では今回は「ステップ2ー今置かれている状況・環境に対する見方を変えてみる」について考えてみましょう。
例えば今置かれている状況には難点しか見えないような時に、その状況の中に何か前向きになれるような要素を発見できないだろうか?
まず最初に、大前提として「不幸せ」の反対を「幸福」と呼ぶとして、その「幸福」は「幸福感」以上の何物でもないという事を押さえておきたいです。 つまり「幸福」は感じるものであって、具体的な状況・環境そのものではないという事。仮に、物に不自由をしていない人の方が貧困に喘いで不自由をしている人よりは比較的「幸福感」を味わい易い環境下にあるという事が一般論として受け入れられているとしても、それには絶対性はないし、実際に富や名声を有していて鬱に悩まされている人もざらにいるのも事実です。
極論を言えば、現状に満足している貧民の方が不満足な金持ちよりも「幸福」だと考えることができるでしょう。
ここで、英語で言う「Positive Thinking」について考えてみましょう。これは「プラス思考」「積極思考」「前向き思考」などと訳されますが、その中心にあるのは「ポジティブな思考はポジティブな現実を引き寄せる」という考え方で、「精神衛生」の世界はもちろん、競技やビジネスに於ける成功論・自己啓発など、幅広い分野で応用されています。
ポジティブな思考の「効能」「ご利益」としては、血圧の安定、痛みに対する抵抗力、抗うつ、創造性の強化、そして長寿など数えきれないほど挙げられていますが、どんな思考パターンなのでしょうか。
古典的な例としては、水がコップの半分ほどを満たしているのを指して、「コップが半分空だ」と観る代りに「コップに半分水が入っている」と観るというのがあります。 ポジティブな思考の反対は「ネガティブ思考」や「マイナス思考」などと呼ばれ、それに陥るパターンは幾つかあります。 例えば、自己に対する期待設定が高すぎて、小さな成功には満足ができなかったり、逆に自尊心が低すぎるために、物事が思い通りに行かない時には即自責の念に囚われてしまったり、思い込みが激しい為に、過ちを1つ犯してしまった後に、過ちの連続がそれに続くことを自動的に予期してしまったりなど、色々です。 それでは、どう見ても明らかに「損」なネガティブ思考から解放されるためにできることを具体的に見てみましょう。
米国ミネソタ州の名門病院「メイヨークリニック」のサイトでは、「セルフトーク=自己会話、心の声」の言い換えが重要であるとして、下記の具体例を挙げています。
「こんなのやったことないよ。」 → 「新しいことを学ぶチャンスだな。」
「これは複雑すぎる。」 → 「別の角度からトライしてみよう。」
「面倒くさくてこれはできない。」 → 「物事の優先順位を見直して、時間が捻出できないかな?」
「これは過激な変化になってしまう。」 → 「一か八かやってみよう。」
「誰も自分に声なんかかけてくれるわけがない。」 → 「対話を始める糸口はないかな?」
「自分はもうこれ以上は上達できないよ。」 → 「よし、もう一回やってみよう。」
中には若干の時間的・金銭的なコストを伴うものもあるでしょうが、これらを総合的に観れば「得」は明らかですね。
(次回に続く)