Daikon石造物巡りの旅

狛犬、石造物 主に丹波の佐吉の石造物をご紹介して行きます。

宇陀地域の佐吉石造物①「平井八王子神社」「六柱神社」「五社神社」

2020-09-15 13:48:04 | 日記
皆様こんにちは 
今回は「平井八王子神社」と「五社神社」の佐吉狛犬を紹介致します。

まず「波の佐吉」について
簡単に説明させて頂きます。

丹波の佐吉」とは 文化十三年(1816年)
但馬の竹田(現在の兵庫県朝来市和田山町)で産まれます。
裕福な家庭に産まれたものの、佐吉が四歳の頃
両親が他界、孤児になってしまいます。

しばらくして、丹波の渡り石工「難波金兵衛伊助」に引き取られ、石工としての腕を磨いていきます。

その後伊助は結婚し「難波屋」と言う店を構えます。
伊助に長男が産まれた事をきっかけに丹波を出て 
渡り石工として、大阪を中心に各地の石屋を点々とします。

その頃、石工仲間達との競い会いで
誰も作ることのできなかった、「石の尺八」を佐吉は完成させます。
その話が「孝明天皇」の耳に入り 
石の尺八を献上、「日本一の石工」と称賛されます。
孝明天皇より「日本一の石工」の称号を与えられてから
作品に「作師照信」(本名.村上照信)と彫るようになったそうです。

その後、嘉永五年(1852年)奈良県宇陀市菟田野町平井に  
四国八十八箇所霊場を石仏で再現して欲しいと依頼を受け
三年の歳月をかけ、十人の弟子達と、約百体の石仏を完成させました。(平井大師山の石仏群は近々記事に致します。)

       (平井大師山 佐吉作 不動明王像)

その後も数々の石造物を造りあげた佐吉ですが
当時の流行り病、梅毒にかかり
ある日家を出たきり帰って来なかったそうです。

簡単ですが、これが佐吉の生涯です。
  

では、「平井八王子神社」と「五社神社」の佐吉狛犬を紹介します。

「平井八王子神社」へは
針ICより 
国道369号線を「榛原/室生」方面へ
トンネルを越えた突き当たりを「曽爾/御杖」方面「伊勢本街道」へ左折 
6キロ直進して県道218号「菟田野」方面へ 
2キロほど進んだ所で「特別養護老人ホームやまびこ」さんの看板を目印に右折

       (反対方向からの写真です)
真っ直ぐ進みカーブの手前に 
山へ続くコンクリート舗装の道があります。

看板等なく、分かりにくいのですが
この道を登ると「平井八王子神社」です。


        (平井八王子神社 拝殿)


鳥居をくぐって直ぐ、手水舎横の立て看板にも
佐吉狛犬について書かれています。


佐吉狛犬は拝殿裏 御本殿へ続く階段の途中にいます。


          






実際見て貰えると分かると思いますが
他の佐吉狛犬よりもかなり小さいです。
小さいながらも精密な彫りで、今にも動き出しそうなぐらいリアルです。
 

        (嘉永五子歳九月二日建)

年代的に現在見つかっている佐吉狛犬の中で 
最も初期の狛犬では無いかと言われています。 

こちらの狛犬には「作師照信」の刻は御座いませんが
佐吉の作で、ほぼ間違いないようです。
 

次に「五社神社」の佐吉狛犬です

五社神社へは
県道218号へ戻り、榛原方面へ
 キロほど直進した所に板金屋さんと 
沢城跡の立て看板がありますので、これを右折


分岐まで進み 
八滝方面へ



しばらく走ると
左手に「六柱神社」があります。


六柱神社には、佐吉の永世燈がありますので 
是非立ち寄って見てください 







向かって一番右側が、佐吉の永世燈です。

元の道に戻り
六柱神社を左手にっ直ぐ進み
トンネルを抜けると分岐が出てきます。


文祢麿呂墓方面へ進むと
すぐに五社神社が見えてきます。




五社神社の佐吉狛犬も
拝殿裏、御本殿へ続く階段の両脇にいます。










         (作師照信 花押)

この狛犬は少し荒い石質ですが
吽形の狛犬側に作師照信の刻を何とか確認できます。
こちらの狛犬も、他の佐吉狛犬より少々小ぶりです。
脱力感のある見た目ですが、どこか哀愁のある
可愛らしい狛犬ですので、是非会いに行って見てください。

 (各神社の所在地)
「平井八王子神社」奈良県宇陀市菟田野平井109
「六柱神社」奈良県宇陀市榛原澤
「五社神社」奈良県宇陀市榛原八滝1672

「丹波の佐吉」

2020-09-15 11:39:49 | 日記
皆様初めまして 
Daikon と申します。

まず、このブログを始めるに至った経緯を説明させて頂きます

元々趣味で神社仏閣お城巡りをして、御朱印を集めておりました。
そこから派生し狛犬を探して各地の神社を回るようになったのです。 

ある日、たまたま見つけた神社へ行くと 
とても美しいフォルムで精密な彫りの狛犬に出会いました。
奉納時期を見ると嘉永五年(1852年) 今から168年前に
造られた狛犬でした。

        (嘉永五子歳九月二日建)

てっきり最近の物だと思っていたので
とても驚きました。

この狛犬に惹かれ、調べて行くうちに 
幕末の名石工「丹波の佐吉」作だと分かりました。
佐吉について、更に調べると この地域に 
佐吉の石造物が集中している事が分かり 
丹波の佐吉の石造物を見に行くようになりました。

長くなりましたが、このブログは 
幕末の名石工「丹波の佐吉」の石造物の素晴らしさを
少しでも多くの方に知って頂こうと思い
初めさせて頂きました。

次記事より佐吉の石造物をご紹介させて頂きますので  
よろしくお願い致します。