木彫りの鳥の独り言

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令和2年 初ブログ

2020年01月02日 | 独善偏見音楽鑑賞記
"明珍を打ちたるごとに冬晴れて"

新年おめでとうございます。
 とは言ってもせいぜい "宝くじ三百円なりおらが春" 程度のものですが、フㇷ
それでも穏やかな日和です、生きてりゃ儲けなのであります、、、

さて独断的音楽鑑賞記であります、昨年はクルレンティス、ムジカエテルナ、コパチンスカヤにどっぷりと
はまり込んでしまいましたが、その後彼らの新しい音源はとうとう発売されずいまだにお預け状態です。

NHK Eテレ12/31放送のN響「ベト9」ですが恒例のごとく大晦日の夜は8:00頃~11:50までは酔いつぶれて寝ておりますので
録画したものを鑑賞、シモーネ・ヤングの指揮はおおらかに歓喜の歌を響かせてくれました、指揮者の風貌によくあった
演奏でした、、、! それと東京オペラシンガーズは大したものですね。
ちなみにマレク・ヤノフスキが指揮した昨年の9番はやたらとテンポが早かった印象しか残っていなかったんだけど、
指揮者によって音楽が変わるというのはクラシック音楽鑑賞の醍醐味ですね
第9が終わってから2時間ほどNHKの音楽放送の年間の回顧をやっていて、私なりに一番印象に残ったものをあげると
12/8放送のセミョーン・ビシュコフ指揮チェコフィル 樫本大進のチャイコフスキーVn協奏曲でしょうか
樫本大進といえばベルリンフィルのコンマスを長らく努め合間にソロ活動もこなすいまや大ヴィルトゥオーゾ、
再度録画したものを聞きなおしましたが、いやいや豊かで美しい音、圧倒的な表現力でやっぱりこれは名演でした。
聞き終わって、そういやあのコパチンスカヤ盤と聞き比べをしていないなと思い至り、早速実行、、、
全曲通しと楽章ごとと(我ながら性格的にひつこいですな)聞き比べた感想です。

録音について、NHKの録音は実にバランスよく大進の前に置かれたマイクと全体のミキシングが素晴らしくさすがやね
というところ、コパチンスカヤの方は大胆なミキシングで音楽を盛り上げてる感じ(嫌味な感じではない)
どちらもダイナミックレンジが広く奥行きのある好音質。

肝心の演奏については大進の方が音は美しい、コパチンスカヤの音はヴィオラを思わせるようで太く野性味が感じられる
表現力はどちらもすごい、ただチャイコフスキー独特のリリシズムの表現にに関してはコパチンスカヤ盤の方が明らかに上

クルレンティス_ムジカエテルナのあざとい程デフォルメされた表現が圧倒的にチャイコフスキーの一種、狂的な抒情を
伝えてくる、2楽章の冒頭からの深い哀しみをたたえたフレーズの繰り返しで、コパチンスカヤはほとんど聞き取れない程まで
音を絞ってくるそして3楽章に入りそのコントラストが見事に際立つ。
大進の演奏は素晴らしくあくまでフォーマル、コパチンスカヤはいわばルーマニア、モルドヴァ、ペルミの土のにおいが
する、そしてロマの音楽をふと感じさせるような、、、
所詮、私ごときが比較できるようなものじゃないですね、まぁそれが音楽の面白さであります。

"辛きなどちくとも言わず寒すずめ" ではこの辺で