埼玉県内のとある企業の駐車場にいるワム80000形。白く塗られていますが状態はかなり良さそうです。
ストリートビューで発見した際に管理局名と常備駅を書くプレートがあるのを確認したので走行安定対策車の280000番台だと思い訪問したのですが妻面に露出した雨樋が無くドアレールが車端部まで来ていない…この形態は2次量産車のはずなのでまさかと思いプレートの部分を望遠で狙ってみると…
管理局名の部分には名古屋鉄道管理局の独特な「名」の字。常備駅の所には「清洲駅常備」の文字が。
なんと物資別適合車の580000番台でした。
物資別適合車とは積載するものに合わせて構造を少し変えたグループでワム80000形では鮮魚輸送、板ガラス輸送、オートバイ輸送用など様々な種類の物資別適合車が居ました。その中でも大多数を占めたのがケース入り瓶ビールの輸送用として誕生した584000・585000番台です。前者は新製車で後者はワム80000形2次量産車からの改造で合計770両が活躍していましたが徐々にトラック輸送へと変わり活躍を終えました。
一部の車両は現在でもこのように倉庫として第二の車生を歩んでいますが、廃車時にどのような運用方法をなされていたか不明で清洲駅常備のワムが福島にいたり九州の太刀洗駅常備のワムが長野の山奥に居たりと本来の活躍場からかなり離れた場所にいるものも多いです。廃貨車マニアの間では「ビールワム」と呼ばれているようですね。
ワム80000形が総数26605両製造されその中の770両と考えると結構少数派なのでビールワムを見つけると思わず「おっ」となります。
車番部分を拡大。左が車番、右が運用板です。
厚塗りでしたが家に帰って画像を編集したところワム584131と読み取れました。
右側の運用板には運用区間も書かれていたはずですが厚塗りで文字はよく読めませんでした。