ハチの家文学館

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彼岸花

2019年09月29日 17時53分52秒 | 慈しみと悲しみと

今年の彼岸花はいつもより1週間ほど遅れて開花した。我が家の庭の赤と白の彼岸花も今が見ごろで、大和市にある花の寺常泉寺の彼岸花を見たくなり、カミサンを誘って車で出かけた。

日曜ということもあり老若男女大勢の人たちが、カメラ片手に境内の彼岸花を楽しんでいたが、しばらく来ないうちに石仏が滅多やたらに増えていて、彼岸花と石仏がごちゃ混ぜになった感じは私のお寺のイメージにそぐわなくなってしまった。

彼岸花は秋の彼岸に咲くことから名づけられたものだが、別名が多いことでも知られている。日本全国で群生しており、地方でつけられた方言を含めると1000以上もの別名を持つそうだ。

墓地でよく咲くことから「死人花(しにびとばな)」「地獄花(じごくばな)」、さらには「幽霊花(ゆうれいばな)などと呼ばれることもあるが、その反面、めでたい前兆と言われている「曼殊沙華(マンジュシャゲ)」という別名を持つことでも有名。

この曼殊沙華とは、仏典に由来し、印度のサンスクリット語で「天界の花」という意味を持つ花とのことで、天から花がひらひらとふってくる「良いことの前兆」だと語り継がれている。

仏教では曼殊沙華は白く柔らかい花とされ、それを見たものの悪業を払うとも信じられている。仏像大好き人間の私としても、蓮の花とともに曼珠沙華は好きな花の一つである。大地からスッと茎が生え出て、繊細な花びらをくるりと巻くように咲く姿は実に美しい。



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