今年のカンヌの大賞(Palme d'Or)作品。
カンヌ受賞を受けてか、
公的批評はおおむね良好だが、
口コミのほうはさっぱり。
期待はずれを期待して?
見に行ったのだが、予想以上だった。
残念ながら、監督の自己満足映画
にしか見えなかった・・・
映像は素晴らしく美しいものの、
神を感じさせるような映像の寄せ集めという印象。
超リアルな恐竜までもが友情出演。
音楽もまた、名曲コレクションがずっと鳴りっぱなし。
メインテーマの「生命の樹」と「父子の確執」が、
うっすらとは共鳴するものの、うまく結びつかない。
かわいがられている弟をいじめる、とか
蛙をロケットで飛ばす、とか、
気に入らない家のガラスを割る、とか
気になるおばさんの下着を盗む、とか
懐かしい感じの映像はいいのだが、
もっと大きなものにつながってゆかないのがもどかしい、
というか、延々とそれが続くのでさすがに疲れた。
とはいえ、映画として最悪、かというと
全然そういうわけではない。
個々の映像を見ればさすがだし、
全く演技を感じさせない家族の姿も特筆もの。
特に、母親役の Jessica Chastain は、
聖母のような風貌もあいまって、素晴らしかった。
長男役の Hunter McCracken は憎らしく、
次男役の Laramie Eppler は可愛かった。
そして、歩いているだけで風格のある Sean Penn。
それらが空回り?してしまっているのが
実に惜しいというかなんというか。
レイトショーということもあって、劇場は超閑散。
エンドロールの最後までいたのは私一人だけ。
なんだか自分の個人用映画館みたいな状況。
よくもまあこれを製作させたなぁ・・・
それに賞を与えるカンヌもすごいなぁ・・・
とても珍しいものを見た
という印象で映画館を後にした。
(次のエントリーに続く)
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