ハチの家文学館

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付添人

2014年03月05日 10時45分48秒 | ハチパパのひとり言

                     東京国立博物館 千手観音菩薩坐像                                                                                                      

                       祈るような気持ちで付き添う

「少年友の会」という、非行少年の更生を援助するボランティア団体が全国にある。家庭裁判所の家事調停委員が任意で加入して、家裁の要請に基づき、少年審判に出席できない父母の代わりに、少年の付添人として出席したり、少年の立ち直りを物心両面で援助することが主な活動である。

今朝、三重県の女子中学生殺害容疑で逮捕された18歳の少年のニュースが放映されていた。少年犯罪が深刻化、その度合いは実に幅広く、今日私が付添人を務めた少年審判のように、無免許で事故を起こして家裁に送られてくる未成年者も少なくない。

「少年事件を知らずして、家事調停員をするべからず」という声もあるぐらいで、少年事件と家庭の問題とはリンクしているとも言われる。普通の幸せな家庭なら、事件を起こすような子どもはあまりいないと思うし、確かに家庭の不幸と少年犯罪はリンクしていると思う。

今日立ち会った少年は18歳、1歳のとき両親が離婚して以来17年父子家庭で育った。数年前亡くなった祖父母とも同居していたから、おばあちゃん子だったかもしれない。我が家も父子家庭20年で、おふくろに二人の息子を育ててもらったから、他人ごとではなく自分のことを思い出しながら少年と接した。

父親との確執が相当深刻で少年に同情を禁じ得ないが、父親の気持ちもわかるだけに、少年の気持ちを解きほぐす言葉の中に父親との和解を願うことに心を砕いて少年に話しかけた。

審判の終わりに裁判官から意見を述べる機会を与えられ、少年の更生を願い励ましの言葉などを述べさせてもらった。彼の心にどこまで響いたかはわからないが、父親と打ち解けた会話ができる日がくることを期待して付添人の仕事を終えた。

罪を犯す少年の背景には、両親の離婚が多いことも事実で、離婚は親の勝手と被害者意識を持つ子供もたくさんいる。子供に責任はないし無理もないことだと思うが、成長とともに現実をしっかり受け止めて、自分の人生の礎を培ってほしいと思う。26/3/3



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