”知財コミュニケーション研究所 知財コミュニケーター”® 知財活用コンサルタント・セミナー講師:新井信昭のブログ 

「社長! その特許出願ちょっと待った!」。「見せない 出さない 話さない」と「身の丈に合った知財戦略」で企業を元気に!

『iPS細胞の特許』京都大学 vs 米アイピエリアン

2011-02-02 10:18:29 | 事業戦略と知的財産マネジメント
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『iPS細胞の特許』京都大学 vs 米アイピエリアン

おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です.

京都大学は、京都大学が保有する人工多能性幹 (iPS) 細胞製造に関する基本特許(特許出願を含む)について非独占的なライセンスを、米国iPierian Inc.に許諾しました。

その背景には、京都大学による特許は日本では成立していましたが、その内容の一部が米企業出願と重複していたから、と報じられています(読売新聞2月2日)。

先に出した方が勝ちなんじゃないの?

これは、先願主義の考えかた。

米国では、先に発明した人が勝つという先発明主義がとられています。

じゃ、どうやって先に発明したか決めるの?

これが、『インターフェアレンス』 という手続き。

一言でいうと、どっちが先に発明したかの証明合戦。

そのためには膨大な手間と金(弁護士費用)がかかります。

かつて私が処理したインターフェアレンス事件では、結局 『和解』 で解決しました。

正直なところ、相手が先に発明したとは考えずらかった。

本当は争いたかった。

勝てる自信もあった。

しかし、時間と金のことを考えると、和解をのむしかありませんでした。

この度、和解したことについて京都大学の山中教授は『メリットは研究に多くの時間が割けること』と語られたそうです。

前後関係を知らない私が 『和解』 の是非を口にする立場にありません。

が、インターフェアレンスの経験者の一人として思います。

日本の国家知財戦略の虎の子ともいえる 『iPS細胞』 について、国が協力し産官共同で 『強気』 に出る手段はどれほどまで検討されたのか、と思いました。

今日もお読みいただき有難うございます。

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