穏やかな良い天気だった。
空はあくまでも青く、
少し冷たい空気が頬に気持ちよい。
コンビニで買ったおにぎりの袋をぶらぶらとさせながら
のんびりと歩いてゆく。
正月なので人が少ないのか、
誰ともすれ違わない。
車も少ないせいか、
空気が澄んでいるような気がする。
遠くに見えるお山は青くてとても美しい。
ちょっと森の中に入る。
鳥たちが木々の枝を自由に飛びわたりながら
さかんに囀っている。
鳥も、木々も、草も、
こうやって自然のままに
悠久の時を生き抜いてきたのだ。
人間だけが、より良い暮らしを
求めることに忙しい。
21世紀には地球上のすべての人が
豊かな暮らしを享受できるはずだった。
しかし、結局実現できたことは、
ごく少数の人の苦しみの少ない暮らしと、
多数の人の苦しみの多い暮らしと、でしかない。
世界は有限であり、
目の前の良い暮らしを追い求めること自体が
世界のどこかで悪い暮らしを産んでしまう。
みんなが幸せになれる、などと思うのは、
思いあがりなのではないだろうか?
悟りを得ようとすること自体が
すでに煩悩なのではないだろうか?
鳥や木々のように、
あるがままに、悠久の時を
ゆったりと歩むことはできないものか。
動物のようにありのままに生存競争し、
何も考えずにただ生きるのでは、
それは却って人間らしくない、のかもしれない。
そうであれば、
もう少し、競争を穏やかなものにして、
ゆったりとした持続可能な成長を
実現する方法はないものか?
競争するか、しないか、ではなく、
持続可能性を常に意識しつつ競争することで、
成長の速度を自然なものに保つ方法?
そんなことをぼんやりと考えながら、
森の中を歩いていた。
木々の間を通ってくる日差しが
暖かかった。
ここはどこ?
今日は何日、何曜日?
そんなことを一切忘れて、
ただただ目の前の木々を見ながら
ゆるゆると、ひたすらゆるゆると
歩いていた。
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