どのくらいなら容認できるのか、について、
いろいろな基準があって混乱しているので、まとめてみる。
1)ICRP(放射線防護委員会)の参照レベル(出典 NHKかぶんブログ)
緊急時にあっては 20mSv/年 ~ 100mSv/年
復旧時にあっては 5mSv/年 ~ 20mSv/年
平時にあっては 1mSv/年
緊急時の基準は、それが何年も続くことは想定していない。
今後数年間においては、復旧時の基準を適用しつつ、
できるだけ平時に近づけるようにするべきなのだろう。
2)チェルノブイリの退避基準
これがなかなかわかりにくい。
まず、1986年4月の事故直後、
1週間以内に 30km以内+ホットスポット周辺の人が
避難させられたとされている。
事故から5年後の1991年にベラルーシで制定された法律では、
第1次移住ゾーン:セシウム137 > 1480kBq/m^2、ストロンチウム90 > 111kBq/m^2
プルトニウム > 3.7kBq/m^2
第2次移住ゾーン:セシウム137 > 555kBq/m^2、ストロンチウム90 > 74kBq/m^2
プルトニウム 1.85kBq/m^2、年間被曝量 > 5mSv
となっている。条件が OR か AND かがわからないのだが、
OR と考えるのが自然だろう。
事故から5年後の放射線レベルに対する基準である
ということは注意されるべき。
ここは、私の投稿でも混乱している。
3)放射線管理区域の設定基準
これもいろいろな基準がるのだが、
労働安全衛生法によると(出典 Wikipedia)、
1.外部放射線による実効線量と空気中の放射性物質による実効線量との合計が
3月間につき1.3mSvを超えるおそれのある区域
2.放射性物質の表面密度が別表第三に掲げる限度
(α線を出すものは 4Bq/cm^2 = 40kBq/m^2、出さないものは 40Bq/cm^2=400kBq/m^2)
の10/1を超えるおそれのある区域
このほかに、労働安全衛生法では、女性、妊婦の放射線業務従事者に
特別の基準を設けている。
たとえばセシウムはα線を出さないので、40kBq/m^2以上となる。
文部科学省の出した学校活動に対する基準値である 3.8μSv/h は、
3ヶ月分単純に累積すると8.2mSv となり、
労働安全衛生法の基準を大幅に上回ってしまう。
セシウムの量については、早野先生の換算式を使うと、
40kBq/m^2 は 728Bq/kg となる。
これに対して、文部科学省の土壌調査では、4/24のデータで見ても、
福島県内は軒並み 1,000Bq/kg を超えていて、
10,000Bq/kg 超えも結構ある。
法律違反だから、日弁連が声明を出したのか・・・
労働安全衛生法もまた平時の基準ではあるのだが、
これで安全と言われると、今までの基準というのは
いったい何なのだ?という感じがやはりしてしまう。
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