ハチの家文学館

ハチの家写真館(http://hachinoie.exblog.jp/)の文芸版

パリの想い出

2016年10月10日 07時30分20秒 | ハチパパのひとり言

               ヨーロッパの子どもたち パリベルサイユ宮殿にて

1979年(昭和54年)7月2日~9日までの、初めての海外旅行を記した小さな手帳を見つけた。37年前、34歳のときである。その手帳はタテ10.5㎝ヨコ6.5㎝のミニサイズで、以前整理したときは気づかなかった。

7/2 成田21:30発KLMオランダ航空KL868便ボーイング747ジャンボで日本を発ち、カナダのアンカレッジ空港経由でアムステルダムのスキポール空港到着。

7/3 アムステルダムからマドリッドへ飛び夜はフラメンコ、翌日市内観光とオリーブ畑を眺めつつトレドへバス旅。エルグレコの絵と出会う。

7/5 マドリッドから夜行列車でパリへ向かう。1週間前同じ列車で発砲事件があり、添乗員から女性に内緒で男性たちが警護を頼まれた。朝まで寝られなかったと思う。何事もなく、ヨーロッパ鉄道の旅は朝日に輝いて清々しかった記憶がある。

7/6 パリ市内観光。ルーブル美術館やノートルダム寺院、エッフェル塔などを巡る。

7/7 仏ロワールの古城巡りとワインを楽しむ。

7/8 パリ発アムステルダム経由KLMオランダ航空KL324便に搭乗、7/9成田空港15:00着。

同世代男女十数人の旅行会社ツアーで、帰国後も集まって思い出話に浸ったり、国際児童年ということもあって、銀行ロビーで「ヨーロッパの子どもたち」というタイトルで写真展をやったこともあった。

当時のカメラはまだフィルムカメラで、私はコダックのコダクローム64という低感度のリバーサルフィルムをどっさり持参して行った。特にルーブル美術館での撮影は、ストロボ禁止であったが36枚撮りで10本以上は撮っている。とても発色のいいフィルムで、今でも退色することなく鮮やかなまま残っている。

手帳の後ろの方に、思いのままの走り書きがいくつか残っていた。

7/6 バリ市内の教会にて

偶然見つけた街の清楚な教会に、足を踏み入れてみました。                                              そこには数人の信者がお祈りをしていました。                                                    とても心が洗われる思いです。

(7年前ガンで他界した妻)鈴子のことを一番に思い、子どもたちのこと、母のこと、家族のこと、友人のこと、職場の人たちのこと、いろんな人のことを思いました。

罪深き自分の償いはこれからだけど、神の救いを求めてもいいのだろうか。

マリアの像の前でキャンドルを点けました。                                                      

信ずる者の前に愛を 愛する者の前に幸福を・・・。

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祈り 感謝 勇気 丈夫 母のがんばり 子どもたちへ                                 パパにも 勇気 希望 愛

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7/6 モンパルナスにて

マティーニの味がすごくいい                                                            街角のパブにて想う

今、私はパリにいる                                                               この感激をいつまでも                                                             忘れないようにしたい

マティーニ(ジン)を飲むたびに                                                          このモンパルナスを思い出すだろう

ここには自由がある                                                               戦いのあとの安らぎがある                                                          モンパルナスの日は暮れる

詩人でありたいと思った自分                                                          パリにいる間だけでもそうありたい                                                       出来れば枯葉の舞い散るまでいたいものだ

日本が恋しかったのに                                                             そんなことを忘れたかのように                                                         自由に闊歩する私

日本に帰ったら                                                                  最高の父であり                                                                    孝行の子でありたい

汝 怒るなかれ

My happiness

私は最高に幸せ                                                                   天国のwifeに見守られ                                                           すばらしき子どもたちに囲まれ                                                          働き者の母に感謝

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故国を離れて

母へ贈る言葉

母さん(と一度も言ったことはなかったけど)                                                  子どもたちを立派に育ててくれてありがとう                                                       いろいろ怒ったり、喚いたりしてすまないと思う                                                でも感謝しているよ。いつまでも丈夫でいてほしいと思ってる                                        母さんがいるのはいいものだ(子どもたちにもやはり必要かも)

岳晴へ

君はお兄さんらしく、たくましいと思う                                                    道晴と助け合っていく勇気と努力を                                                       いつまでも忘れずに

道晴へ

道ちゃんはかわいそうだと思う でも                                                       さびしさも悲しさも見せないガンバリ屋さん                                                     父さんは道晴が一番好きです(もちろん岳晴も)

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旅の終わりに

目に涙がいっぱい                                                                 寒いわけでもないのに                                                                               鳥肌がたつ思い 

さようならパリ                                                               さようならモンパルナス                                                                 

今度は私の子どもたちが訪れるだろう                                                         神よありがとう 鈴子ありがとう

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7/7(土)23:35 パリ最後の憩いのひととき                            

マティーニの冷たくまろやかな舌ざわりがたまらなく美味しい                                                    思い切りのいい生き方をしよう                                                          いつの日もいつどのような時も                                                                          愛する人をさがそう この手で

Chance! Change! Challenge!

 

 

 

 

 

 



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