AI をテーマとする SF 短編の
アンソロジー。
収録作品のリストは以下のページで公開されている
AI と SF
・まえがき 大澤博隆
・準備がいつまで経っても終わらない件 長谷敏司
・没友ぼっとも 高山羽根子
・Forget me, bot 柞刈湯葉
・形態学としての病理診断の終わり 揚羽はな
・シンジツ 荻野目悠樹
・AIになったさやか 人間六度
・ゴッド・ブレス・ユー 品田 遊
・愛の人 粕谷知世
・秘密 高野史緒
・預言者の微笑 福田和代
・シークレット・プロンプト 安野貴博
・友愛決定境界フラターナル・ディシジョン・バウンダリ 津久井五月
・オルフェウスの子どもたち 斧田小夜
・智慧練糸 野﨑まど
・表情は人の為ためならず 麦原 遼
・人類はシンギュラリティをいかに迎えるべきか 松崎有理
・覚悟の一句 菅 浩江
・月下組討仏師 竹田人造
・チェインギャング 十三不塔
・セルたんクライシス 野尻抱介
・作麼生の鑿 飛 浩隆
・土人形と動死体 If You were a Golem, I must be a Zombie 円城 塔
・この文章はAIが書いたものではありません 鳥海不二夫
各篇解説 鯨井久志/鈴木 力/冬木糸一/宮本裕人
若手から老練まで、
幅広く集められていて
玉石混交ながら
読み応えはある。
大きなテーマ設定としては、
・全知全能の AI ができたら
・人格を模倣する AI ができたら
・その他
くらいに大別されるが、
それぞれのテーマの中で
どうストーリーを作り、
最後を落とすのか、について
プロの技が味わえる。
一気に読んだが、全22編の中で、
個人的に印象に残ったのは、
飛 浩隆さんの「作麼生の鑿」(全能 AI系)。
現在の生成 AI の本質を捉えて、
不可能設定を考えて
限界を示している。
菅 浩江さんの「覚悟の一句」(全能 AI系)も、
人間との付き合い方に悩む AI
の気持ちがとてもよく描かれていて
面白かった。
他には、大阪万博と絡めた
準備がいつまで経っても終わらない件 長谷敏司(全能 AI系)
は、関係者の顔や姿が透けて見えてかなり笑えたし、
没友 高山羽根子(人格模倣系)
Forget me, bot 柞刈湯葉(全能 AI系)
形態学としての病理診断の終わり 揚羽はな(全能 AI系)
シンジツ 荻野目悠樹(全能 AI系)
AIになったさやか 人間六度(人格模倣系)
ゴッド・ブレス・ユー 品田 遊(人格模倣系)
愛の人 粕谷知世(全能 AI系)
預言者の微笑 福田和代(全能 AI系)
シークレット・プロンプト 安野貴博(全脳 AI系)
オルフェウスの子どもたち 斧田小夜(AI 暴走系)
月下組討仏師 竹田人造(全能 AI系)
セルたんクライシス 野尻抱介(全能 AI系)
などもそれぞれ楽しめた。
やはり、AI そのものよりも、
AI をめぐってジタバタとする
人間のドラマが
面白いということか。
鳥海先生の最後の解説は
AI 周辺の状況を大変わかりやすく
伝えてくれて参考になるが、
Diffusion model がベースになっている
画像生成 AI の Stable Diffusion や Midjourney が
GAN を使っているように読めてしまう
ところだけはミスリーディングかも
(揚げ足取り)。
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