドライバーから「気をつけろ!!」と怒鳴られて終わりました。
結局、購入してから半年でボロボロの状態になってしまい、扱いもぞんざいな感じでこのバイクは1年ほど乗っていました。