グローカル雑記帳

異文化理解や国際交流、中国のこと、日本の地方創生などについて。
また、日々の思ったことなど。自戒も込めた記録です。

【本の紹介】 『ウイグルを支配する新疆生産建設兵団』

2023年11月27日 | 中国や大連のこと
『ウイグルを支配する新疆生産建設兵団』という本が上梓されました。
書名の通り、新疆生産建設兵団と東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)の現代史について書かれています。
詳しくは、以下のプレスリリースが簡潔にまとめていますので、ご連絡ください。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000116.000049367.html

著者のムカイダイスさんは、ウルムチ出身のウイグル人で、博士学位をお持ちです。
この本には、根拠が曖昧な個人的な意見や憶測が書かれているわけではありません。
この本には、膨大な資料を根拠とした事実が書かれています。
膨大な資料とは、ウイグル語、中国語、ロシア語、英語、日本語の資料です。
たった1人で5つの言語を駆使し、書き上げられた力作です。
中国関係者の方や中国に関心を寄せている方にこそ、読んでいただきたい本です。

↓詳しくはこちらから
ウイグルを支配する新疆生産建設兵団
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【無料オンライン講座】「中国ビジネス最前線」

2021年07月15日 | 中国や大連のこと
実践アジア社長塾オンライン講座の15回目の特別公開講義をご案内いたします。
今回は、中国に関してです。

***************
実践アジア社長塾オンライン講座 特別公開講義(第15回)
「中国ビジネス最前線」

<開催日>
2021年7月28日(水) 15:00~17:00(日本時間)

<受講方法>
Zoomを利用/無料

<詳細・お申し込み>
https://abc-online.zohosites.com/blogs/post/15

<講師>
高橋 孝治(TAKAHASHI Koji)
 立教大学アジア地域研究所 特任研究員
 法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサルタント」)
 中国政法大学法学博士

中山 良一(NAKAYAMA Ryoichi)
 一般社団法人アジアビジネス連携協議会 代表理事
 元NEC北京事務所長

武井 克真(TAKEI Katsuma)
 一般社団法人アジアビジネス連携協議会 事務局長
 元「Whenever大連」副編集長

<講義概要>
・日中経済交流史
・中国ビジネスの記録
・中国ビジネスの入り口 ―大連―
・中国ビジネスと法

【主催】一般社団法人アジアビジネス連携協議会
【協賛】ナレ・インターナショナル株式会社
【後援】日本電気株式会社(NEC)/ジェトロ福岡/株式会社アジアソリューション/財界九州社/一般財団法人アジア太平洋研究所/日本ITビジネスカレッジ/至誠館大学/Whenever大連
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『朝陽 いっぱいのありがとう』の中国語版

2020年10月12日 | 中国や大連のこと
【『朝陽 いっぱいのありがとう』の中国語版『朝阳,谢谢你』が発売となりました】

 前田妙子さんが上梓した『朝陽 いっぱいのありがとう』という本があります。自費出版で世に出た本ですが、内容の秀逸さから反響が大きく、新聞などでも取り上げられ、2011年には英語版『ASAHI A MILLION THANK-YOUS』もアメリカで出版されました。
 この度、この本の中国語版『朝阳,谢谢你』が完成し、大連理工大学出版社から9月25日に発売となりました。既に、中国の書店(実店舗、オンライン)で販売されています。中国語版の訳者は、大連外国語大学と長野大学、立命館大学大学院で学んだ翻訳家の項琳琳さん(群馬県伊勢崎市在住)です。

【追記】
翻訳者の項琳琳さんは、上毛新聞(群馬県の地方紙)でも取り上げられました。2020年12月5日の朝刊に載りました。

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方方日記(1月28日) 日本語訳4

2020年05月10日 | 中国や大連のこと
方方日記(1月28日) 日本語訳

 昨日から天気も良くなり、雨も降っていない。今日の午後は外に出て太陽を浴びた。澄んだ空は、気持ちも明るくしてくれる。ただ、家に閉じ込められている人は、イライラも募ってくる。いずれにしても、都市封鎖の日から、すでに人々は6日くらい閉じ込められているのだ。この間、親しく語り合う機会も多かったが、言い争いの機会も少なくはない。各家庭では、老いも若きも、毎日毎日、寄り添いあって過ごすなんて、過去に想像もしなかっただろう。特に、家の小さな家庭では。そのほか、ずっと外出しないと、大人は何とかなるかもしれないが、子供は本当につらいだろう。心理学を学んだことのある人たちには、何かしら武漢市民を慰める方法があるのか、私には分からない。ともかく14日間、私たちは自分を閉じ込めておかなければならないのだ。聞くところによると、ここ最近で、感染の状況は爆発期に入ったようでもあるのだ。このように念を押している医者もいる。「家に米があるなら、米を食べ、外出はいけない」。はいはい、医者の言うことを聞こう。

 この日は、相変わらず憂いと喜びが半々といった感じだ。昨日、中国新聞通信社(China News Agency)の編集長で私の同窓生でもある夏春平さんからWeChat(訳注:中国のSNS、LINEに似ている)で取材を受けた。今日の午後は、スタッフと写真を撮りに来た。意外だったのは、彼が20枚もN95マスクをくれたことだ!正に雪中に炭を送るがごとく、本当に助けられ、私は本当に嬉しかった。ちょうど私たちが文聯大楼の入口で写真を撮って話していた時、同級生の耿さんが米を買って帰ってきた。彼は不思議そうな目で私たちを見ていた。私は、彼が河南人(訳注:河南は中国の省)らしく真に受けて、「どちら様?なんで我々の文聯大楼の入口に立っているんだ?」と叫んでくると思い、彼のあの様子を見て、すかさず声をかけた。すると、彼の眼はすぐに親しみやすく優しくなり、久々の再会を喜ぶようであった。とは言っても、私たちは毎日、同級生のチャットグループで交流してはいるが。夏春平さんは歴史専攻だった。当時、中国文学専攻と歴史専攻は宿舎が同じだった(訳注:中国の大学では、基本的に学生たちは学生宿舎に暮らしている)。そのため、私が紹介すると、彼ら2人もすぐに打ち解けた。耿さんは武漢と海南(訳注:海南は中国の省)で、ともに私と同じ敷地内に住んでいる。彼は今年、海南には行けず、私たちは同じ運命で、ともに家に閉じ込められているのだ。耿さんが言うには、団地の8号棟の感染者2人はすでに入院したそうだ。そうならば、近所の人たちも一安心といったところだろう。病院での治療は、家での隔離よりもずっと良い効果があると、信じている。やはり、彼らの1日でも早い回復を祈るばかりだ。

 夏春平さんを見送って家に戻ると、私が昔に書いた「盧山で古い別荘を見る」(訳注:盧山は江西省にある山)と「漢口租界」の編集主幹であった袁さんが私のWeiboを読み、マスク3袋を送ってきてくれた。感動だ!古い友達は心強い!私は一気にマスク長者となった。そこで、昨日マスク不足で共に頭を悩ませた同僚たちへ分けることにした。たった今、ある同僚がマスクを取りに来たが、私に野菜を持ってきてくれた。私は、今回は共に困難に臨んでいる感覚があるねと言った。この同僚の家は、老人から子供までの三世代だ。また、病人もいる。彼女は、隔日で野菜を買いに出なければいけない。そういえば、彼女は1980年代生まれでもあり、全く簡単なことではない。さらには、仕事にも気を配っている。彼女たちのオンラインでのやり取りを聞いていると、「今号の原稿は送ったでしょ?」などだ。考えてほしい。武漢にはこのような人たちがいる。乗り越えられないことなどあるだろうか?

 悪い知らせも、至る所に飛び交っている。先日、百歩亭の4万人会食(訳注:人数が4万人ではなく、「4万の家庭」としている報道もある)の知らせを見た時、私はモーメンツ(訳注:WeChatの機能、LINEのタイムラインやFacebookの投稿機能に相当)で批判を加えた。きつい言い方にならざるを得ない。このような時に、地域で大型の会食を開くなんて、「基本的には犯罪行為である」。この発言は1月20日だった。思いもよらなかったのは、引き続き21日に省が大型の懇親会も開いたことだ。人々の常識はどこへ行ってしまったのか?こんなにも硬直化し、愚かしく、融通も利かず、事実を重視しない状態で、何ができるというのか?随分と甘く見ていますね、とウィルスは思っているだろうに!この類のことに関して、私は多くを語りたくはない。悪い知らせは、正に百歩亭から聞こえてくる。参加者の中には、感染が確認された人もいるのだ。より詳しく確認したわけではないが、直感的に判断して、このことを知らせてくれた人が、嘘を言っているとは思えない。考えてみてほしい。あんなにも多くの人が集まる会食で、感染しない人がいるなんてあり得るだろうか?ある専門家が言うには、今回の武漢肺炎(訳注:原文も「武漢肺炎」という漢字を使っている)の死亡率は決して高くないとのことだ。皆がこの話を信じたいと思っているし、私もそうだ。ただ、思い出すと怖くなることもある。1月10日から20日までの間、頻繁に会議をしていた人たちは、注意が必要だろう。ウィルスは、社会的身分など考えないはずだ。

 ついでに周市長の帽子の話も。昨日から今日にかけて、この件はインターネット上で批判の的になっている。いつもなら笑って終わりだ。ただ今回、周市長は市の職員たちと感染症対策のために奔走している。彼の疲れや焦りは、見ればすぐに分かる。私が推測するに、彼は事態が落ち着いた後、自分にどんな結末が待ち受けているのか考えたのだろう。人はこのような時、後ろめたさや自責、もう間に合わないという後悔、気が気でない不安などを持ち、彼だって同じだ。だが、彼は市政府の首脳であり、どんなことがあっても、気持ちを奮い立たせて目の前の大事件に臨まなければいけない。その一方で、彼は普通の人でもある。周市長は分をわきまえて実務にいそしむ人であり、評判は良いと聞いたことがある。彼は、鄂西(訳注:鄂西は湖北省の西部、周市長の出身地も湖北省西部の建始で、彼は建始で政治の仕事を始めた)の山間部から着実に仕事をこなしてきたのだ。おそらく人生の中で、今回のような大事件に遭ったことはなかったはずだ。そのため、私たちは思いやりを持った角度から、この帽子事件を捉えなおす必要があるのではないかと、私は思う。例えば、もしかしたら、彼は寒い天気だったので帽子をかぶったが、総理はかぶっていなかった。彼は総理より若く、帽子をかぶったままだと無礼にあたると考え、帽子をとって助手に渡した。このように考えると、少しは良いのではないか?

 こんな感じで、少しずつ記録していく。
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方方日記(1月27日) 日本語訳3

2020年05月07日 | 中国や大連のこと
方方日記(1月27日) 日本語訳

 皆さんの武漢や武漢市民に対する関心や心遣いに、引き続き感謝。私も引き続き、事実を伝えていこうと思う。

 現在、大きな問題は、多くの人があまり心配しなくなったということだ。心配しても意味がない。感染していなければ、楽観的だ。

 目下のところ、市民が憂慮しているのは、相変わらずマスク不足のことだ。今日、ある動画を見た。ある上海市民がマスクを買いに行くと、薬局で1枚30元(訳注:約450円)で売られていた。これに彼は怒り、スマートフォンで全てを記録し、薬局を指弾した。しかも、どうしても買う必要があるため、領収書を要求した。彼は、私よりずっと賢いし、ずっと勇気もある。敬服した!

 マスクは消耗品で、使用量も多い。また、専門家の話では、ウィルス防止に効果的なのはN95マスクだけだそうだ。しかし現実では、この様なマスクは全く買えない。オンラインで買ったとしても、届くのは旧正月明けになってからだ(訳注:感染拡大を受けて期間は延長されたが、当初の予定では1月24日から1月30日までが旧正月の法定連休だった)。弟(訳注:年下の男のいとこだと思われる)は幸運だ。彼らの団地では、ある家族の親戚が1000枚ものN95マスクを送ってきてくれたのだ(なんて良い親戚だ!)。弟の家族は、10枚を分けてもらった。「心の優しい人はいるんだよ」と彼は感慨深そうに話してくれた。しかし、兄(訳注:年上の男のいとこだと思われる)の家でこんな幸運はなかった。彼らは、N95マスクを1枚も持っていない。ただ、私の姪が持ってきた使い捨てマスクがあるだけだ。こんな状況で、数も限られている。こうなると、家で洗い、アイロンで高温消毒し、再利用するしかない。これでは少し惨めだ(そういえば、シンガポールのチャーター機の件だが、姪の話では、まだ最終確定に至っていないようだ。Weiboで触れてほしいとのことだったので、ここに報告する)。

 私自身も、大して変わらない。1月18日はお見舞いで病院に行く必要があり、どうしてもマスクをしなければならなかった。しかし、家には1枚もなかった。突然、あることを思い出した。12月中旬に成都へ行った時、後輩の徐旻君が「成都は空気が悪いから」と言って、私にマスクをくれたのだ。実のところ、武漢の空気も良くはないので、私は悪い空気に慣れていて、徐君からもらったマスクは使っていなかった。今回は救われた。幸運なことに、それはN95マスクでもあった。私はこのマスクで病院へ行き、空港へ行き、マスクを買いにも行った。何日もこのマスクを使っていたが、これは仕方がない。

 私の家には、私のほか、16歳の老犬がいる。1月22日の午後、ふとドッグフードが無くなっていると気付いた。急いでペットショップへドッグフードを買いたいと連絡し、ついでにマスクも買ってこようと考えた。そこで、家から近い東亭路の某薬局へ行った(薬局の名前は出さなくてもいいだろう)。ちょうどN95マスクはあったが、1枚35元(訳注:約525円)だ(上海より5元も高い)。1袋は25枚入りで875元(訳注:約13,100円)。私は、この様な時になぜこう腹黒くなれるのかと言った。彼らは、卸業者が値上げをしたので、自分たち小売りも値上げするしかないと答えた。急を要しているので、高くても買うしかない。私は、とりあえず4枚だけ買い、また考えることにした。ここのマスクは個包装ではないため、なんと、店員は手で直接つかんだ。これを見て、こんな衛生条件なら、つけないのと変わらないと思った。結局、私はマスクを買わなかった。

 大晦日(訳注:旧暦)の日、私はまたマスクを買いに出かけた。全ての薬局は、閉まっていた。ただ、家族経営の小さな売店が開いているだけだった。ある売店で、N95マスクを見つけた。ブランドは「沂蒙山」で灰色、個包装。1枚10元(訳注:約150円)。4枚を買った。ようやく気持ちが少し落ち着いた。兄の家にマスクがないと分かり、2枚を明日には届けると約束した。しかし明日になると、やはり外出は避けろと兄は言う。不幸中の幸いだろうか、外出はしないので、マスクもあまり使わないのだ。

 先程、同僚とWeChat(訳注:中国のSNS、LINEと似ている)で話をした。多くの人が、現在の最大の問題はマスクであると言う。結局のところ、たまには外に出て、買い物をする必要がある。ある同僚は、友人が郵送してくれたが、届かなかったとのことだ。また、非正規品を買ってしまうこともあるそうだ。インターネット上でマスクを回収し、処理を施してまた売るという例もあり、こんなのは使う気にならない。誰もが1~2枚しか残っていない状態で、お互いに励まし合うしかなかった。大事に使おうと。ある笑い話は、全く的を射ている。マスクは豚肉に取って代わり、年越し(訳注:旧暦の)で最も売れ筋の商品となった。

 私は、マスク不足が兄や同僚たちだけのことではないと考えている。武漢の一般市民たちは、多くがマスク不足であると思う。また、私はマスクが足りなくなっているのではないと信じる。足りないのは、市民の手元へ届ける方法だ。ここに来て、ただただ運送会社が早く通常勤務に戻り、武漢の物資に対しては対応速度も上げてほしいと願う。危機の克服を助けてほしい。(訳注:旧正月の連休中は運送会社も休むため、物流には大幅な遅れが生じてしまう。)
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