「オラフソン ゴルトベルク」で
検索していたら、discovermusic.jp の記事があった。
CLASSICAL FEATURESヴィキングル・オラフソン最新インタビュー:
新作『J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲』に込めた思いは?
今年の 10/5 に出た記事で、
サウンド&ヴィジュアル・ライター
前島秀国さんによるインタビュー。
> 初めて聴いたのは25年前、確か14歳だったと思いますが、
> グレン・グールドが1955年に録音した演奏です。
私も、全曲を通して聴いたのは、
グールドの 1955年の録音だ。
何歳のときだったのだろう?
たぶん 20代の前半だと思う。
> 自分の脳を4つか5つの異なるチャンネルに分割し、
> しかもそれぞれのチャンネルが独自の個性を有しているような感じです。
> グールドはそれらのチャンネルからポリフォニックな網の目を生み出し、
> まるで舞台で上演される演劇のように、
> すべての登場人物が独自の個性で語りかけてくるように
> ピアノを演奏しています。
言われてみると、そのとおりだ。
> 今年は私にとって特別な年なんです。協奏曲も弾きませんし、
> 他の作品も演奏しません。
> 全世界で開催する88回のコンサートで
> 《ゴルトベルク変奏曲》だけを演奏します。
うーん・・・これもすさまじい。
(グールド以外に)
インスパイアされた録音としては、
ワンダ・ランドフスカのチェンバロ録音、
マレイ・ペライア、グレゴリー・ソコロフ
を挙げている。
ロザリン・テューレックが
挙がっていないのはちょっと残念だが、
やはりヴィルトオージティの問題だろうか。
> それぞれの変奏は独自の論理、
> 独自の表現を持った
> 個別の惑星だと考えています。
> 太陽系の中の惑星がそれぞれ異なっているように、
> 個々の変奏が大きく違っているから素晴らしいのです。
> しかもバッハは、常に同じハーモニーを使いながら、
> 尽きることのない多様な表現を生み出しています。
> それこそが《ゴルトベルク変奏曲》の美しさだと思います。
> したがって、私たちは個々の変奏を
> 同じ文脈に当てはめようとするのではなく、
> それぞれの変奏が持つ独自性を引き出していくべきなのです。
言葉も明晰だなぁ・・・
昨日の演奏はまさにそのとおりで、
オラフソンさんは、それぞれの変奏の個性を
最大限に引き出すためにで
きる限りのことをしていた。
高速の曲では、もうちょっと
ゆっくり弾いてもいいのでは?
と思うものもあったが、
あれが、オラフソンさんが
昨日、あそこで、
弾きたかったテンポなのだろう。
超低速から超高速まで、
微かな響きから強くて厚い響きまで、
振れ幅がとても広く、80分におよぶ
全曲を通してまったく飽きることがなく、
次々と展開されるドラマに翻弄されて、
だからこそ、アリアに帰郷したときの感動が
とても深くなる、という演奏だった。
それにしても、この演奏を
今日のお昼からもする、
というのはすさまじすぎる。
他人事ながらお身体を大切に
してほしいと思う。
しかも、今日 12/4 のトリフォニーホールは、
オラフソンが弾いた「後」に、
サキソフォン・アンサンブルの
清水靖晃さんたちが演奏するのだ。
> この作品には無限の可能性が含まれているので、
>「これが究極で唯一の解釈だ」などという意見は
> 的外れだと思います。
と本人が言っているのに、
「究極のゴルトベルク」という
売り文句をつける興行元というのは
どうなのだろうと思うが、
オラフソンさんの単独公演には
ついていなくて、清水靖晃&サキソフォネッツ
との2部制公演にだけついているので、
ピアノとサックスという両極が聴ける、
ということなのかもしれないが・・・
しかし、オラフソンのあの演奏を聴いた後に、
休憩が入るとはいえ、清水さんの演奏を聴く
というのはかなりつらそうだが・・・
大丈夫だろうか?
清水さんのゴルトベルクも楽しめる
ものではあるが、私だったら、
絶対に別々の日に聴きたいと思う。
他人事ながら心配だ。
それにしても、オラフソンさんの公式動画は、
> ストリーミング総再生回数6億回越え
なのか・・・クラッシックでは破格だなぁ。
坂本龍一さんの公式チャンネルでも
総再生回数は約 6千万回だ。
記事の中でも、坂本さんに言及されている。
> 坂本さんとは、フランク・ロイド・ライトが設計を手がけた
> 「落水荘(フォーリング・ウォーター)」で
> 一緒に時間を過ごし、音楽を作る計画がありました。
落水荘は、アメリカにあるのだったか?
> 個人的には、おそらく私の人生を変えることになったであろう
> 坂本さんとのプロジェクトを実現できなかったことを、
> とても残念に思っています。でもありがたいことに、
> 音楽だけに集中し、アーティストのエゴにあまり
> こだわらなかった坂本さんらしい素晴らしい曲が、
> たくさん残されています。
両者が好きな聴き手としても
ほんとうに残念だ。
今回、聴けて幸運だったと思う。
生涯を通して、それほどたくさんの
演奏を聴いているわけではないが、
ポリーニ、アルゲリッチ、アシュケナージ、
などと同じレベルで記憶に残る演奏だと思う。
サントリーホール(大ホール)は満席だったが、
浜松はまだチケットがあるようだ。
昨日の評判で完売すると良いのだが。
浜松や、札幌(小ホール!)など、
他のホールも行きたい気持ちもあったが、
コンサートに行くのは
体力的にとても大変なので、
今回はあきらめた。
また聴ける日があることを
願っている。
バッハの平均律が聴きたいなぁ。
坂本さんの曲ももっと聴きたい。
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