この見出しはちょっとミスリーディングだ。
電子機器の使用が情緒的発達に悪影響を及ぼしているのではなくて、
もともと対人関係が苦手な子供のほうが、
電子機器に逃避する傾向が強いということではないだろうか?
記事中にも
> ナス教授は、電子機器の複数同時操作と情緒的健康の悪化には
> 密接な相関関係があることは明らかになったが、その因果関係は
> 証明できなかったとした。
とある。
両者は円環的に作用しあっているので、
どちらが明確に原因とは言えない。
より正確に言おうとすれば、
先天的に対人関係が苦手
→電子機器の使用頻度高い
→対人関係の学習機会の喪失
→対人関係の苦手度がさらに悪化
というようなスパイラルがある、
ということになるだろう。
問題は、対人関係が苦手でも、
昔は否応なくそれに直面せざるを得ず、
それなりの学習機会があったのだが、
今はそうした機会が希薄になり、
問題に直面せずにすむようになってしまっている、
ということだ。
肉体労働の機会が減った結果筋肉が衰え、
体温が下がって病気になりやすくなっている、
というのと同じような構造が見て取れる。
技術が進歩するということは、
弱い人でも強い人と同じようなことができる
ということでもあるので、逆に言えば、
人間がどんどん個人的に、ひ弱になる方向に
バイアスがかかっているとも言える。
今の社会には、そうした「ひ弱化」バイアスが存在する
ということをしっかり知って、
自分なりに対処することが重要ということだろう。
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