並行して開催されていた王座戦では、
3-0の圧勝で久保八段を退けた。
どれも難しくて面白い将棋だったが、
第3局では、マジックらしい手も出て、
羽生ファンは久々に溜飲を下げたのではないか。
全体を通して、羽生さんの終盤力が
久保さんを上回ったという印象。
第3局の控え室でコメントしていた藤井さんも
そうだが、振飛車党は、駒をきれいに捌いて
優位を確立して押し切る、という勝ちスタイルが多いので、
ごちゃごちゃした接近戦のクリンチみたいな終盤になると、
読みの力がやや足りなくなってしまう面があるのかもしれない、
などと思った。
そういうごちゃごちゃの終盤での地力という意味では、
深浦王位、羽生二冠、森内名人、佐藤二冠、
渡辺竜王、そして、最近では郷田九段、木村八段、
といった面々が少し抜け出ているような気がする。
ともかく、これで王座戦は16連覇となり、
自らが持つ同一棋戦連覇記録を更新した。
おそらく、空前絶後のものすごい記録だ。
5時間という持ち時間だと、熱戦になれば
ほぼ必ず最後は一分将棋になるので、
序盤やや不利になり、相手に攻めさせて、
終盤で間違わせてひっくり返す、
という羽生さんの得意パターンが出やすい
というのはありそうだ。
時間攻めとあわせて勝負をかけるタイミング、
みたいなものもあると思う。
終盤の要所で、意表を突く手を指して、
相手に時間を使わせる、というシーンがよく見られる。
(王位戦でその手に乗らなかった
深浦さんはさすがだった。)
羽生善治データベース「玲瓏」には棋戦別の統計があり、
それによると、王座戦での勝率は8割以上で圧倒的だ。
同じ一日制の将棋でも、持ち時間8時間の順位戦になると
6割程度の年も多い。
こうなると、誰が止めるのかが興味深いが、
最有力候補の渡辺竜王も、最近ちょっと調子が悪いので、
20連覇くらいまでは行ってしまうかもしれない。
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