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親子旅

2019年09月27日 17時05分56秒 | ハチパパのひとり言

2000年と1998年放送の親子旅を、NHKプレミアムカフェアーカイヴで観る。

ひとつは世界的な女性登山家・田部井淳子さんと長男進也さんの北穂高岳の旅。もうひとつは明治大学でフランス語を教えている小川フロランスさんと長女長男との中山道三人旅。

田部井さんは登山家として著名な方であるが3年前に亡くなった。2000年の放送内容は、田部井さんが葛藤する息子とどう対峙したらいいか課題を抱えていたが、思い切って一緒に登山をすることで山の魅力を息子に伝え、山が生きる力を教えてくれた感動のドキュメンタリー。

フランス生まれの日本文学者・小川フロランスさんは、日本語を学ぼうと初めて日本に来た時に、都会の喧騒に疲れ果てた自分が癒された思い出の木曽路に、子どもたちを誘って旅に出た。木曽路の歩き旅を通じて、自分の人生経験を子に伝え、親子の絆を深めていった記録である。

わが身に置き換えて、息子二人と二度旅したことを思い出す。一つはブルートレインで浜松から鹿児島へ行き、種子島で過ごしたこと、もう一つは飛行機で北海道に飛び道東を旅したこと。いずれも息子たちはまだ小学生で、人生について語るようなことはなかったし、中学から高校・大学に進んだ息子たちと、かしこまって「生きる」ことについて語り合うことはなかった。

昭和47年、息子が3歳とゼロ歳の時に母親がガンで亡くなった。以来20年間私の母が懸命に息子の面倒をみてくれた。父親らしいことは何もしないまま、息子たちはサッカーやラグビー、ボートで体を鍛え、塾にも行かず勉強してくれた。母親の味を知らない息子たちは、ずいぶん寂しい思いをしたに違いない。

こういう親子旅を観ると、もっと一緒に旅をしておけばよかったとちょっびり後悔する。私の生き様は、断片的に話した記憶があるだけで、いずれ父子3人で一杯やりながら語り合いたいと思う。




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