毎朝、食事しながらNHK-BSプレミアムで連ドラ2つをみて、引き続きそのあと火野正平さんの「こころ旅」を見るが、こころ旅は昨日で春旅終了、9月下旬の秋旅まではない。食事の片づけとハチの世話をしながら、総合テレビにチャンネル切り替え、「あさイチ」をみていたら父子家庭特集をやっていた。
いまや父子家庭は約22万世帯と急増しているそうで、離別、死別の内訳まではわからないが、東日本大震災で父子家庭になった子供の数が724人にもなることを初めて知った。この数は震災でひとり親になった子供の総数1798人のおよそ4割にもなるという。驚きと同時にそのお父さんの気持ちを思うとたまらなくなってしまった。
番組では仙台の父子家庭のお父さんが、震災で父子家庭になったお父さんたちの支援活動をしている様子が放送され、支援者の「他の離別や都市部の父子家庭と比べると孤立している」とのコメントや、妻と娘を震災で亡くした父子家庭のお父さんの、「妻じゃなく俺が死ねばよかった」という人もいたという話を聴いて涙が滲んできてしまった。
この特集で採りあげられた「孤立」というキーワードでは、母子家庭の母親より父子家庭の父親に孤立している人が多いとも言われる。会社ぐるみでひとり親や介護などの支援体制ができている好事例も紹介されたが、大部分のお父さんは会社に遠慮して無理をしているのが実態だと思う。子供の養育のために転職を余儀なくされた人の事例も放送され、母子家庭だけが経済的に苦しいと思われがちだが、父子家庭でも苦しい人はたくさんいる。
私自身、27才のとき妻がガンで亡くなり、3才と4ヶ月の二人の息子を抱え父子家庭20年の経験をしているが、私の場合は当時日本橋の銀行支店に転勤したばかりだというのに、支店長が営業課から総務課に配転してくれて、定時退社を周りの人たちが勧めてくれた。
また、会社の配慮によりその夏の定例人事異動で実家のある浜松支店に転勤させていただき、お袋に子供の面倒を全面的に見てもらうこととなり、仕事に専念できる体制を作ることができたのは幸いだった。その後10年目ぐらいから、転勤の打診を毎年2回支店長から受けつつも、結局17年半もの長い間地元の支店に勤務できたのは銀行員として異例で、息子の大学、高校入学を機に横浜支店に転勤、今の自宅を新築して新たな人生が始まったわけである。
この父子家庭特集に登場していたお父さんたちのような苦労をせずに、経済的にも家庭的にも恵まれ、会社とその上司・同僚、そして孫育てに必死だった亡き母と、出来のいい息子たちに心から感謝している。放送をみ終わって、父子家庭の20年間好き勝手して生きてきた自分がとても恥ずかしく思うが、「苦あれば楽あり」の諺のように、再婚23年目のいま、いつも一所懸命のカミサンと、優しい息子、嫁さん、孫たちに囲まれ、其々に人生のアクシデントはあったもののすべて好転、幸せな日々を送っている。
来月10日に家族全員で私の古稀のお祝いをしてくれるらしい。成長著しい孫たちの顔を見るのが楽しみである。
ハチの家文学館「父子家庭」http://blog.goo.ne.jp/goo3595628/e/bd8718673116667f4aabacad3fa99010
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