


CSIシリーズのマイアミ編。
フロリダ湾にある小島で若い女性の水死体が発見される。 女性はレイプされたうえにサメ用の水中銃で
撃たれ、更に模造のイルカに噛まれた痕があった。 マイアミ・デイド郡警察CSIの主任は、まずは海洋生
物学者の所を訪れイルカの生態の調査から始める。
CSIチームが捜査に当たる中、第2の事件が発生し、海中に沈んだ車の中から女性の死体が発見され、
その女性にも同様の傷痕があり同じ犯人による連続殺人事件と思われた。 各方面から捜査を進めていく
中で、以前にビーチで友人らと遊んでいた女性が、海中で半魚人に襲われたという情報も入手する。
CSIの捜査により犯人は、水中に病的な執着を持ち、ラテックスに性的な興奮を覚え、海軍の海洋哺乳類
訓練計画を憎悪している人物だと推測し、動物解放同盟のメンバーの中に犯人がいるかもしれないとして
同盟メンバーの事情聴取を行う。 更に犯人は、マニアの間では有名な半魚人の映画に強く執着し傾倒し
ているであろう事も判明する。 そして、事件が起こった街は、半魚人の映画の舞台で撮影が行われた所
でもあり半魚人が街の観光スポットにもなっていた。
そして、CSIの科学捜査、聞き込みにより動物解放同盟の中にいる犯人を割り出し、CSIの主任は海洋生物
学者の研究所で犯人と対峙するが、博士を人質に取った犯人から銃をプールに捨てろと言われ指示に従
う。 しかし、プールの中で飼育されている訓練されたイルカに合図を送りプールに沈んだ銃を取って
来させるという愉快痛快な作戦で見事犯人を射殺する。 こんな目からウロコ的な大逆転劇を、たった1
ページだけでサラっと描いてるだけなのは、せっかくのクライマックスなのに勿体ない。
前回読んだラスベガスCSI編とは作者が違い、今回のはチームメンバーの個性もそれなりに描かれていて
メンバーの名前が覚えられないなんて事はなかった。 前回のも今作も翻訳者は同じだから、前回のが
あんなに読みづらかったのは翻訳のせいではなく、元々の原作が読づらく面白くなかったのだろう。
しかし、CSIは科学捜査班なので、素人には理解できないような鑑識に於ける科学捜査の専門的な小難しい
内容も描かれているが、話にリアリティーを持たせるためにはしょうがない部分ではあるだろう。