木彫りの鳥の独り言

ちょい悪爺の懺悔録

アンサンブルエヴォリュエ

2019年05月20日 | 独善偏見音楽鑑賞記
"短夜や夢か現かホトトギス

5/19知人が所属するアマチュアの混声合唱団 アンサンブル エヴォリュエ第15回演奏会 いずみホール

パイプオルガンのyou raise me upの独奏から入った演出のセンスの良さに、この後のコーラスへの
期待が高まる。 そして始まった演奏はコーラスの完成度に加えていずみホールのパイプオルガンの
荘重な響きが相まってダイナミックレンジの大きい、かつコントラストのくっきりした素晴らしい
演奏、、、第1ステージは、ほんとにあっという間に終わってしまった。

第2ステージ以降はピアノの伴奏、この熊谷啓子さんはなかなかの手練れ、スタインウェイのピアノの
響板を全開にせず半分くらいにしてたけど、それでもきらめく音が圧倒的に溢れでてました。

思うに、歌声というのは個人やグループにかかわらずそのパーソナリティが強く出るもの、エヴォリュエは
テーマ「地球」に沿って、地球的な自然環境そしてそこで営まれる人の世がより良くあってほしいと願う
メッセージを声高に主張するのでなく音楽を通じて発信していくんだという精神を強く感じさせてくれました。

そして第3ステージ
ワンステージメンバーが加わって迫力の大合唱、このメンバーでマーラー8番あたり演奏したらさぞかしと、、、
オリジナルメンバーによるエンディング曲の「進め進め」もよかったな、終わりは演奏終了後の花束贈呈とか
アンコールとか一切省いて静かに退場、アマチュアのバンドによくあるべたべた感は無く、実に後味すっきり。

しかし指揮者の飯沼京子さん宝塚の男役みたいな感じの人だけど、立居振舞がいいなぁ、、、ブラヴォー
自分はコーラスに関しては全くの素人だけど、このクラスになるとプロとアマの差なんてないよなぁ。

考えてみれば日本の音楽の土壌は我々の時代と比較して随分と豊かになってますね、私が通うジムの
サウナでよく顔を合わせる同年配の元某航空会社の花形パイロットだった人が現役時代に欧州便に乗って
現地で知り合ったパイロット仲間と懇親する際に決まって、君はどんな楽器を演奏するんだと聞かれるそうで
楽器に縁がなかった彼はいつも疎外感を味わったという事でした、話のオチは彼が一念発起で尺八を習いだした
けど三か月しか続かなかったというもの、そら尺八は難しいけどそこはパイロット、ケツ割も早いわな。

5/5 Eテレクラシック音楽館 グスターボ・ドゥダメル指揮ロサンゼルス・フィルハーモニー
録画してたものの見るのが後回しになってたやつをようやく視聴、ハリウッドの映画音楽特集だったけど
ドゥダメルがますますジョン・トラヴォルタに似てきたのに感心、プログラムにサタデーナイトフィーバーが
有ったらよかったのに、このロサンゼルスフィル 映画音楽で有名やけどメンバーの演奏技術は凄いね、どの曲か
忘れたけど(未知との遭遇か)フルートの32分音符?くらいの細かいパッセージをおばさんが涼しい顔で流してた
あと金管パートの音色とか、さすがディズニー御用達という感じ、、、。

来週6/2の同プロはN響第1907回定期公演 ラフマニノフピアノ協奏曲第2番 Pアレクサンダー・ガヴリリュク 
この曲は2008年N響とレイフ・オヴェ・アンスネスの入魂の名演が忘れられないけど、今回はどうでしょうかね。

"みかんの花わらいて揺れり今朝の風

5/12 クラシック音楽館

2019年05月16日 | 独善偏見音楽鑑賞記
さて独善的鑑賞記です、5/2 WowWowで録画した映画を見ようかと思ってスイッチオンしたら、懐かしや「ゴッドファーザー」
長男ソニーが対立組織に銃撃されてズダボロになるシーンが流れていて、そのまま最後まで見た次第。
しかしこの映画は脚本、演出、出演者のどれをとっても完璧やね、私はマイケルがシチリアに逃れた部分が印象的です、
ギリシャ風美人の新妻アポロニアが爆死するシーンが一番衝撃的でした、公開時見たとき隣席に座っていた初老の男性が
オーッと奇声を上げたのを覚えてます、それとこのシチリアのシーンは民族的、歴史的な背景についても考えさせられます。
余談ですがアポロニア役のシモネータ・ステファニーという人はその後女優として名前が出てきませんね、こんな大作だから
そのあとも活躍したんだろうと思うけどね、だれか知っている人いたら教えて!

音楽の方ですが
5/12EテレのアンスネスのモーツアルトP協21番。
ちょっと硬い感じがしたけど、彼は昨年12月に右ひじを故障したせいで今回のプログラムもこの曲に変更したそうで、その影響なのか?

それでも第2楽章のあの人智を超えた美しいフレーズを深い精神性を持って聞かせてくれた、まさに酒で言えば響の30年、ちょうど会場は
サントリーホール、録音も優秀 ブラボーでした。
メインプロのベルリン放響のベートヴェンの7番(マーラー編曲版)は木管 増強で骨太サウンドだったけどオリジナルの軽やかさが薄まって
しまってたなぁ.

"春盛りカルボナーラの浅利かな"

明日香石舞台

2019年05月10日 | 旅行
"樫の花はるか昭和は遠くなり"

17歳の5月頃、一人で電車に乗って橿原神宮 石舞台古墳を尋ねました。
当時の橿原神宮は鄙びた感じのたたずまいで人気もなく静寂そのもの、一体何を求めていったんでしょうな、、、
行きたかったのは石舞台古墳だったように思います、田舎道を歩いてようやくたどり着いたむき出しの石舞台
石組みに登って只ぼーっと座ってたら静寂のなかでかすかにひばりの声が聞こえるだけ、つくづくこの世で自分は
ひとりぼっちなんやなぁと感傷にふけっていた事を思い出します。(当時はみなしごハッチ状態、、、)

今回半世紀ぶりに訪れた橿原神宮、周辺の道路は立派、パーキングも整備され広い参道、圧倒されるような社殿
いやいや実にご繁盛の様子でした。
さぞかし石舞台も整備されてるんだろうなとは思っていたけど想像以上の変貌ぶり、周辺は花や緑に包まれた一大公園
遠足の小学生でにぎわう遊歩道、まさに浦島太郎の気分を味わいました。
昔は入れなかった棺室の部分にも入れ、足を延ばして高松塚古墳にもよってなかなかいいドライブでした。

"燕の巣ぐるりとよけて椅子置かれ"