
四条河原町交差点、高島屋の向かいにある裏寺町通という細い路地を
抜けるとその店は静かに営業中の看板を掛けていた。木綿の暖簾に平
仮名で書かれた「たつみ」の文字が、店のスタイルを印象付けている。
立ち呑みカウンターの方が良い写真が撮れそうだと思ったが、若い店員
は私を見て直ぐに椅子カウンターの右端に誘ってくれた。腰に難を抱える
自分にとってはこれ幸い、しかし隣でようやく、舟を漕ぎ出した旦那さんと
同等に扱われる歳に成ったかと思うと、あまり喜んでばかりは居られない。
『すみません、お絞り、切らせてまして』
一人呑みに「お絞り」はとても重要なアイテムなのだが、切れた物は仕方
無い、こういう場合、懐から「日本手拭い」でも取り出したなら「絵」になり
そうな気もする。――生ビールに続いて頼んだのは「黒霧島の湯割り」
ご覧の中ジョッキで景気良く出されました。どこぞの飲み屋のように、湯が
多過ぎて薄いと言う事は無いですねえ、少なくとも、5×5の割でしょう
何時もの芋焼酎がとても旨く感じたのは、料理との相性が良かったからかも。
↑「きずし」には生姜醤油が付いてきた。
高知ならさしずめ「シメサバ」だが、此方ではこうして食べるのが一般的の
ようだ、麹の旨さがのってサバの新鮮さも残っている。鯖街道(若狭街道)
を通って来たのかな。
↑ほたるいか天麩羅
柔らかくて年寄りには宜しい、揚げ立ちフワフワ。
↑ほほう「のれそれ」が有るんだ。
狭い店内の有効活用という理由から「立ち呑み」にしたのだろうが客から見
てそれが、格の有る店であっても「敷居の低さ」と感じ、一見客でも気楽に
入ってみる動機付けに成るのは間違い無いだろう。
と、酒飲み天国の高知ではまず、見馴れない風景にそんな事を考えた。
そう言えば「timさん」が書いているように外人遭遇率は高かった、勘定を
すませ奥のテーブル席から、小さなポシェットを手に帰りかけた大男と一言
二言、言葉を交わす常連さんがなんだかちょっと、鼻高に見えたけど勿論、
話しているのは日本語なんだよね。
--shop data--
店名:居酒屋「たつみ」
所在:京都市中京区裏寺町通四条上ル中之町572(Yahoo!地図)
電話:075-256-4821
営業:12:00~22:00
定休:木曜
<取材日2009/3/20>