ハチの家文学館

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老犬

2015年02月23日 10時18分58秒 | ハチパパのひとり言

今朝の朝日新聞ニュースの扉、「森絵都さんと訪ねる老犬ホーム」のタイトル記事に目が留まる。また、直木賞作家でもある森さんに抱かれた老犬が、我が家の亡きハチにそっくりなのである。朝食前であったが、たまらずカミサンを呼んで二人で一気に読み上げた。

ハチと同じような境遇の老犬が、様々な理由で老犬介護施設「老犬本舗」に預けられている。写真の柴犬はネネという16才の老犬で、亡くなったハチと同じ年齢だ。認知症の徘徊でずっと歩き続けたがり、かなわないと鳴く。自宅では家族が24時間交代でリードをつけて歩かせたが、家族が続かなかったという。

ハチの介護でも夫婦交代で夜間何度も起こされ、オシッコが出る前などグルグル回り歩きするので、家族の眼が回ったり膝が痛くなったりしていた。1年にも及ぶハチの介護で、亡くなる直前2~3ヶ月は特に大変だった。これ以上続けたら人間が参ってしまうところまで来ていた。その矢先、ハチは私たちを気遣って昨年9月逝ってしまった。

ハチのことはこのブログに何度も書いているので記述は控えるが、この犬のように介護施設に預けることなく、在宅介護を全う出来た。特にカミサンは大変だっただけに、今でも買い物ついでによく見かけるペットショップの柴犬が、ハチを買った時の年齢に差し掛かっていて、早く飼い主が見つからないと殺処分されてしまうのではと心配する。見かけるたびに我が家で飼ってあげたいと思うようだが、高齢者同士の私たちが介護の辛さを考えるとあきらめざるを得ない。

ハチの祭壇に向かって焼香しながら話しかけてみる。

「ハチ!お父さんお母さんもっとハチと一緒にいたかったよ。」

「ハチはいい子だったよ。ハチのおかげでお父さんとお母さんは、ハチに想い出をいっぱいもらって幸せだよ。」

いけない いけない また涙が出てきてしまった。ハチのことを思うと、たまらなくなって涙がとまらない。こちらを向いている写真のハチが、「お父さんお母さんありがとう」「ボクはとても幸せだったよ」「もう泣かないで」と言っている気がした。



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