デザイナーの芦田淳さんがピカソを語っていた。
「美の破壊者」として20世紀に君臨したピカソ。
当時の友人の画家たちにも評価できなかった、というエピソードは
「絵とはこういうものだ」というような既成概念が、
いかに強いものかを感じさせる。
本物は見ればわかる、というのは
場合による、のだ。
既に言い尽くされているように、
普通の絵に飽き足りなかったピカソが
やろうとしたことは、対象の内面、本質を捉える、
ということだったのだろうと思う。
番組で紹介された牛の連作。どんどん抽象化されて、
最後は線一本の一筆書きのようになる。
対象を見ることに徹すると、
ああいうものが見えてくるのだろうか。
とにかく、ピカソには見えてしまった。
だから、それを描かざるをえなかった、
ということなのだと思う。
20世紀絵画が、全体として、
見たままを描く、から、印象や対象の内面、本質に
迫るようになった背景は、いろいろあると思うが、
そのひとつには、写真の台頭、というものが
あったのだろうと思う。
写真の存在を前提として、
絵画の存在意味は何なのか?
みんな真剣に考えたのだろう。
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