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只管打坐(しかんたざ)

2018年06月28日 10時52分18秒 | 慈しみと悲しみと

                 福井県 永平寺

先日、福井永平寺の雲水の修行の様子をテレビで報道していた。『只管打坐とは何か。

曹洞宗開祖道元禅師が、中国の天童山景徳寺の如浄禅師のもとで学んでいた時の教えで、念仏、懺悔、読経などをする必要はない、座禅の一行だけを学び、ひたすら座禅に打ち込めということを門下に説いたという。

永平寺の修行僧である雲水達の一日のスケジュールすべてが修行とされ、僧堂での立ち居振る舞い、食事など、すべてに厳格な規律と作法があり、世俗を離れ200〜300人の雲水が読経と坐禅の日々を送っている。

永平寺は室町時代に道元禅師によって創建された曹洞宗大本山。境内は樹齢数百年の老杉に囲まれ、静寂なたたずまいのなかに数多くの殿堂楼閣が建ち並んでいる。私は20年近く前の梅雨時に永平寺を訪れたが、雨に洗われた新緑と堂宇の美しさは心に残る祈りの情景であった。ちょうど今頃の風景で、雨の日でも濡れないように広い回廊がテレビに映し出されていた。

度肝を抜かれたのは222畳の大広間で、部屋の奥に道元禅師の特大の墨絵がどっしりと描かれていて、来た者を威圧するかのような視線を感じたのをよく覚えている。鎌倉日記に時々書いている光明寺本堂にも、道元禅師の墨絵の額装が掲げられており、永平寺程ではないが迫力を感じている。

『只管打坐』、簡潔で好きな言葉だ。ひたすら(只管)草取りをする、ひたすら片付けをする、ひたすら思うことを書く、何でもひたすら立ち向かうことが大切な事であろう。

 





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