この世の中、人間はひとりでは生きていけないんですから、
誰かのために何かできなければ、自分のために何かをして
もらえるような関係は生まれません。
生きる喜びは人と関わっていくことでしか
生まれてこないんじゃないかと思うんです。
芝居だって、目の前でお客さんが泣いたり
笑ったりしてくれるのがうれしいんですよ。
それがなければ価値がないと思うんです。
* * *
渡辺さんは、自分の中では、
本音で生きる苦労人、の代表的イメージだ。
上の言葉も、本人の経験から出たもので、
そうだなぁと思う。
ただ、より正確にするとすれば・・・
「誰かのために何かできなければ」は、
自分が生きている間に、とは限らないということと、
必ずしも目に見えるやお金で計れる形で、
とは限らないということを指摘しておきたい。
たとえば、障害を持っているような人というのは、
そうでない人に対して、そうなった時点で既に
「人という種に一定の確率で起こる障害を引き受ける」
ということをしていると思うのだ。
自分の死後、遠い未来になって、
ある人のやっていたことの意味やありがたさが
明らかになる、ということもあるだろう。
数日前に書いた働かない働き蟻ではないが、
何もしていないようでも、
場の雰囲気をなごませて、ものごとが
うまく進むようにしている、
ということもありそうだ。
「生きる喜びは人と関わっていくことでしか
生まれてこないんじゃないかと思うんです」
人間も生き物なので、
生きる喜びは自然のうちに持っていると思う。
一人で無人島に暮らしても、たとえば、
太陽の光を浴びたとき、
雨の恵みを感じたとき、
大きな魚が取れて食べたとき、
何かものごとがうまくいったとき、
などに、なにがしかの生きる喜びは感じられるだろう。
しかし、人間の場合、
基本的に単独では生きてゆけない、弱い生き物なので、
人と関わってゆくことがより大きな喜びに
つながってゆくようにできていると思う。
そんなことを考えた。
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