余り先入観無く、感じたままをストレートな感想として書くことが自分のスタイルだと
自認しているのですが、時として「さて、どうしたものか……」と考えてしまう店に
遭遇する場合がある。
多分此方の店なぞは「事前情報の取り過ぎ」で「先入観を増幅」させてしまったようだ。
一介の客としても、その取材要因は地理的(シチュエーション)芸術的(アーティスティック)
人的対応度(ホスピタリティー)等、味以外に多々あり、注意深く観察していれば自ずから
書く事に不自由することは無いのだけれど
其れらの要因が余りにも事前情報と一致した場合「私が、あえて書くことが無い」状態に
陥ってしまうのであります。
そうは、申しましても、貴重な経験をボツにする訳には参りませんので
先ずは私なりの感想から、書き始めることにしましょう。
今にも降り出しそうな雲行きを気にして傘を購入するのに手間取ったことから
最寄り駅からの距離感は増幅された感があったが、実際のところは直線距離にして
徒歩5分と云う店の案内と誤差は小さいであろう。
人、車、合わせても交通量はとても少なく、極めて閑静な住宅街の一角に店舗や公園が存在
していて「こんな場所で商売が」と少し心配したが店に入ってみると既に先客二組
更にはテイクアウト客二組と、全く余計な心配だったようである。
待ち時間を長く感じることも無いタイミングで、サーブされた一皿には端正な面立ちの
バーガーと適量な野菜とフライドポテトが5ピース程度。
撮影が終わっても珈琲は出てこない……そうか、この店は食べ終わってから珈琲を
出すスタイルだと確信するのは、もう少し後となる。
Bセット(サラダ1/2、ポテト1/2)(¥980)
バーガーを口にして最初に感じるのは炭焼きの風味だった、そう云えば彼もその件
については、言及していたなと思い出したのである(特に直火と云うところが味噌、キモ)
じつは此の香り付けと云う手法が昨今の商品戦略に大変重要なアイテムに成ろうとしている。
なんせ、いまや、あの「ムシューダ」だって香りが付けられている時代なのである。
「香り付け」が差別化の強力な手法であることは、我、郷土の「わら焼き鰹タタキ」の
ヒットを見ても明らかなのであります。
概況を記せば、味的、物理的バランスの取れた完成されたバーガーであるとの印象を受けた。
それは店主のアイデンティティーが具現化されていると云うことであり、他店、特にファスト
フード店の其れとは一線を画していて店名に名前負けすることは無いでしょう。
数時間後には車の運転を予定しているので、アルコール(麦酒)を控えざるを得ない
のが誠に残念であります。
勘定を済ませ、店を出ると表の天気は急変、この写真を撮るのがやっとで
少し、名残惜しい取材となりました。
― shop data ―
店名:Hamburgers & Sandwiches「ザ・バーガー・カンパニー」※公式HP
所在: 京都市北区上賀茂松本町15(Yahoo!地図)
TEL: 075-791-1727
営業:月~土11:30~16:00(L/O-15:30)18:00~23:00(L/O-22:00)
営業:日・祝: 11:30~21:00(L/O-20:00)
定休: 火曜日
最寄駅:地下鉄烏丸線北山駅4番出口(徒歩5分)
久しぶりに拝見しましたが、以前より変わらずの味のある粋な文章、気付かないぐらいに細かな言葉遣いへの心配り……何と言いますか、上に進化・変化と書いた一方で「原点」「出発点」のようなものを思い出しました。大変好い刺激になりました――ありがとうございます。
声掛かりもあり得る方ですので、私のように文章の簡素化は大変でしょうけど、がんばって下さい。