日々の寝言~Daily Nonsense~

見えないものを見、聴こえない音を聴く

NHKの「新日曜美術館」は、大好きな番組のひとつで、
のんびりと朝食を食べながら見ていることが多い。

今日は、丹下健三さんの特集だった。
東京カテドラル、代々木体育館、などは傑作だと思う。
しかし、都庁は・・・どうなんだろう?
ゴシックの教会を思わせる姿に、
威厳や象徴性は感じられても、
人々に優しく語りかける、というふうには、
私には感じられない。

建築は記念碑的であるべきだ、
美しいものが機能的なのだ、
というのはよいと思うのだが、
もうちょっと別の形がよかったなぁ・・・
安藤さんだったらどんなものを建てただろう?

アートシーンも、
Bunkamura でやっている「ポンペイの輝き展」や、
横浜美術館でやっている「イサム・ノグチ回顧展」など、
行ってみたいものが多かった。

しかし、今日の最大の収穫は、
「思い出の日曜美術館」というコーナー。
武満徹さんが、ルドンについて語っていた。

ルドンの絵を見ていると、
そこに描かれている眼が、
世界の源初の記憶、
この世界をつくっている見えないもの、
を見ているような気がして、
自分も、見えないものを見たい、
聴こえない音を聴きたい、
という気持ちになる、

というようなことを語られていた。

「見えないものを見、聴こえない音を聴く」
というのは「知性」、あるいは、知性のひとつの
究極的な働き方である「芸術」の
素晴らしさのひとつだと思う。

新日曜美術館を見ていると、
こんなにもいろいろな人が、いろいろな表現を
している、ということに驚かされる。
でも、それにも増して、それらを貫いて、
その背後にある共通の「何か」を
感じられることも多い。

そのことが、私にとって、
この番組の最大の魅力だ。

残念なのは、番組のホームページが無いこと。
たとえば、アートシーンのセクションの
BGMの選曲はかなりよくて、
この曲はなんだろう?ということが多いのだが、
NHKのホームページに行っても、何も情報がない。
そもそも、新日曜美術館のHPがないのだ。
いまどき考えられないことだと思う。

それから、「はな」さんと山根さんの
司会も懐かしい。いつかまた復帰して欲しい。
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