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ハチの家文学館

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極楽はあるか

2020年08月27日 05時54分24秒 | 慈しみと悲しみと

             熊本県 医王寺 聖観音菩薩立像

仏教に関心の深い私としては、極楽はあると信じている。尊敬する仏師西村公朝さんの本「娯楽の観光案内」序章に、「極楽はある!」と書いてある。

公朝さんがある時、清水寺の大西良慶管長さんに「極楽はあると思いますか」と、聞いたことがある。管長は「お経の本に、ある、あるというてるのだから、あると信じないとしょうがないやないか」と返事したそうだ。

人は死んだらあの世に行くと言われているが、そのあの世は彼岸で、極楽なのかどうかは亡くなった人と供養の家族次第、まずは三途の川を渡り、閻魔様の裁きを受けて地獄へ一直線という人もいる。一度地獄に行って輪廻してから極楽へ行けるという教えもある。

極楽はあの世の話であるが、生きているこの世でも極楽はあると思えばいろいろある。例えば身近な話、仕事で疲れて帰ってきて、お風呂に入ってサッパリして、カミサンの手作り料理を肴に一杯とくれば極楽気分になる。海外旅行も、温泉旅行も、家族団らんも、楽しく幸せならばゴクラクごくらく。つまりその人の考え方ひとつである。

一方、この世には地獄とまで言わずとも苦しみや悲しみがある。受験の失敗、失恋、事業の失敗、家族との死別等々、程度の差はあるが、誰もが一つや二つは経験している。生きづらいと自死を選ぶ人も絶えない。

この世に生きて意識のあるうちに、この世の極楽と地獄の気分を味わい尽くすのも、人間らしい生き方かもしれない。

諸行無常、この世の全ての事象は移り変わり行くものであり、同じ状態のまま留まるものでもないと仏教の教えにある。人生、いい時もあれば悪い時もある。どんな時も奢らず、諦めず、そしてコツコツと努力して生きることが大切ということ。



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