昨日公開されていた。
いつもながら、声としゃべりは心地よく、
内容は深い。
少しだけ、不正確に書き起こしてみた。
詳しくは、ナタリーのインタビュー記事も参照。
「Pale Blue」
恋の本質は失恋である
恋愛の対象となる人と出会ってしまうと
自分の半身をもがれたような感じになる
恋は、自分のことしか考えないような倒錯状態
いい下品と悪い下品がある
恥じらいの瞬間ってすごい下品だなって
思った瞬間があって
自分の欲望に忠実な状態は
それはそれで神聖さを帯びる
中途半端なものは、悪い意味で下品
自分が追い求めていた神聖さを帯びた下品ではない
下品であればあるほど獲得できる上品さを狙った
「ゆめうつつ」
残酷なまでの現実としてのうつつがあって
どうしてもそれは目をそむけられない
人間というものは、どこまでいっても他者とつながらなくては
生きていけない
そういう中で、生きてゆくためには、
ゆめ=ごく個人として存在する時間というものが
絶対的に必要
自分の中に、ただ自分にとって都合が良いような
閉ざされた空間があるからこそ
一歩外にある人間と調和を保つという気分になれる
開いてゆけばゆくほど、
多様性を認めてゆくほど良い
というものではない
知名度があがって大きくなってゆくにつれて
ある種の過剰な思いやりを抱いてしまうふしがあった
自分は金持っているから全部俺が払うよ、と
相手の尊厳まで傷つける形になってしまう、
余計なお世話を焼く人間に
いつしかなっている自分っていうものを発見した
そういう状況に対する反省も
「ゆめうつつ」という曲にはしのびこんでいる
自分の音楽を聴いた誰かが、
何か豊かなものを持ち帰ってくれるようなものを作るべきだ、
というのは明確にはある
倫理的な自分としたたかな自分というのを
両方自分の中にちゃんと持っていて
両方から目を離さないで、それを頭で考えて、
そっからこぼれるものを大事にする
「死神」
ユーモアとアイロニーが
音楽の本質の大きな部分を占めている
必要な重たさとかシリアスさっていうものは
絶対にあるはずだし、それに付随してまわる
怒りだったりとか、自分の意思表明みたいなものは
絶対に必要ではあるけれども、それだけで回っている世の中は
それはそれで不健全だし
何かを斜めから見る
へらへらするような側面っていうのが
実はものすごく重要なんじゃないかな、っていう
重たい重たい残酷な日常があるからこそ
やっぱそういうものがないと、
それを乗り越えられない
ジャケット
恋に落ちる瞬間、を描きたかった
それはとてもヴィヴィッドな瞬間
その一瞬で、自分の人生観みたいなものが
ぐるっとひっくり返るような、
自分が出がらしになってしまうような
サイケデリックで、ラリっているんじゃないか、
みたいな、恋愛は倒錯状態だと思うんですよ
パズルとリボンとフレグランス
バラバラになってしまったピースを
元の状態に戻してゆく、
それは、決して、バラバラになる前の状態ではない
そういう条件を表現するにはパズル
リボンというのは、ほどけてしまったものを結ぶもの
香りは画面の中で一番完結できない情報
匂いという強烈な五感の一つを CD に組み込むことによって
今この時代に CD を作るという強烈な意味の一つに
なりうるんじゃないかな
創作の根本
前例を探してしまうのは
結構貧しい発想なんじゃないか
もっと自然に存在するもの
遠い存在だけど共通点のあるものを
見つめてゆくっていうことがものすごく大事
美しいものは、基本的に、本質的に気色の悪いもの
それを美く表現する人間の奇妙さを表現する
共通点がありそうでないものを
いかに見つけることができるかが創作の根本である
(誰かの)音楽から音楽を作るのではなく
もっと別のところから取ってきて、
自分の中で転換させて表現する、っていう
回路をひとつ持っていないと、たぶん
残ってゆくものは作れないんじゃないか
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