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通訳案内士のブログ

⭕️⭕️⭕️英語を使い訪日観光客を案内する職業「全国通訳案内士」の日常と英語学習などを綴ります⭕️⭕️⭕️

今年の試験に合格された方、おめでとうございます。

2025-02-23 | 通訳ガイド/everyday life
先日、幼稚園(年長)の息子が近所の100均で売られていた、モナ・リザが描かれたクリアファイル(か何かの文房具)を指さして、
「パパ、名画が100円で買えるよ!」
と言い、思わず笑ってしまいました。



一方、小学2年生の娘は、私がiPadでYouTubeを見ていたときのこと。韓国人の若い女性ベーシストの動画を見ながら「この子、かわいいね」と何気なく呟いたら、娘が突然怒り口調で、
「パパ、それって浮気ってことだよね? ママに悪いと思わないの?」
と言ってきて、これまた笑えました。



それぞれに「それ、意味わかって言ってるの?」と聞いてみると、息子は「たくさんお金を払わないと買えない絵のこと」、娘は「結婚しているのに、ほかの女の人を好きだと思う気持ちのこと」と、ちゃんとした答えを返してきました。ちょっと驚きつつ、成長を感じた瞬間でした。



4月には、娘は3年生、息子は1年生になります。



5年間お世話になった幼稚園とも、ついにお別れ。コロナ禍では毎日のように送り迎えをしていたので、とても親しみがあり、寂しい気持ちでいっぱいです。




地獄谷野猿公園の入り口手前にあるカフェで飲んだコーヒー



ここ最近、富士山のバスツアーよりも長野の地獄谷野猿公苑に行くことが増えた気がします。



何度も訪れるうちに、猿たちの顔も少しずつ識別できるようになり、長野や湯田中行きのバスや電車の時刻表も自然と頭に入ってきました。



このツアーは非常に高額なので、何よりも「お客さんを急かさないこと」を大切にしています。



猿に夢中になっているお客さんに、予定の時間を過ぎても「そろそろ。。。」なんて決して言わず、見たいだけ、いたいだけ、じっくり楽しんでもらうよう心がけています。



ガイドにとっては日々の仕事でも、お客さんにとっては「一生に一度の経験」かもしれない。期待値が高いことを、決して忘れたり、おろそかにしてはいけないと思っています。



全力で向き合うと、もちろん疲れます。でも、それ以上に得るものも大きい。



まだまだ先輩通訳ガイドや、かつて目標にしていたガイドの方々に比べると、足りないことは山ほどあります。ただ、一つだけ――「自分のスタイル」は、少しずつ確立されてきたように感じます。



先日、知り合いの通訳ガイドの方から連絡がありました。なんと、NHKの夜のニュースで、インバウンド関連のトピックが取り上げられた際、「資料映像」として、私が浅草でガイドしている姿が流れたそうなんです。



こうしたことも、少しずつ自信につながっています。



今年、全国通訳案内士試験に合格された皆さん、おめでとうございます! 一緒にインバウンドを盛り上げていきましょう!


2025年

2025-01-14 | 通訳ガイド/everyday life
年明けから自宅のWi-Fiに接続していると、Gooブログにアクセスできない状況が続いています。 



遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。 



仕事納めは大晦日の富士・箱根のバスツアーでした。



誰もやりたがらなかったので、私に回ってきたのが実際のところです。 



年明け最初のガイドは1月8日で、これまた富士山へ行きました。



年末の混雑とは対照的に、河口湖や箱根方面は驚くほど空いていて、少し寂しいくらいでした。 



10日には長野の地獄谷野猿公苑へ、オーストラリア人親子のお客様をプライベートツアーでお連れしました。 



このツアーは、東京から新幹線を使って行く新しい企画で、昨年12月からうちの会社で販売を始めました。 



非常に高額な日帰りツアーですが、意外と好評で、私はすでに3回やらしてもらっています。



 世界的には「猿」というと熱帯地方のイメージが強いらしく、寒い地域で冬を越せる日本猿は非常に珍しいそうです。 



最初は地獄谷野猿公苑にいる猿だけを“snow monkey”と呼ぶのかと思っていましたが、日本猿全体の愛称だと知りました。



 地獄谷野猿公苑も日本人よりも外国人旅行者の方が圧倒的に多い場所です。 



30~40分ほど雪道の山道を歩いてたどり着いた先で見る光景に皆さん驚かれます。



山道は険しくはないですがこの時期雪が降り積もって滑りやすく足元が悪く、この30〜40分の雪道の苦労が余計に感動させる役目を担っているのかもしれません。



 昨年末、イタリア人家族をお連れした際、お父さんはNational Geographicで地獄谷野猿公苑を知り、日本を訪れる一番の目的がここだったそうです。 



そのお父さんはニコンのフルサイズセンサーのカメラといくつかの大きなレンズを持参し、しんしんと雪が降る中、露天風呂のそばで2時間近くも写真を撮り続けていました。



その感動がこちらにも伝わってきました。 



私も最初に下見で訪れた際、それほど猿が多くなかったにもかかわらず、とても感動しました。



ここの猿たちは、とても自然体なんです。



こちら(人間)のことを全く意に介していないようにも見えます。



 私が下見に行ったのは秋だったので、温泉に入っている猿はいませんでしたが、それでも十分楽しめました。 



ここの猿たちを見ていると、自分も自然の一部になっているような感覚になります。



 そして真冬の今、露天風呂に気持ちよさそうに浸かる猿たちを眺めていると、人間と猿の間にはそれほど大きな違いはないのではないかと感じます。 



ここの猿たちは「野生の猿」とされています。 



野生の生き物と人間が、同じ空間で互いに干渉せず過ごせる、特別な場所なのかもしれません。 



だからこそ、世界中の旅行者が時間とお金をかけて、こんな辺鄙な場所まで足を運ぶのでしょう。 



ところで今年のNew Year resolutionは
通訳ガイドとしての年収を大台に乗せる。
スペイン語で簡単なガイドができるようになる。
の2つにしました。自分にとっては「壮大な」夢ですが実現に近づけれるよう頑張りたいと思います。



今年もどうぞよろしくお願い致します。




いつも大盛況の地獄谷野猿公苑





収入源

2024-11-21 | 通訳ガイド/everyday life
Tipping in Japan is not common. There is a rumor among foreigners that tipping in Japan is considered rude or impolite, but that’s not entirely true. In reality, the majority of people in Japan have never experienced receiving tips. Employees at chain restaurants and large hotels are often strictly prohibited from accepting tips from customers. Because of this, some foreigners who have had their tips politely declined may assume that tipping in Japan is rude. Generally, you don’t need to tip workers at hotels or restaurants. However, if you’d like to tip your guides or drivers, feel free to do so—they will likely appreciate it.



外国人旅行者のキャッシュレス化はさらに加速し、特にビジネスで来日し、合間にツアーに参加する人は現金(日本円)を持っていない人が多いです。



従いチップを頂ける機会も金額もコロナ後は減ったような気がしました。



あと日本がメジャーなdestination(旅行目的地)になるにつれ、
「日本人にチップを渡すのは失礼に値する」
という意味不明なrumorが蔓延してきているというのも理由の一つだと思います。



そこで危機感を覚えた(?)私はツアー中にあまり下心が見えないように、かつ、客観的にガイドにチップを渡すのは全然"welcome"だということを伝える文言(script)を考えました。



お客さんにアメリカ人が多い場合は、上のような文章を日本の経済、前回書いた平均収入、家賃などを話す時にさらっと加えています。



ドッと笑いが起こりウケは良いです(ただ場の空気を読んで言わないと逆効果になるかもしれません)。



そのお陰か最近はチップの水揚げがコロナ前の水準に戻ってきたような感じがします。



我々通訳ガイドは日本人のお客さんを相手にする国内添乗員さんやバスガイドさんに比べ日当では恵まれています。



でも一年を通じて安定して働けない場合があるので稼げる時に稼がないといけないというプレッシャーがついて纏ってきます。なのでチップも貴重な収入源なのです。(何より現金収入というのがデカいです)



英語圏の旅行者、とくにアメリカ人はやはり"generous"です。ツアーが終わってお客さんにとってとても楽しい一日になったと感じてくれた人は、その感謝の気持ちを「チップ」で表現してくれます。



私はアメリカのtipping文化はそれはそれで素晴らしい文化だと思っています。



日本では渡す必要がないと分かっていても、また上述したようにチップをあげることで気分を害してしまうかもしれないと思っていたとしても、それでも感謝の気持ちとしてチップを渡してくれるのですから。



私もガイドとしてチップを少しでももらうと「報われた」気持ちになります。収入源としてもそうですが、お客さんの「気持ち」が感じとれて嬉しいです。



考えてみたら日本の贈り物文化も同じですよね。







通訳ガイドは立替えも多い職業です(特にうちの会社は)。



売掛がきかない飲食店での支払いや新幹線のチケットなどカードで立て替えているとポイントも結構たまります。今月は特に多かったです。



チップ同様これもちょっとした「収入源」と言えるかもしれませんね。





日本の物価の安さ

2024-11-14 | 通訳ガイド/everyday life
ご無沙汰しています。




写真は高輪の住宅街へ続く階段の道。グランドプリンス新高輪ホテルへ行く時、よく通る道です。



外国人のお客さんに一番ウケる話は「お金」にまつわるTopicのように思います。



日本人の平均収入、東京で働く人の平均収入、最低賃金(時給)、家賃、不動産など。具体的な事例や金額をあげるとさらに食いつきが良いです。



私は自分が借りているマンション(英語だとapartment)の家賃と広さを具体的に教えてあげてます。さすがに収入は言ってません。



うちの場合は大家さんと長い付き合いなので相場より結構安くしてもらっていますが、3LDKで$1,200(USドル)と言ってます。



これを言うと必ずどよめきが起きます。それは「安過ぎる!」という反応です。



でも広さ860 square feet(80平米)と言うと「狭い!」という反応が一旦返ってきて、でもそれでも「安いっ!」となります。



日本で一番世帯収入が多いと言われている東京都港区の平均家賃もついでに教えています。



1Kの平均$860(約13万円)2LDK$2,700(40万円)、3LDK$4,300(65万円)(Sumo調べ)だそうです。



日本で一番fancyな街でこの値段で住めるという事実に皆さん心底驚かれます。



以前は東京タワーから見える六本木ヒルズが1LDKで70万円、2LDK200平米で250万と説明してたら多少は高い!という反応をもらっていた記憶がありますが、今では真逆です。



むしろ日本の最高級賃貸apartmentがこんなに安いことに英語圏のお客さんはほぼ皆一様に驚きの反応を見せてきます。



東京タワーの目の前にできた麻布台ヒルズのアマンレジデンス東京の分譲価格が200億円〜らしく、これくらいでようやく「ワールドクラス」といえる値段みたいです。



以前バスツアーに参加してくれた大学を卒業したばかりのニューヨーク在住のアメリカ人の若い女性がいました。



ツアー中にとても打ち解けてくれたので思わず「アメリカの初任給っていくらなの?」って聞いてみたんです。



そしたら、なんと、年収7万ドル(1050万円)!
(アメリカは新卒とか中途とかそういう感覚はないみたいです。さらに能力や経験等で報酬が決まるので日本のような初任給はいくら?といった概念もないらしい)



でも7万ドルでもマンハッタンに一人で住むには厳しく4人で1ベッドのアパートをルームシェアして何とか暮らしている。おまけに大学のローン(日本でいうところの奨学金)の返済も大変だと嘆いていました。



話はそれましたが、今の世界でいかに日本の物価が安いかという事実を私はお客さんと接する中でそれを肌で感じています。



そして不思議に思うのが、国内ではその事実があまり重要視されていないように思えるのですが、気のせいでしょうか?



国民の目はコメや生活必需品などの目先の物価高に目を向けさせられているようにも思えてしまいます。



ドジャーススタジアムへ大谷の試合観に行って名物のたこ焼きが6つで$20とか、帽子が$60とか。ホノルルのマックで家族4人でビックマックセットを頼んだら日本円換算で1万以上したとか。。。。



もはや以前のように家族総出で気軽にハワイやロスへ旅行に行ける時代ではなくなってしまいました。



何が言いたいというと日本でも物価高だけに目を向けるのではなく、我々の賃金がいかに安いかを知るべきなのではということです。



愚痴っぽくなってすみません。お金の話がいかにお客さんの関心をひくかという話でしたね。



バス車内が騒がしい時、こちらで主導権を握りたい時などおすすめです。

Sense of humor

2024-09-26 | 通訳ガイド/everyday life
この間の富士箱根バスツアーに英語がほとんど分からない韓国人男性一名が参加され、箱根の大涌谷で迷子になってしまいました。



その日は早雲山駅からロープウェイに乗って大涌谷へ行き、30分の自由時間の後、大涌谷の駐車場で待っているバスに乗って桃源台港へ行くという予定でした。



総勢30名ちょっと。



ロープウェイから降りて全員をロープウェイ駅の外の展望デッキに集め、そこから見下ろせるバス駐車場に停まっている私たちのバスを指さして4時半集合と伝え解散しました。



ところが4時半になっても一人だけ帰ってきません。その韓国人男性でした。



4時40分まで探しましたがどこにもいません。



本当は考えたくもないのですがこういう時に考えられるのはただ一つ、ロープウェイに乗ってしまい桃源台か早雲山に行ってしまった。ということです。



もし桃源台駅にロープウェイで行っててくれれば、そのまま5時出航の海賊船に乗れるのでちょうど良いのですが、望みは薄そうです(動物も人間も迷子になった時は元の場所=早雲山駅に戻ろうという意識が働くものらしい)。



とりあえず桃源台のロープウェイの駅と早雲山駅に電話を入れ、うちのお客さんらしき人がいたら「保護」してもらうように頼みました。



定期観光のバスツアーに参加しているお客さんは大体その会社の特徴あるステッカーを服につけていて、ロープウェイや遊覧船のスタッフは皆そのことを知っているので話は早いのです。



可能性としては大涌谷のどこかにいることも考えられましたが、このままもたもたしていたら5時の最終船に間に合わなくなるので意を決して4時45分頃大涌谷をバスで出て桃源台へ向かいました。



道中、とても気掛かりでしたが、他のお客さんの手前何か言わないといけません。



I've done this tour over 250 times in my life, and I've never lost a single guest. But today might be the day... Oh! Mr. Kim(仮名), where the hell are you!?
と神妙かつ大袈裟に言って皆を沸かせました。



その後、多分彼はロープウェイで元の駅に戻ってしまったという私の予想も皆に伝えました。



そしたら桃源台到着寸前に早雲山駅のスタッフの方よりそれらしき人を「確保」したという連絡が入ったんです。



韓国語を少し喋るスタッフがいるらしく、そこを絶対動くなとそのお客さんに伝えてもらいました。



バスのお客さんも私の緊迫した様子の会話をじーっと見ていてました。電話を切ったあと、
They got him!
と言うとバス内は歓声に包まれました。



桃源台港到着後すぐに私は他のお客さんと船に乗らないといけないので、バスの運転手さんに早雲山駅まで戻ってもらい、その男性を拾ってから芦ノ湖対岸の箱根町港までバスをまわしてもらうよう頼みました。



本当はこんな無理なお願いはバスの運転手さんに頼めないし、断られて当然なのですが、当日は気心の知れた仲の良い運転手さんだったので本当に助かりました。



船は約25分で対岸につき、10分後くらいに韓国人男性を乗せたバスが箱根町港の駐車場に到着しました。



Kimさん(仮名)はバスから降りてくるや駆け寄ってきて「おー!アイムソーリー!アイムソーリー!」といいながら私に抱きついてきました。



ちなみにその日は富士山は全く見えず、箱根も芦ノ湖は夕方近くから霧が発生して景色もほとんど楽しめず。



でもこのKimさん(仮名)のincidentで車内は大いに盛り上がりました。



皆をバスに乗せた後
Everyone, Mr. Kim is back! Welcome back, Mr. Kim! Thanks to you, I was able to keep my streak going.
とマイクで言うと、大爆笑と拍手の渦が起こり、Kimさん本人は立ち上がって手を振って「アイムソーリー、エブリワン!アイムソーリー!」と応えて、さらに盛り上がりました。



奇妙な連帯感が生まれるのをこの日は特に感じました。



富士も見えず、箱根の景色も楽しめなかったはずなのに皆が楽しそうでした。



別の日のことです。



この日はプライベートツアーでアメリカ人のお客さん二人を明治神宮へ連れて行く途中、原宿駅の外で20人位の外国人グループを連れている知り合いの女性ガイドと遭遇しました。



すれ違い際に私が手を振って名前を呼ぶと、反応し、自分のお客さんたちに
He is my ex-boyfriend.
と言って私を指さしていました。



彼女の20人くらいのお客さんの目が一斉に私に向いて大爆笑が起こりました。



咄嗟に面白いことを言えて流石だなあと思いました。



私がKimさんをネタにしたように私がネタにされたわけですが、こういうのが場をすごく和ませ、ツアーを思い出深いものにさせてくれるんですよね。



humorって大切だなあとしみじみ思いました。





日比谷公園でトランプさんを支持する団体のデモに遭遇しました。これにはお客さんも苦笑いでした。