北アルプス大縦走の旅 室堂・薬師岳・針ノ木縦走・
2000年08月09日(水) ~ 2000年08月14日(月) 今回歩いたルート図
室堂から太郎平へ、そして高天原へ。そこからワリモ乗越、水晶小屋から野口五郎岳、烏帽子岳から船窪小屋、そして針ノ木峠へ。5泊6日の行程である。5泊とも小屋泊り。
薬師岳への思い
1998年の夏、友人のご夫婦と唐松岳から不帰の峰を通り白馬岳への2泊3日の山旅をした。その時に白馬岳手前あたりからアキレス腱が痛み出して耐えられなかったが、数を数えてひたすら歩く。村営小屋へたどり着いて一安心した。翌日白馬岳から小蓮華岳から白馬大池を経て栂池へ抜けた。その時もアキレス腱が傷んだ。
その翌週に、一人で立山に向かった。薬師岳から針ノ木、さらに種池小屋まで縦走するつもりで出かけた。ところが室堂から一ノ越を越え竜王岳まで来たときに、アキレス腱が痛み出して動けなくなった。ここから先に進めば、もう戻れないだろうと考えた。逃げ道がないのだ。五色ヶ原まで行けば黒部ダムに戻る道はあるが大変だ。
「戻る!」
そう決断した。そして左足を引きずりながら室堂まで何とか戻る。そして黒部ルートを抜けて大町に出て、特急電車に乗り、帰宅して、翌日外科医に行ってみてもらった。
「先生、どうですか?」
「アキレス腱周辺炎症炎すね。」
「先生、山行ってもいいですかね?」
「う~ん、一年はダメだね」
「えっ、一年も!」
「今年、はダメですね、一年は我慢しないと治りませんよ」
なんということでしょう。やれやれという思いであったが、1999年はついに医者の言うことを聞いて一年間は我慢することにした。しかし、翌年の8月、一年を経て友人の横山さんと鷲羽・水晶。烏帽子開けへの縦走をしたが、その年はそれで終わった。
2000年に入り、私の運命も変わった。サラリーマン人生を終えて、独立して仕事を始めることになった。会社勤めの時間の拘束から解放されて、5月の連休に九州の山を登った。そしてその夏、いよいよ前回のリベンジで北アルプス大縦走を企てた。
北アルプスの室堂から白馬岳までの稜線を全部つなぐ企画だ。以前に妻と有峰ダムから太郎平から黒部五郎岳から三俣蓮華岳と笠ヶ岳の稜線を歩いた。さらに友人の横山さんと去年、双六から烏帽子へ、鷲羽と水晶岳を登っている。1993年に種池から鹿島槍と五龍岳から唐松岳と歩いた。今回は室堂から薬師岳を越え、太郎平から薬師沢に降り、雲の平から針ノ木、さらに鳴沢岳を越えて種池まで歩き通すことを考えた。一週間はかかるだろう。しかし前回のリベンジを果たすべく、8月8日の夜新宿から夜行バスで室堂への直通バスに乗った。
アルプスの稜線つなぐ企てを二年遅れてスタートだ
室堂の透きとおる風受けて一の越めざす室堂の朝