日々の寝言~Daily Nonsense~

愛と恋の違い

内田樹さんの本や上橋菜穂子さんの本を
読んで考えたことのメモ。

人が人を好きになるという複雑な現象において、
ショートタームな構造を恋と呼び、
ロングタームな構造を愛と呼ぶ、
と考えてみる。

恋は即時報酬的なので、中毒性があり、
リアルタイムの駆け引きが重要になる。

愛は遅延報酬的であり、忍耐が必要であり、
人生程度のスケールの時間をかける必要があり、
結果として稀少的である。

したがって、定義から、
ある人と一生かけてつきあうくらいの
覚悟がないと愛は生まれ得ない。

恋は愛を含意しない。
現象がショートタームで終わる場合もある。

一方、愛は恋を含意する。
もちろん、駆け引き的な部分の多寡はあるとしても。

誰を愛するか、は、何をライフワークとするか
と同じ種類の問題だ。

好奇心は、恋の始まりを作りだすのには必要だが、
こうした問題を解くときには邪魔になる。

ついでに:
「夜回り先生」のような
「博愛的な」話を聴くたびに思うのは、
キャパシティーやリソースの問題。

たとえば複数の問題児がいて、
Aと相談しているところに
Bが割りこんだらどうするのだろう?

Aのほうが相対的に手間がかかるとして、
Bはそれを受け入れるのだろうか?

それでもおそらく「決して見捨てない」という
基本的なコミットメントのインテンションが
相互に了解できていれば、「愛」という関係が
成立するのかもしれない。
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「生きるヒント」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事