28年間夫婦同じベッドで寝て来たのに、ここ1~2ケ月寝室を別々にしていた。別々にしたキッカケは、寝入りばな、エアコンと扇風機どちらにするかの意見の違いだけという小っぽけなものだが、熱帯夜が続くので二人とも夜9時から朝5時まで、エアコンをかけっぱなしで寝ていた。
しかし、電気代も考慮して別々よりエアコン1台の方がいいに決まってる。そんな訳で昨日、元の寝室で二人して寝ることにした。勿論、二人とも高齢者で色事はなし、6年前に狭心症をやった私にとっては、同じ部屋でカミサンと寝た方が安心だし、カミサンのスヤスヤとした息遣いもちょっぴり懐かしい。
30年前に本屋で見つけた精神科医斎藤茂太さん著「夫婦の本」を引っ張り出す。氏の本は他にも読んでいるが、いずれも実に軽妙で面白い。本の巻末エピローグにこんなことが書かれている。
人間の夫婦を永く支えているのはなんであろうか。
基本的にはおたがいの信頼関係だろうが、最も大きな要素は相互依存ではないか。功利といってはいい過ぎかもしれないが、それは二人の人間の生きるための知恵である。(中略)決して短くない期間の荒波、強風、豪雨を乗り越えて、なんとかゴールに近づいている夫婦の条件は何か。思いつくままにあげてみる。
・相手にゆずること ・自己主張が強くない ・相手を立てる ・他人へのサービスもおろそかにしない ・ジョークがある ・相手の趣味に理解を示し、妨害をしない ・相手の非難をしないで自ら批判をもとめる ・相手を他人と比較しない ・社会的プライドを満足させるために相手のシリをたたかない ・経済的自己抑制をもつ ・感情が安定している ・オシャレを忘れない ・相手に余り高いものを望まない
ふむふむ、なるほど、なっとくである。
5年前まで6年間、家庭裁判所で離婚の調停などをやっていたが、齋藤茂太さんのいう夫婦の条件を参考に、互いに許し合える心を持っていれば離婚はしないで済んだだろうにとつくづく思う。
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