「生産性の向上」には二つの側面がある。
1)能力が低い人でも高い人と同じようなレベルの仕事ができる
たとえば洗濯機が無ければ、
単位時間に洗濯できる量は体力や要領に大きく依存したと思うが、
洗濯機を使えば、誰でも同じ量だけ洗濯できる。
2)能力が高い人がさらにレベルの高い仕事が効率的にできる
たとえば CAD が使えるようになって、
デザイナーの能力の差は、以前よりもずっと大きくなったと思う。
腕のよい料理人がいても、それなりに整ったキッチンがないと
最高の料理は供せない。
万民救済的側面と、エリート主義的側面。
万民向けの生産性とエリート貴族向けの生産性。
1)の意味での生産性の高さは、
世界中に広がりつつあり、世界需要を満たすために
かなり十分に近いレベルになってきている。
差別化要因にはなりにくい。
しかし、2)の意味での生産性の高さを
享受できるのは、ごく一部の人だけだ。
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