日々の寝言~Daily Nonsense~

「人間」の行方

池田信夫さんのブログから。

Is Google making us Stupid?
という雑誌記事に関するエントリーで、

> コンピュータの普及によって、
> 書物という大聖堂のように構築された形式はよけいなものになり、
> 人々はデータベースの中から必要なものだけを取り出すようになった。
> 長編映画よりも短いビデオクリップが見られるようになって
> 作品としての自己完結性を失い、「ケータイ小説」は日本語
> としては読むに耐えない、感情的な言葉の断片だ。

最近、同じようなことを
いろいろなところで痛感している。

コンピュータと情報通信技術の普及によって、
我々は明らかに忙しくなった。

時間が細切れにされ、
長い本をゆっくり読むような時間は、
よほど意識的に確保しない限りは、
非常に取りにくくなったと思う。

単位時間あたりに授受する情報の量は増えたが、
質は明らかに劣化している。

そして、さらに怖いのは、
こういう「細切れ情報の海」に
最初から浸って育つ世代の成り行きだ。

もちろん、一部の非常に優れた才能に
とっては、これだけたくさんの情報が得られることは、
かつてないチャンスである。

しかし、通常の情報処理能力を持っている
凡人にとっては、この「細切れ情報の海」で
方向を見失わずにしっかりと泳ぐことは、
大変難しいことだと思う。

ほとんどの人は、方向性も見失って、
ただぷかぷかと浮かんでいるだけになる
ことは容易に予想できる、
というか、もうそうなっている。

この先、重厚長大な情報をしっかりと
味わうことができる人の数は
どんどん減ってゆくだろう。

結果として、巷には、
ファストフードのような安上がりな情報が、
ますます氾濫してゆくことになるのだろう。

安上がりな小説、映画、食べ物、
エンタテインメントで
満足できるんだから、
効率的でいいじゃないか!

一生、エンタテインメントとしては
携帯ゲームだけでやってゆけるんだから、
お金がかからなくていいじゃないか!

動物は決まったテリトリーの中で、
決まった生活様式の中で暮らしている。
人間だって、そんなに波乱に富んだ生涯を
過ごす必要は無いじゃないか!

そうなのだ。エネルギーを使ってあちこち
旅行して回る人よりも、
家でテレビゲームだけやっている人のほうが、
明らかに環境に優しい。

「人間」という種は
どこに行くのだろうか・・・

追記:池田さんのブログのエントリーについた
コメントにあった言葉

> グーグルで人がバカになるのではなく、
> グーグルの出現によってバカか否かが
> はっきりする時代になった
> と言うべきではないでしょうか。

これもまた、ディジタルディバイドの一種か・・・
でも、今起きている現象には、
もうちょっと違う部分があるような気もするのだが。
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