YouTube のお薦めから。
シューベルトは
ブルックナーと並んで
好きな作曲家だ。
ブルックナーは
わりと歳を取ってから好きになったのに対して、
小さい頃にウィーン少年合唱団の
赤いレコードを聴いていたこともあってか、
シューベルトは子供の頃からずっと好きだった。
しかし、作品はとても好きなのだが、
人間としてのイメージは、
梅毒で苦しんで、早く亡くなった、
というようなこともあってか、
あまり良くはなかった。
なんとなく、
放埓で破滅的な生活をしていたのでは?
という思い込みがあったのだが、
この動画は、とてもよくできていて、
シューベルトの暮らしぶり、
人生がよくわかる。
肖像画も、晩年の太ったものしか知らなかったが、
若い頃はかなりハンサムだったのだ・・・
31歳であまりにも早く
亡くなってしまったのは、
腸チフスが原因だった
というのも知らなかった、というか、
たぶんどこかで読んだと思うが
忘れていた・・・
* * *
ところで、この動画で久しぶりに
未完成交響曲の冒頭部分を聴いて、
うーん、これは、
ブルックナーの4番の冒頭と
なんだか似ている、と思った。
そこで、シューベルトとブルックナー
で検索すると、やはり同じことを
もっとずっと高いレベルで
感じている人がいらっしゃった。
夢か幻か? あるいはロマン派世界観の根底にあるもの
―シューベルトD.960とブルックナー4・7
書いているのは、
尚美学園大学名誉教授の
田村 和紀夫さん。
転調によって、夢とうつつ、
現世と異世界を往来する、
ロマン派の音楽について
譜例や演奏動画も引用しつつ
詳しく述べられている。
その中に、シューベルトの未完成と
ブルックナーの4番の関係も書かれていた。
> シューベルト『未完成』冒頭でオーケストラが徐々に高まり、
> トゥッティで崩れ去るところでホルンとファゴットの音がとり残される。
> そこからチェロの旋律が花開く。
> この美しい頁にどれだけの作曲家が影響を受けたことか。
> ちなみにブルックナーもそのひとりで、
> 『ロマンティック』第1楽章の第2主題の提示法
> (第75小節 記号M)でまったく同じことを行っている。
こういうこともまた、
音楽の愉しみのひとつだ。
> ロマン派の「夢」とは長調における
> 長3度下の世界への「落下」だった。
> ロマン派が憧れた国―シューマンの言葉だと
> 「いつかいたことがあるのに、どうしても想い出せない国」とは、
> 音楽においては、3度転調によって呼び起こされた
> 世界だったのかもしれない。
いやー、かっこいい文章だなぁ。
こちらのブログ、他の記事も
いろいろ面白そうだ。
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