将棋名人戦問題（その７）毎日案否決

将棋名人戦の主催問題は、
今日の臨時棋士総会で毎日案の可否が表決され、
９０対１０１の反対多数で否決された。

うーん・・・
こういう決着もありえるかも、と１％くらいは思っていたが、
まさか現実にそうなるとは・・・
ということは、羽生さんや森内さんの毎日支持表明は、
やはり、最終盤で大逆転を狙ったものだったのか？？？

あるいは、票が固まって、
朝日への移管が確実になったので、
敗者となる毎日を懐柔、慰撫するために、
羽生さんや森内さんを利用した、
というのは穿ちすぎか？？？

さらに言えば、朝日移管で実を取りつつ、
でも良識ある棋士も多いのよ、
ということをアピールすることで、
将棋のイメージダウンを最小限に
抑えようという作戦？？？？？

勝手な妄想はともかく、名人、三冠、竜王が
毎日支持を表明しても、朝日に移管とは・・・
結局、中原さんや米長さんと同世代の力が
まだまだ強かった、ということか。

いや、というよりは、結局、
理事会の意向に逆らえない、弱い棋士が多かった、
ということなのだろう。

まあ、生活がかかっていれば、しかたない面はあるし、
谷川さん、羽生さん、森内さんクラスの才能を
定期的に再生産するには、
基盤としてその１００倍くらいの数の棋士が必要、
ということもわかるのだけど。

いずれにせよ、振り返って考えてみれば、
全棋士での表決にさえ持ち込めれば、
理事会が勝てる、というのは、
こういう事柄に明るい人にとっては、
最初から自明の読み筋だったのかもしれない。

そこがわからずに、
どうなるのかドキドキしていたなんて、
我ながら馬鹿だ。

これで、羽生さん、森内さん、渡辺さんをはじめ、
現役ばりばりの若手棋士たちが朝日名人戦には不参加を表明、
みたいなことになれば、またすごいことなのだが、
さすがに、そういうことにはならないと思うし。

なんだか今の日本の縮図っぽいような・・・
板挟み世代の谷川さんが可愛そう・・・

なんにせよ、きわめて後味の悪い結末だ。
どうしてそうなのか？というと、
水戸黄門の印籠が出たのに、
目先の欲に目のくらんだ悪代官側が勝ってしまった、
という感じだからか？

そう考えると、もともと、この話、
朝日に移そうとした理由や連盟にとっての
明確なメリットが正直よくわからないために、
移管がまっとうな、理のある一手に見えない、
信義を捨ててまで強行すべきことには見えない、
というところが問題の根なのかもしれない。

もっとも、これで名人戦が朝日に移って、
順位戦も含めて無料中継がしっかり行われて、
毎日にも、羽生さんや森内さんの顔で
なんとか機嫌を直してもらって、王将戦を充実させて、
こちらも無料中継になって、
朝日からの普及協力金が有意義に使われて、
身近な将棋関連イベントが増えて・・・
とかなれば、２年後くらいには、
今の後味悪さなどすっかり忘れて、
移してよかったんじゃない？などと思っているかも。

やれやれ・・・

個人的には、プロの将棋の勝負に感動する、
という楽しみがなくならないことを祈るのみだ。
渡辺ー木村の竜王戦とか、佐藤ー鈴木の棋聖戦みたいな
一方的な内容のタイトル戦ばかりになったら、
申し訳ないが、きっと見る気は起こらないだろう。