愛知県津島市ブライダルシェービング・レディースシェービングお顔そりの理容ハヤカワ

ブルーベリーと猫とヘーゼルナッツを愛する心優しき店主です

≪死体検死医≫上野正彦

2007-12-30 10:17:42 | ノンフィクション

                
                    上野正彦著
                     角川書店



元東京都監察医務院長
医学博士

他の著書に、
「解剖学はおもしろい」

一気に読める本。

最初に、表紙の著者の顔写真を見ましたが・・・
物静かで、温厚な方の様にお見受けしました。

学者の風貌。

とても、警察関係のお仕事に
携わってみえる方には、思えません。

NHKのアナウンサーさんみたいな印象を受けます。
監察医は公務員なのだと、初めて知りました。

生前の人権を擁護し、社会秩序を維持する
『ご遺体のお医者さん』です。

故人の人権を守る為に、尽力してこられた様子が
よく判ります。

生命の尊さを考える本。

「小平義雄事件」「大久保清事件」など、
終戦後の事件も語られています。

「ロズウェルの宇宙人解剖」に対する所見。

「ジョンベネ事件」にも、言及しています。

神戸の「タンク山事件」についても、
ふれています。

『死後も名医にかかるべし』(本文より)と、言う
言葉が印象的でした。

  更新の励みになります。にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ
  いつも有難うございます。にほんブログ村 猫ブログ MIX三毛猫へ にほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

≪私のカラフト物語≫恵原俊彦

2007-12-28 08:18:07 | ノンフィクション

                  
                     恵原俊彦著
                  東京図書出版会

 
★★★

大正8年に、カラフトへ渡った一家の記録。

カラフト生まれの著者が、抑留生活の後、
盛岡へ引き揚げるまでが、
56の短編にしてまとめられております。

ダッタン人と言うのは、タタール人(トルコ系遊牧民)
の事だとはじめて知りました。

少年時代のエピソードは、著者の
子供らしい驚きに満ちています。

カラフトには、映画館もあり、日本人も
多く住んでいたもようです。

カラフトシシャモは、北海道の物より大きく
体長は12~3㎝ですが、「雑魚」と呼ばれ
当時は、食用ではなく、飼料でしたが
網の一投で、石油カン半分も獲れたそうです。
 
また、豊眞線は、上越線と並ぶ、渓谷美を
堪能できるループ線ですが、ロシア領に
なってからは、客車では通れなかった様です。

引き揚げ船に乗船する前に、
風景が入っている写真は没収されました。

ルーブル貨幣とカペイカ硬貨も没収です。

抑留生活中に、同居していたニコライ・バーヴシカ
母子との心温まる交流。 

タグボートの火夫をしている時、三角波の底へ
入った体験。

Kさんが、タコ部屋から逃亡する「逃亡を決意」では
自分が捕まる様で、ドキドキします。

「引き揚許可証」を、無事にもらうまでの
エピソード等も見逃せません。 

抑留生活や、悲惨な戦争体験も語られていますが、
何処となく「あの頃はみんな、そうだったんだよ」的な
柔らかな表現で描かれています。

客観的にとらえる事ができ、
穏かな気持ちで読めました。

どちらかと言えば、内容は、人情話の方が多く
語られています。

  更新の励みになります。   にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へにほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ
   いつもありがとうございます。にほんブログ村 猫ブログ MIX三毛猫へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

≪御直披・おんちょくひ≫板谷利加子

2007-12-21 12:12:42 | ノンフィクション

                   板谷 利加子著
                    角川書店


「御直披」(あなただけに読んでいただきたいのです。)
と記され、著者の元に届けられた一通の手紙・・・。

性犯罪捜査官の著者と共に闘い、
犯人に対して、強姦罪としては有期最高刑の
懲役20年の判決を勝ちとるまでの
被害者と、著者との、
温かい心の交流を描いた、ノンフィクション。


著者の(実母の)介護経験も、語られています。

著者は、執筆当時、
神奈川県警察本部性犯罪捜査係長でした。
現在は、警部補になられました。

御直披=親展。

『性犯罪の60%が、顔見知りの犯行』
(親・兄弟・親類を含む)
と、知り驚きました。

本の内容は、被害者と著者の間で
かわされた手紙の写しです。

もちろん、差出人の同意の上で
公開された物です。

家に入る時、(中に)誰もいなくても、
チャイムを鳴らし、家族がいるフリをする。

「誰も帰宅していないな」という顔で
おもむろに鍵を出す。

歩いている時に、不審者を見かけたら
携帯を持っていなくても、

「今から帰るから。
 あっ、そこまで向かえに来てくれるの。
 ありがとう。」

と、電話するフリをする。

帰宅する際、チャイムを鳴らす習慣を
つけるのも良いそうです。

エレベーター内で、バックから鍵を出し、
ダッシュで部屋に向かい、
チャイムを押さずに、鍵を開ける女性は
ひとり暮らしだと、すぐに、判るそうです。

オートロックのマンションでは、
もう、皆さんご存知の様に、
1階の鍵を開けた瞬間、後ろから接近し、
部屋番号を聞きだし、鍵を奪う手口も・・・。

   更新の励みになります。にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ
   いつも有難うございます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

≪そしてベルナは星になった≫郡司ななえ

2007-12-19 17:52:50 | ノンフィクション

                   郡司ななえ著
            (株)ナナ・コーポレート・コミニケーション刊

    ★★

盲導犬ベルナとの出会いから最後を看取るまでの
13年間の日々を、短歌を織り交ぜて綴る愛の物語。

著者は、新潟県上越市生まれです。
ベルナの晩年から『盲導犬のお話の会』を開始されました。

現在は、3代目のペリラです。
2代目の盲導犬は、白血病で・・・。
クイール以外にも、白血病にかかった盲導犬が
いた事にショックをおぼえます。

『盲導犬のお話の会』は、2002年末に通算640回を超えました。

24万部を突破した「ベルナのしっぽ」の続編。

プロローグが、いきなり「最後のドライブ」なので
気がめいりましたが・・・。

以前、ドキュメンタリーで、子育てされる、
全盲のご夫妻と盲導犬の番組を
拝見した事があって、その方のお話では、と思い
この本を手にとりました。

27歳で光を失った著者の、「目のみえないお母さん」
としての、子育ての記録です。

全盲のご主人と、二人三脚で、
育んでこられた様子が描かれています。

ベルナは著者の目になり、お子さんを育て、
「盲導犬ベルナのお話の会」を開いて
遠くの街の講演へも、著者を連れて行きました。

リタイアを勧められても、寝たきり犬になったベルナを
手放さず、看取られました。

新しい飼い主の所へ行くよりも、ベルナは
幸せだったと思います。

牛肉が好きで、お肉屋さんが大好きなベルナ。

ベルナ自身が白内障になり、視力が低下していく中で
盲導犬としての「生きがい」を失くしたり、
「プライドを傷つけられたり」する度に、
ベルナの自信回復のために、工夫する
著者の気持ちは、胸を打ちます。

読了後も、ベルナがしっぽを振る
「ぶん、ぶん」と、いう音が聞こえてくる様な気がします。

もともとは、犬が恐くて、好きではなかった著者の
ベルナとの13年間の温かい心の交流の物語です。

  更新の励みになります。   にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ
  いつも有難うございます。 にほんブログ村 猫ブログ MIX三毛猫へにほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ

<script type="text/javascript" src="http://ashiato.goo.ne.jp/parts/ashiato_parts.php?gid=goo3884&uid=sj60N-zKZpe1"></script>


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

≪“IT”(それ)と呼ばれた子≫デイヴ・ペルザー

2007-12-11 08:53:57 | ノンフィクション

                 デイヴ・ペルザー著
                   田栗 奈美子訳
                    青山出版刊
 
   
 ★★★

米カリフォルニア州史上ワースト3の児童虐待を
5年以上、体験した作者が、自ら綴った
生還までの闘いの記録。


著者は、小学1年から、警官に救出されるまでの間
実母から、虐待されながらも生きぬきます。

他の兄弟達のその後の消息は、不明です。

かばっていた父親も、家庭が崩壊していく中で
相当辛かったと思います。

完璧に家事をこなし、料理好きで、ご主人を
大事にしていた彼女に、いったい、何が
起きたのでしょう・・・。

私には、わかりませんが。

何かが、あった様な気がしてなりません。

それは、ありがちな事かも知れません・・・。

が、彼女にとっては、耐え難いものだったのでは・・・。

家族が、まだ、幸せだった頃、著者は
『本当の家族が居て、幸せだからよ。』
と、言いながら、涙を流す母親の姿を
見ています。

消防士だった父親は、勤務の都合上
家を留守にする事が多く、その度に著者は
大変、恐い想いをします。

小学校から帰宅し、家に入る前に、
「明日も、あの太陽が見られるだろうか」
と、思った日もあったようです。

ほとんど、食事を与えられない暮らしの中で
食物を入手するために、あらゆる可能性を
考え、綿密に計画して実行する。

この大胆な行動力は、母親ゆずりなのでは・・・。

兄弟の中で、一番聡明だった著者は、
一番、母親似だったのではないでしょうか。

命の危機が迫った時でさえ、冷静に自己を
分析する能力には驚きました。

誰にでもできることではないと思います。

  更新の励みになります。にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ
  いつも有難うございます。にほんブログ村 猫ブログ MIX三毛猫へ にほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

≪切り裂きジャック≫パトリシア・コーンウェル

2007-12-10 14:14:32 | ノンフィクション

                    パトリシア・コーンウェル著     
                       相原 真理子訳     
                         講談社刊

「検屍官」シリーズの作家として有名な
パトリシア・コーンウェルが、
7億円を投じて得た克明な調査記録。


著者は、バージニア州リッチモンドの
検屍局で、6年間の勤務経験があるそうです。

オープニングから、真犯人が
名指しされたのは、意外でした。

ヴィクトリア朝後期の、著名な
印象派の画家ウォルター・シッカート
注目し、様々な観点から、
犯人になりうる、可能性について
書かれています。

かなり長編ですが、最期の章に描かれている、
晩年の、シッカートの病気の妻に対する接し方を見ると、
彼のひととなりが判るでしょう。

読んでいると、 とても、113年前に
起きた事件とは思えません。

まるで、ニュースのように詳細な内容です。

2歳・9歳・20歳24歳、その他5枚ある、
シッカート本人の美貌の顔写真には、
驚きを隠せません。

4ヶ国語を話し、ラテン語・ギリシャ語
デンマーク語・スペン語
ポルトガル語の素養があり、
シェークスピアにも出演していた
シッカートは、どこから見ても紳士の風貌・・・。

切り裂きジャックのイメージとは、
かけ離れています。

現場の近くで、警官とすれ違っても、
誰からも疑われないでしょう。

事件よりも、当時の人々の暮らしぶりや、
シッカートの生い立ちが、多く描かれています。  

   更新の励みになります。
   ポチッとおねがいします。にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
  いつも有難うございます。にほんブログ村 本ブログへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

≪メンデ 奴隷にされた少女≫メンデ・ナーゼル 

2007-11-22 23:24:42 | ノンフィクション

                      メンデ・ナーゼル著
                       ダミアン・ルイス著
                        真喜志 順子訳
                      ソニーマガジンズ刊

      
   ★★★

ネタばれ注意

スーダンのヌバ山地で平和に暮らす、
先住民(少数民族)ヌバ族の12歳の
少女、メンデを襲った過酷な運命。
メンデが自由を手にするまでの半生の記録。


「荷造りをしたりして、見つかるんじゃないぞ。
体ひとつで逃げるんだ。」

と言う、救出してくれたヌバ族のバボの
言葉が印象的でした。

洗濯機・掃除機のある家に、奴隷は
必要でしょうか。

世界中が、ミレニアムにわいた年の
9月11日・・・
メンデは、イギリスの路上で
自由の身になりました。

メンデは、温かい家庭の
理解ある両親の元で、育ちました。

ヌバ山地で過ごした、子供の頃の豊かな
思い出も、多く語られています。

ヌバ族の慣習や暮らしぶりも、
生き生きと描かれています。

ある日、村が、ムジャヒディンによって
焼き討ちされ、(事実上の奴隷狩り)
逃げ惑う牛の群れに遮られて、
父親と離ればなれになった
メンデは囚われの身に・・・。

ハルツームのラハブの家で、
アブダとしての暮らしがはじまりました。

ヌバ族の村から、ハルツームまでは、
車で、一昼夜程の距離ですが・・・

ロバしかもたない、ヌバの人々にとっては
どんなに遠い事でしょう。

ハルツームから、ラハブの実妹ハナン
の家(ロンドン)に移されたメンデは、
孤独を深めます・・・。

個人的にも、ハナンよりもラハブの
方が好感が持てました。

本書からは「ルーツ」の様な憎悪を
感じないのは何故でしょうか・・・。

あれだけの事があったにも係わらず
メンデの家族は、奇跡的に全員無事でした。

美しく成長したメンデは、
2002年12月にイギリスに亡命し
難民として永住権を得ました。

現在(20代)幼い頃の夢を叶えて、
医師になる勉強をしています。

依然として、今も多くの子供達が
アラブ人の奴隷として囚われている
事もまた、事実です。

  更新の励みになります。
   クリックして下さいね。   にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ

  いつも有り難うございます。にほんブログ村 本ブログへ

 










 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

≪ドナービジネス≫一橋文哉

2007-11-07 09:30:03 | ノンフィクション

                  一橋 文哉著              
                                    新潮社刊 
                  2002年1月発行
                                                         
【story】
海外での、臓器移植を斡旋するブローカー。

誘拐した、子供の臓器を売買するドナーハンター。

死刑囚の遺体を入手する、臓器マフィア。

代理母・卵子バンクによって、臓器製造用の
胎児を増産する闇の組織。

関係者への取材をもとに、再生医療研究の
闇を描く。

著者は、1995年、連載「ドキュメント『かい人21面相』
の正体」で、雑誌ジャーナリズム賞を受賞。

その他の作品に、
「闇に消えた怪人・グリコ森永事件の真相」
「三億円事件」「オウム帝国の正体」
「宮崎勤事件・塗り潰されたシナリオ」
「赤報隊の正体」

本書は月刊誌「新潮45」の2001年1月~4月号
と6月号に連載された、闇の連鎖シリーズを
加筆修正した物。

ドナー問題に、特に関心があるわけでは
ありませんが、一橋文哉の本なので、購入。

・・・当然ですが、娯楽性は、全然なし。

次は、明るい本を読む事にします。

出版から、6年。
最新の再生医療研究は、さらに進んでいるのでしょう。

従来は、パーキンソン病患者の脳の内部に、無菌状態
のまま人工哺乳で飼育された、SPFブタの胎児の
脳細胞を移植して治療したのですが・・・。

パーキンソン病患者一人を、治療するのに必要な
ドーパミンはブタの胎児26頭分・・・。

現在では、4~10人の中絶された、人間の
胎児の脳を移植する方法が確立しているらしい。

治療できるのは、うれしい事ですが、
なんだか、怖いですね。

暗躍する闇の商人の活動を抜きにしても、
充分、寒気のする内容です。
 
どんな事が書かれている本なのかは、
家族にも、話しにくいですね。

アメリカには、胎児細胞を使った臓器製造を
研究中の、大手のバイオベンチャー企業が、
8社もあり、再生医療への応用を
目指しているそうです。

ES細胞の発見によって、体の組織が
人工的に作れる様になったのですから、100%
悪い知らせばかりでは、ありませんが・・・。

一方で、移植を待つ患者の窮状も
つづられています。

マニラで腎移殖を受け、人生を取り戻したOL・・・

死刑囚の腎臓を買い、職場に復帰し、病弱な妻
の代わりに、娘を嫁がせる事ができた父親・・・。

家族を失いそうになった時、倫理観と
感情の間で、苦渋の選択を迫られる人々の
苦悩も、描かれています。
                      にほんブログ村 本ブログへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする