10月25日夜に放送されたNHK-BSプレミアム 文豪ファミリア 家族は見た!「父・藤沢周平~元祖イクメンの日々~」の録画を見る。
文豪ファミリアは、作家たちの新たな魅力を妻や子にしか知りえない「家族の視点」から、ドラマを交えて描くシリーズで、第1回が今年没後20年、生誕90年の藤沢周平。
- 江戸時代を舞台に下級武士や庶民の哀歓を描いた時代小説を数多く残した藤沢周平。私生活では、最初の妻に先立たれた後、幼い一人娘の世話をしながら執筆を続けた“イクメン”だった。代表作「たそがれ清兵衛」は、子育ての涙ぐましい奮闘なくしては生まれなかった?藤沢がびっしり書き込んだ保育園の連絡ノートや娘の落書きが残る小説の草稿など未発表の資料、そしてドラマによって、名作誕生の陰に隠されていた家族の物語を描く。
- 出演は、再生ドラマが原田龍二,高橋ひかる,紺野まひる,松原智恵子ほかで、娘である遠藤展子が父藤沢周平を回想する。
- この番組を見ていて思う、藤沢さんは妻を28歳で亡くし、幼い娘(展子さん)を父子家庭で育てるが、業界紙の記者を続けながら作家を目指して懸賞小説等に応募、オール読物新人賞をとってから本格的に作家活動に入る。(NHKネット紹介記事)
- 藤沢さんは、1963年に長女展子さんが生まれるも、その年の10月に妻の悦子さんが、急性の癌で28歳で亡くなった。この時、強い衝撃を受けて、やり場のない虚無感をなだめるために時代小説を書くようになったと言われる。
- 妻亡きあと、郷里から母親を呼び寄せ、幼い娘との三人暮らしとなる。しかし、目の悪い母親の育児は限界があり、自ら娘の世話をしながら5年独身で過ごすが、高澤和子さんと再婚。長女とあわせて三人家族となって、疲労困憊していた家事から解放され、やっとのことで週末は執筆に専念できるようになった。そして1971年、ついに 『溟い海』で第38回オール讀物新人賞を受賞、直木賞候補となり、翌年『暗殺の年輪』で第69回直木賞を受賞した。
- 比較するのも恥ずかしいが、妻を27歳で亡くしたことと母親に、子どもの面倒を見てもらった部分は私と同じなのに、父親としての苦労と才覚は雲泥の差である。若い頃の私は別に自棄になったわけではないが、酒に逃避して親らしいことはして来なかった。
- 業界紙の編集長で生活を維持しながら、父子家庭として幼子を育て、作家を目指して夜の執筆に励んできた藤沢さんの生き様には敬服する。男として、親としての生き様が、時代小説の作品のなかにもあると展子さんは語っていた。藤沢周平さんの作品は、テレビのドラマで見たことはあるが、今度は本を読んでみたいと思う。
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