仕事場からも近い日本新聞博物館(横浜市中区日本大通り)で開催されている、日本初の女性報道写真家笹本恒子さんの写真展に行ってきた。
笹本さんのことについては、ハチの家文学館でも過去2回感想を書かせてもらっている。(以下クリック)
http://blog.goo.ne.jp/goo3595628/e/a62bb11297f779b34e04f974550302f4
http://blog.goo.ne.jp/goo3595628/e/d579e8f682754044c198ee3dc29bc3bd
過日テレビ出演されたときにも感じたが、とても100歳とは思えないシャキッとした方である。今回の写真展は、今年100歳を迎える笹本さんが、長年にわたる取材で撮りためた戦前から戦後の昭和・平成に至る日本の歩みと、女性の社会的地位が定まっていない時代に、カメラを通して奮闘してきた笹本さんの軌跡を振り返るとガイドに書いてあった。
展示作品はすべてモノクロであるが、昔で言えばマグネシウムのフラッシュを焚くような硬派な写真でなく、自然光を生かしたいかにも女性らしい柔らかい雰囲気の写真が目立った。各界の著名な人物写真を絶妙な構図、陰影で撮影している。到底足元にも及ばないアマチュア写真家の私であるが、人物や風俗のスナップを撮るときの自然光の使い方やアングルなど、参考になることが多かった。
作品は全部で134枚。第1章明治生まれの女性たちと題して、昭和29年の壺井栄や昭和32年の沢田美喜など28人が登場、第2章あの時代、あの人と題して、昭和24年の笠置シヅ子や昭和25年の美空ひばりなど40人の著名人、第3章笹本恒子が見た時代と題して、昭和15年から平成元年までの報道写真が54枚、第4章いつまでも現役・・・笹本恒子の今と題して、大好きなパリの風景などの作品が12枚と長寿の笹本さんだからこそ撮れる写真がずらっと並んでいた。
写真は真実を写す。真に迫る写真を撮ることが醍醐味でもある。ピントや構図も大切だが、撮る人の心、気迫が、見る人に伝わるものでなければいい写真とはいえないかもしれぬ。写真は写心である。
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