理系脳の限界、を感じざるを得ない。
理系の思考法は、
1)真か偽か、正義か悪か、明快さを求める
2)常に原理に立ち戻って自分で考えたがる
3)時間をかけても最適解を求めたがる
これは、実験室のように、限定され、単純化された状況では有効だ。
現実にもたまにはそういう状況が存在する。
たとえば、菅さんが「薬害エイズ」で功績を挙げられたのは、
被害者と悪者がかなりはっきりした、
単純な問題だったからかもしれない。
しかし、総理ともなると、
そんなに単純な問題はほとんど回ってこない。
すべては利害が絡み合い、
だれが正義でだれが悪と
明確に言い難い案件ばかりだ。
それを、全体の情勢などを考えながら、
ある種のバランス感覚で折り合いをつけてゆく
ことが必要なのだが、理系脳には、この
「多くの利害が絡むグレーな世界をうまく折り合いつける」
ことが苦手だ。
今回の法相の実質的更迭も、
「補正予算を通す」という単純な目標を設定したために
公明党のご機嫌を損ねられない→更迭しかない
というふうになったわけだが、それによって、
党内の支持基盤という長期的価値を大きく損ねることになった。
問題を過度に単純化しないと
行動できない理系脳の限界が透けてみえる。
話が複雑になるのを厭うために、
多くの人との交流を嫌い、
特定の人とだけ話をするのが好きだ。
たとえば、菅さんなら仙石さんだが、
その人のフィルタを通して単純化された
情報しか処理できない。
それでは、容易に大局を見損なう。
トップたるもの、できるだけたくさん現場を見て、
複雑でダイナミックな状況を常に把握し、
その上で意思決定をする必要がある。
柳田法相のおそまつさを見ればよくわかるように、
「政治主導」は、言うは易しく、
行うはきわめて困難なことだという認識が
民主党の議員にはどれくらいあるのだろうか?
現在の大臣、副大臣クラスで、現場との
対話ができているのは、文科省の鈴木寛議員
くらいではないかと思う。
理系脳は、部分問題を解決するには有効なのだが、
首相にはあまり向かない。
(というのも理系脳的な単純化だが)
しかし、よりにもよってこんな時期に、
北朝鮮が暴発?とは・・・
もうちょっと清濁あわせ呑むような
肝の太い人材はいないのだろうか?
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