バブルの研究(4)中国のバブルはまだ続く
中国のバブルは2009年のアメリカに発生したリーマンショック後の金融危機に対応する政策から発生したと私は思う。その経緯について、 (株)富士通総研 経済研究所 主席研究員 柯 隆(カ リュウ)氏の「世界金融危機・・・富士通総研のエコノミストはこう考える 3.金融危機と中国経済」から引用する。
http://www.fujitsu.com/jp/group/fri/column/opinion/200901/2009-1-3.html
金融危機からの脱却と経済政策の在り方
金融危機は需要不足と信用収縮をもたらし、経済成長を押し下げるとともに、失業が急増する。これまで石油などの資源と穀物の価格の上昇によりインフレが再燃したが、需要の落ち込みにより物価も下落し、このままいけば、デフレスパイラルに突入する可能性が高い。
中国政府は経済成長を下支えするために、金融緩和へと政策を転換すると同時に、4兆元(約54兆円)もの大型景気刺激策を発表した。
この大型景気刺激策の1つの狙いは、急増する失業者の再雇用を図ることにある。ここで、公共工事を中心とする大型景気刺激策が政府の狙い通りの役割を果せるかどうかを検証する必要がある。
まず、4兆元の景気対策の決定に問題がある。中国は法治国家を目指しているが、史上最大規模の景気刺激策を出動するには、国会に当たる全人代のチェックを受けなければならないが、その手続きは済んでいない。年初の全人代で認められた一般会計に含まれない特別会計あるいは補正予算を執行するには、全人代のチェックを受けなければ、越権行為になる恐れがある。
そして、4兆元の支出の配分も問題である。限られた財源をどのように配分するかは、きちんとしたシミュレーションを行う必要がある。財政政策の実施において最も重要なのは、その波及効果を最大化することである。4兆元の景気刺激策の波及効果がどれほどあるかは明確ではない。
さらに、政策目標を明らかにする必要がある。経済成長を下支えするならば、何パーセントのボトムアップを狙うか、雇用対策であれば、どれぐらいの雇用機会を創出できるか、明示する必要がある。
以上の3点から今回の景気刺激策を点検すれば、やや拙速だったように思われる。雇用対策としての効果はそれほど望めない。今回2,000万人以上の出稼ぎ労働者が失業したが、いきなり玩具などの輸出製造業から鉄道などの公共工事の現場に再就職することはできない。一方、経済成長をボトムアップする効果はゼロではないが、大きく望めない。特に、公共工事への財政投入は一過性の政策として、その波及効果が限定的である。何よりも、拙速と思われる今回の景気刺激策は、最終的に不良債権の増加をもたらす可能性が高い。・・・
引用:
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中国の2008年までの、オリンピック開催に至るまでの経済発展は、改革開放路線の成果して評価することができるだろう。ただその路線は外国資本誘導の技術移転などによる都合のいいもので、いわゆる自力更生路線ではなかった。民族資本を丁寧に育成するとか、自国産業を育成するというような路線とは違っていた。
あくまでも安い賃金を売りものにしての政策だった。その政策で発展してきたところへ金融危機が起きたので、金融危機は、中国に「需要不足と信用収縮をもたらし、経済成長を押し下げ・・・、失業が急増」して、「石油などの資源と穀物の価格の上昇によりインフレが再燃したが、需要の落ち込みにより物価も下落し、このままいけば、デフレスパイラルに突入する」として胡錦濤政権は4兆元の大型刺激策をとった。
ところがこれは柯 隆氏の言うところによれば、政府の一存で行われていたということになる。つまるところ専制政治だからだ。4兆元の適正について何の検証もされていない。54兆円にあたるお金が一存で印刷できることがすごい。柯 隆氏はそれが不良債権の増加をもたらすと予測した。
実際に、その金が何に向いたかと言えば、農地の収用と高速鉄道の建設と高層住宅群の建設に向けられたのだ。まさに日本が1985年のプラザ合意以後、急激な円高になって金余り状況になって、その金が土地に向かったのと同じ事態が起きたと言える。
お金余りで作られたバブル経済だが、そn対処の仕方には日本と中国との相違が、通貨発行権の在り方が関係してくると思う。
①アメリカと中国の通貨発行権の違い
2015-11-28 09:25:19 | 国際金融
http://blog.goo.ne.jp/akiko_019/e/fbb31a794dd34556ffe301c0147f463b
現在の金融危機の根本はアメリカ中央銀行であるFRBの強い独立性にある。強い独立性というよりも実際はこれは政府機関ではなく、民間資本によって運営されている銀行である。
収支報告もなく、実態は闇の中だ。
いま中国経済の不安が喧伝されているが、中国金融がアメリカと違うところは、中国の中央銀行である中国人民銀行は、ちゃんとした中国政府の管理下にあるということだ。
歴史的にも通貨発行権は本来国家のもとにある。国家管理を離れ、民間銀行によって恣意的に通貨を発行しているのが、アメリカの中央銀行であるFRBである。
中国経済を不安視するマスコミは多いが、アメリカ経済の金融不安、特に通貨発行権を疑問視するマスコミは少ない。
②通貨発行権の価値は
http://fknews-2ch.net/archives/38131263.html
お金は誰が発行しているのか
小渕政権の時代。政府は「地域振興券」という金券を配りました。これにはハッキリと発行元の市区町村が明記されていました。次に、お手元のお札を確認してみて下さい。こちらには、「日本銀行券」とハッキリ書かれていますね。では、何故我々が普段使うお金には、「日本国発行」と書かれていないのでしょうか。
通貨発行権
結論から言うと、日本という国が発行した金券ではないからという事になります。あくまで、「日本銀行」という独立した機関が発行した金券ですよというわけです。これは、広い意味で言えば、ビール券と変わらんのです。日本政府は、毎年国債を大量に発行していますが、これは日本銀行にこの国債(借金の証文)を買ってもらい、現金を入手する必要があるからです。
もし、日本政府自身が通貨発行権を持っていれば、ペロッとお札を刷って終わりです。
なのに、通貨発行権を持っていないばかりに、借金をしてお金を手に入れ、それを流通させるというよく分からない状況になっています。
通貨の番人
とはいえ、本質的に、政府と通貨発行権を持つ機関は、互いに独立し、影響や圧力があってはならないというのが定説です。そういった意味で、中央銀行は「通貨の番人」とも言われています。政府が通貨発行権を掌握していた為に失敗している例としては、かの有名なジンバブエドルがあります。
年間のインフレ率は最高で6.5×10の108乗(6500000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000%)らしいwww
経済政策の失敗もあっての事ですが、何しろお金が足りなくなるとす、考えなしに紙幣を刷っていた為、あっという間にスーパーインフレになってしまいました。
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経済や金融について詳しい人には当たり前のことでしょうが、先に富士通総研の柯 隆氏が、中国政府が大型刺激策の4兆元について「不良債権の増加」と見たのは、この通貨発行権をどこが持つのかと言う点にあります。
日本は議会の承認を得て国債を発行して通貨と替えるわけです。
アメリカと中国の通貨発行権の違いは、民間の銀行が持つのと、政府が持つ違いです。そして通貨発行権の価値で紹介したように、政府が持つことでジンバブエドルの失敗例でのスーパーインフレをおたらしたという危険性があるわけです。
中国のバブルはまだ続く
結局、中国はまだ人民元をする続けることで金余り状態を続けると思う。要するに、日本はバブルを政府が「潰した」のに対して、「潰さない」方針なのだ。言い換えると「潰せない」のです。おそらく次回17年の人民大会までは。今の状態が続くだろう。
今年の6月に中国経済網がサーチナに中国経済網が書いた「3つの奇跡」につながった日本のバブル崩壊は「賢明」な策だった」2016-06-02 が取り上げられていた。その記事では「中国経済が直面している現在の状況は、日本がかつて体験した「バブル崩壊」前の時期に非常に似ているとする見方があるが、中国メディアの中国経済網はこのほど、日本が自ら進んでバブルを弾けさせる政策を選択したことは日本の「3つの奇跡」につながったと説明、賢明な判断を絶賛している」と言うものだ。
記事は<当時の日本が膨らんだ風船に自ら針を刺して破裂させるかのように、「自ら不動産および資本市場バブルを破裂させた」と指摘。当時日本が用いた針とは総量規制であり、大幅な緊縮政策だとし、その結果、日本の不動産市場や株式市場は大暴落したと>説明した。
しかし、その後日本は、
1つ目の奇跡は日本に莫大な海外資産をもたらしたことだ。
2つ目の奇跡は「世界的な影響力と競争力を持つ国際企業を造り出した」ことだ。
3つ目の奇跡は「老齢化社会のための完全な社会保障制度を造り上げた」ことだという。
記事はバブル崩壊後の日本は「失われた20年」などと言われるが、<日本が自らバブルを破裂させる政策を選択したことをとにかく絶賛>し、。<当時もし日本が不動産バブルの状態を「継続させる」政策を取っていたなら、今の日本の成功はあり得なかった>という見方を示したのだ。
日本のバブル潰しを絶賛するのは、どういう意図で書かれたものかを考えないといけないだろう。習金平の対抗勢力が書かせたのか不明だが、バブルを「潰す」提案にも思える。
逆に、政権側が書かせた記事ならばそういう意図があることになるけれど、17年の人民大会前に波乱は望まないだろう。
中国6.4%成長に減速 17年予測、不動産バブル警戒
エコノミスト調査
2016/12/30 0:24日本経済新聞 電子版
中国 香港
【香港=粟井康夫】日本経済新聞社と日経QUICKニュースが29日まとめた中国エコノミスト調査によると、2017年の同国の実質国内総生産(GDP)伸び率の予測平均値は6.4%と緩やかな減速が続く見通しだ。習近平指導部は財政出動による景気安定を目指すが、過熱気味な不動産市況の調整が足を引っ張るとの見方が強い。
調査は12月上~中旬、中国経済が専門のエコノミストに書面で実施し、25人から回答を得た。
16年の成長率は政府目標の「6.5%以上」を上回る6.7%の見込み。インフラ投資や減税、住宅購入ブームに支えられており、凱基証券の陳浩氏は「(鉄鋼や石炭など)卸売物価指数の上昇で過剰生産能力の削減が遅れ、景気底入れには程遠い」と分析する。
17年秋の共産党大会を控え、政府は景気安定を優先するとの見方も強い。ABNアムロのアリエン・ファンダイクハウゼン氏は「マクロ経済の安定をリスクにさらしたくないだろう」と、財政出動を続けるとみる。
金融緩和は当面見送られるとの予測が多数を占めた。シンガポール銀行のリチャード・ジェラム氏は「中国当局は信用バブルが伴う潜在的な問題に気づいており、景気下支え策は財政政策に重点が置かれる」とみる。
景気の下振れ要因は3カ月前の前回調査に続き「不動産市況の悪化」との回答が最も多かった。不動産市況がどれだけバブル的な状況にあるかを1から10の数字(10が最も過熱)で表すよう求めたところ平均値は7。前回から横ばいだった。
地方政府は住宅購入制限策を相次ぎ導入。ソシエテ・ジェネラルの姚煒氏は「住宅投資は減速し、来年前半から他のセクターにも負の波及効果が広がる」と予測する。
人民元相場は米国の金利上昇を背景に元安が続くとの見方が多い。17年末の対ドル相場は1ドル=7.16元と年間で3%超の元安進行を見込む。
中国人民銀行(中央銀行)は元買い・ドル売り介入を実施してきたが、新鴻基金融集団の温傑氏は「外貨準備高が3兆ドル(約350兆円)の水準を割り込むと、市場の信認が弱まる」とみる。
中国に対し強硬姿勢を示すトランプ次期米大統領の経済政策への関心も高く、リスク要因として「トランプ氏の米大統領就任」が3位に入った。
トランプ氏は中国からの輸入品に45%の高関税を課すと主張してきた。スタンダードチャータード銀行の丁爽氏は「支持者をなだめるため、品目を選んで報復関税を課す可能性がある」とみる。
トランプ氏は中国を「為替操作国」に指定する意向も示す。「中国は米財務省による指定条件を満たさない」(中国銀行香港の蔡永雄氏)との見方が多い半面、BBVAの夏楽氏は「トランプ氏の政策は元高圧力をもたらす」と予測する。
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日経の記事はおおむね私のストーリーと合致するものだ。人民元安に誘導されることによって、日本と中国の相違が現れるだろう。
人民元安と元高徒では効果は違うように思える。
今元高に持って行って金余り状態を作っても、投資するものがなくなっているので、日本に対して仕掛けたような円高に金余り状態は、すでに胡錦濤時代の4兆元の刺激策で生まれていて、継続しているわけだ。そこへさらに金余り状態にするとどうなるのだろうか。
日本のバブル崩壊後にハゲタカファンドが襲来して、企業や不動産を安く買いたたいて購入して、再び再生させて高売りして二度おいしい汁をするという構造が、中国の場合、現れるのだろうか。
<不動産市況がどれだけバブル的な状況にあるかを1から10の数字(10が最も過熱)で表すよう求めたところ平均値は7。前回から横ばいだった。>と言うようにバブル的状況であることには変わりはない。
また<「外貨準備高が3兆ドル(約350兆円)の水準を割り込むと、市場の信認が弱まる」>と言うように、現在アメリカ国債をかなり放出して人民元安を支えていると言う。この外貨準備高が3兆ドルを割り込むということはAIIBは機能しなくなることに等しい。
勝又壽良の経済時評[中国、「元安相場防衛」米国債の最大保有国トップは日本へ]
2016-12-30
(1)「中国が世界最大の米国債保有国の座を日本に明け渡した。下落が続く人民元を支えるために外貨準備を取り崩しているからで、円安が進むのを好ましく思っている日本と正反対の事情が背景にある。投資家は中国の米国債保有動向から目が離せない。もしも大規模な売りがあれば、ただでさえ上がっている米金利に一段の上昇圧力が加わり、それがドル高/人民元安の加速をもたらしかねないからだ。米財務省が15日発表したデータでは、10月の中国の米国債保有額が1兆1150億ドルと6年余りぶりの低水準になったことが判明。減少は5カ月連続で、10月までの1年間の減少規模は1392億ドルと12カ月ベースで過去3番目の大きさを記録した」。
10月末の中国の米国債保有額は、1兆1150億ドルと6年余りぶりの低水準になった。減少は5カ月連続である。人民元安相場を買い支える資金として、米国債売却資金が充てられたもの。日本はドル高円安を歓迎しているが、中国は人民元安が外貨資金の流出をもたらすために防止するという、真逆の関係にある。
この関係こそ、日中経済の実力差が遺憾なく現れている。日本は円安になっても外貨資金が流出する懸念はない。むしろ、日本株の高値を見込んで流入しているほどだ。世界一の対外純債権を保有する日本が、ドル高でも微動だにしない底力を見せている。中国はこれまで、人民元高を狙った投機資金(ホット・マネー)が流入して、外貨準備高を押し上げてきた。その人民元相場は先安予想となれば、先の投機資金は流出する。よって外貨準備高も減少するという流れになった。従来の「中国経済万歳論」が、皮肉にもお手上げの「万歳」に直面している。
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中国国債暴落、トランプ・ショックの標的に? 金融危機に波及も
2016年12月28日 17時12分 ZAKZAK(夕刊フジ)
人民元相場の急落や資本流出などが隠せなくなった中国で、最大の危機が生じている。国債相場が暴落に見舞われたのだ。市場では、2008年のリーマン・ショックを招いた米国のサブプライム危機や日本のバブル崩壊後の長期不況と同様の状況に陥るとの懸念も強まっている。
10年物国債の利回りは今年10月に2・6%台まで下落(債券価格は上昇)していたが、今月に入って一時3・3%台まで急上昇(債券価格は低下)し、昨年9月以来の水準となった。3年債の利回りも一時3%台を突破した。
国債というと、安定した運用というのが一般的だが、中国の債券市場では、国債などを担保に資金を借り入れ、また別の債券を買うという取引が常態化してきた。中国の国債が2013年の後半以降、ほぼ一貫して買われ、バブル状態になっていたのもこのためだ。
ところが今月に入って、米国の追加利上げによって資金流出が続き、トランプ米次期大統領の経済政策への期待感からドル高が進行、人民元も下げ止まらないことから、国債売りが加速した。中国の証券会社で、偽造した社印を使って国債を担保にした取引を行っていたことが発覚した問題も市場の不安に拍車をかけた。
国債価格の下落は債券市場全体にも打撃となる恐れがある。「影の銀行(シャドーバンキング)」問題でも注目された高利回りの金融商品「理財商品」で集められた資金の多くが債券市場に投じられているとされ、債券市場のクラッシュにより金融危機を招きかねない状態だ。
投資家は「中国売り」姿勢を強めるばかりだ。中国人民銀行(中央銀行)によると11月末の外貨準備高は前月比691億ドル減の3兆515億ドルで、2011年3月以来、5年8カ月ぶりの低い水準にあり、年内にも節目の3兆ドル(約350兆円)を割りこむ公算が大きくなった。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは、「中国の債務拡大は、08年に米国で起きた住宅ローン危機と同じように相場の大暴落という結果に終わるか、1980年代の不動産バブル後に長期低迷が続いた日本のような結末になるか、あるいはその両方になりそうだ」とみるエコノミストが多いと報じている。
トランプ・ショックの最大の標的は中国になるのか。
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先に通貨発行権のところで、中央銀行は民間企業で、政府は交際を発行して通貨と交換すると理解した。アメリカや日本と中国の違いは、政府が人民銀行を支配していることだと理解した。しかし、現実には中国も国債を発行している。
形の上では日米と似たような形態だが、実質共産党による支配だから、中央銀行の独立性はないことになる。
その政府が発行する国債なのだが、その国債がどうも問題になりそうだ。
つまり、通貨発行権と政府が一体で、政府の思うように通貨を印刷できるわけで、そのような失敗例としてジンバブエのスーパーインフレがあった。
中国の場合は「国債」と言う形態をまとっているけれど、これも言い換えればいくらでも発行できることになる。ただ国債の引き受け手がいなくなると限界が来るのではないか。引き受け手がいないということは国債を買っても利益が出ないということとなる。利回りの低下は「相場の暴落」につながることになるのだろう。
日本と中国のバブル問題を整理してみると、
日本は
①日米の経済的対抗・・・アメリカの圧力・・・プラザ合意・・・作られた円高=金余り状態
②土地と株に余剰の金が流れて投機に走る・・・実体的価値と幻想価値の具体化・・バブル崩壊・・・金融企業の倒産・土地・株の暴落
③ハゲタカ・ファンドの襲来で旨味を持って行かれる・・・・経済の停滞・デフレ経済
*アメリカに仕掛けられてアメリカの金融パワーに負けたのだが、「負けるが勝ち」の側面がある。
中国は
①金融危機に大型刺激策で4兆元の通貨を印刷(投入)・・・金余り状態(実態経済に受け手がいなかった)
②農地の収用で不動産バブルを招く・・・不動産投機・・・インフラ投資・・・腐敗の温床
③外国資本がさらに煽って逃げる・・・
④株式市場を開設して余剰の金を株式に向ける・・・株の暴落・・・・公的資金の投入
⑤不良債権問題・・・シャドーバンキング・・・・
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⑥中国の国債の価値評価・・・人民元の下落・・・・金融危機またはインフレ
*ハゲタカ・ファンドに襲来されていないか、すでに株の暴落時に襲われていたのかだろうけれど、日本とは明らかに場面が違うのだ。中国はバブル崩壊のサイクルをまだ終わっていないのと、そのサイクルの現れ方が違うのだ。
それは前回述べたように、日本はインフラや産業基盤が自前で出来上がっていた社会の上でバブルが仕掛けられたから、「泡」なのだが、中国はその途上にあって、「泡」にならない部分があるのではないかと思う。
2017年から米中の経済戦争が始まる。日本が経験したような激しい攻防となるだろう。ただ日米にあっては幸か不幸か軍事的対立と言う側面はのぞかれていた。しかし、米中においては武力的手段も解放されている。トランプは「勝つ」までやるだろう。
発展途上国を自認する大国が、矛盾をたくさん抱えた経済をどのように対処できるのか、アメリカに攻められながら日本とは違う対処をできるのか、それが見ものとなるだろう。
だが、中国のバブルの問題はまだ解決していない。この中国の国債について、それと人民元相場問題が、最終的に中国の経済を左右するのではないかと考える。続いてそれを考える。
*正直、私も全部が見えて書いているわけではない。問題を探りながら素人的知識でしかないけれど、なんとか中国のこの先を見通してみたいのです。そういうわけで文章もメタメタですがお許しください。あくまでも自分が理解するために書いているのです。
2016-12-30 17:24:25 (アメーバーブログ)
中国のバブルは2009年のアメリカに発生したリーマンショック後の金融危機に対応する政策から発生したと私は思う。その経緯について、 (株)富士通総研 経済研究所 主席研究員 柯 隆(カ リュウ)氏の「世界金融危機・・・富士通総研のエコノミストはこう考える 3.金融危機と中国経済」から引用する。
http://www.fujitsu.com/jp/group/fri/column/opinion/200901/2009-1-3.html
金融危機からの脱却と経済政策の在り方
金融危機は需要不足と信用収縮をもたらし、経済成長を押し下げるとともに、失業が急増する。これまで石油などの資源と穀物の価格の上昇によりインフレが再燃したが、需要の落ち込みにより物価も下落し、このままいけば、デフレスパイラルに突入する可能性が高い。
中国政府は経済成長を下支えするために、金融緩和へと政策を転換すると同時に、4兆元(約54兆円)もの大型景気刺激策を発表した。
この大型景気刺激策の1つの狙いは、急増する失業者の再雇用を図ることにある。ここで、公共工事を中心とする大型景気刺激策が政府の狙い通りの役割を果せるかどうかを検証する必要がある。
まず、4兆元の景気対策の決定に問題がある。中国は法治国家を目指しているが、史上最大規模の景気刺激策を出動するには、国会に当たる全人代のチェックを受けなければならないが、その手続きは済んでいない。年初の全人代で認められた一般会計に含まれない特別会計あるいは補正予算を執行するには、全人代のチェックを受けなければ、越権行為になる恐れがある。
そして、4兆元の支出の配分も問題である。限られた財源をどのように配分するかは、きちんとしたシミュレーションを行う必要がある。財政政策の実施において最も重要なのは、その波及効果を最大化することである。4兆元の景気刺激策の波及効果がどれほどあるかは明確ではない。
さらに、政策目標を明らかにする必要がある。経済成長を下支えするならば、何パーセントのボトムアップを狙うか、雇用対策であれば、どれぐらいの雇用機会を創出できるか、明示する必要がある。
以上の3点から今回の景気刺激策を点検すれば、やや拙速だったように思われる。雇用対策としての効果はそれほど望めない。今回2,000万人以上の出稼ぎ労働者が失業したが、いきなり玩具などの輸出製造業から鉄道などの公共工事の現場に再就職することはできない。一方、経済成長をボトムアップする効果はゼロではないが、大きく望めない。特に、公共工事への財政投入は一過性の政策として、その波及効果が限定的である。何よりも、拙速と思われる今回の景気刺激策は、最終的に不良債権の増加をもたらす可能性が高い。・・・
引用:
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中国の2008年までの、オリンピック開催に至るまでの経済発展は、改革開放路線の成果して評価することができるだろう。ただその路線は外国資本誘導の技術移転などによる都合のいいもので、いわゆる自力更生路線ではなかった。民族資本を丁寧に育成するとか、自国産業を育成するというような路線とは違っていた。
あくまでも安い賃金を売りものにしての政策だった。その政策で発展してきたところへ金融危機が起きたので、金融危機は、中国に「需要不足と信用収縮をもたらし、経済成長を押し下げ・・・、失業が急増」して、「石油などの資源と穀物の価格の上昇によりインフレが再燃したが、需要の落ち込みにより物価も下落し、このままいけば、デフレスパイラルに突入する」として胡錦濤政権は4兆元の大型刺激策をとった。
ところがこれは柯 隆氏の言うところによれば、政府の一存で行われていたということになる。つまるところ専制政治だからだ。4兆元の適正について何の検証もされていない。54兆円にあたるお金が一存で印刷できることがすごい。柯 隆氏はそれが不良債権の増加をもたらすと予測した。
実際に、その金が何に向いたかと言えば、農地の収用と高速鉄道の建設と高層住宅群の建設に向けられたのだ。まさに日本が1985年のプラザ合意以後、急激な円高になって金余り状況になって、その金が土地に向かったのと同じ事態が起きたと言える。
お金余りで作られたバブル経済だが、そn対処の仕方には日本と中国との相違が、通貨発行権の在り方が関係してくると思う。
①アメリカと中国の通貨発行権の違い
2015-11-28 09:25:19 | 国際金融
http://blog.goo.ne.jp/akiko_019/e/fbb31a794dd34556ffe301c0147f463b
現在の金融危機の根本はアメリカ中央銀行であるFRBの強い独立性にある。強い独立性というよりも実際はこれは政府機関ではなく、民間資本によって運営されている銀行である。
収支報告もなく、実態は闇の中だ。
いま中国経済の不安が喧伝されているが、中国金融がアメリカと違うところは、中国の中央銀行である中国人民銀行は、ちゃんとした中国政府の管理下にあるということだ。
歴史的にも通貨発行権は本来国家のもとにある。国家管理を離れ、民間銀行によって恣意的に通貨を発行しているのが、アメリカの中央銀行であるFRBである。
中国経済を不安視するマスコミは多いが、アメリカ経済の金融不安、特に通貨発行権を疑問視するマスコミは少ない。
②通貨発行権の価値は
http://fknews-2ch.net/archives/38131263.html
お金は誰が発行しているのか
小渕政権の時代。政府は「地域振興券」という金券を配りました。これにはハッキリと発行元の市区町村が明記されていました。次に、お手元のお札を確認してみて下さい。こちらには、「日本銀行券」とハッキリ書かれていますね。では、何故我々が普段使うお金には、「日本国発行」と書かれていないのでしょうか。
通貨発行権
結論から言うと、日本という国が発行した金券ではないからという事になります。あくまで、「日本銀行」という独立した機関が発行した金券ですよというわけです。これは、広い意味で言えば、ビール券と変わらんのです。日本政府は、毎年国債を大量に発行していますが、これは日本銀行にこの国債(借金の証文)を買ってもらい、現金を入手する必要があるからです。
もし、日本政府自身が通貨発行権を持っていれば、ペロッとお札を刷って終わりです。
なのに、通貨発行権を持っていないばかりに、借金をしてお金を手に入れ、それを流通させるというよく分からない状況になっています。
通貨の番人
とはいえ、本質的に、政府と通貨発行権を持つ機関は、互いに独立し、影響や圧力があってはならないというのが定説です。そういった意味で、中央銀行は「通貨の番人」とも言われています。政府が通貨発行権を掌握していた為に失敗している例としては、かの有名なジンバブエドルがあります。
年間のインフレ率は最高で6.5×10の108乗(6500000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000%)らしいwww
経済政策の失敗もあっての事ですが、何しろお金が足りなくなるとす、考えなしに紙幣を刷っていた為、あっという間にスーパーインフレになってしまいました。
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経済や金融について詳しい人には当たり前のことでしょうが、先に富士通総研の柯 隆氏が、中国政府が大型刺激策の4兆元について「不良債権の増加」と見たのは、この通貨発行権をどこが持つのかと言う点にあります。
日本は議会の承認を得て国債を発行して通貨と替えるわけです。
アメリカと中国の通貨発行権の違いは、民間の銀行が持つのと、政府が持つ違いです。そして通貨発行権の価値で紹介したように、政府が持つことでジンバブエドルの失敗例でのスーパーインフレをおたらしたという危険性があるわけです。
中国のバブルはまだ続く
結局、中国はまだ人民元をする続けることで金余り状態を続けると思う。要するに、日本はバブルを政府が「潰した」のに対して、「潰さない」方針なのだ。言い換えると「潰せない」のです。おそらく次回17年の人民大会までは。今の状態が続くだろう。
今年の6月に中国経済網がサーチナに中国経済網が書いた「3つの奇跡」につながった日本のバブル崩壊は「賢明」な策だった」2016-06-02 が取り上げられていた。その記事では「中国経済が直面している現在の状況は、日本がかつて体験した「バブル崩壊」前の時期に非常に似ているとする見方があるが、中国メディアの中国経済網はこのほど、日本が自ら進んでバブルを弾けさせる政策を選択したことは日本の「3つの奇跡」につながったと説明、賢明な判断を絶賛している」と言うものだ。
記事は<当時の日本が膨らんだ風船に自ら針を刺して破裂させるかのように、「自ら不動産および資本市場バブルを破裂させた」と指摘。当時日本が用いた針とは総量規制であり、大幅な緊縮政策だとし、その結果、日本の不動産市場や株式市場は大暴落したと>説明した。
しかし、その後日本は、
1つ目の奇跡は日本に莫大な海外資産をもたらしたことだ。
2つ目の奇跡は「世界的な影響力と競争力を持つ国際企業を造り出した」ことだ。
3つ目の奇跡は「老齢化社会のための完全な社会保障制度を造り上げた」ことだという。
記事はバブル崩壊後の日本は「失われた20年」などと言われるが、<日本が自らバブルを破裂させる政策を選択したことをとにかく絶賛>し、。<当時もし日本が不動産バブルの状態を「継続させる」政策を取っていたなら、今の日本の成功はあり得なかった>という見方を示したのだ。
日本のバブル潰しを絶賛するのは、どういう意図で書かれたものかを考えないといけないだろう。習金平の対抗勢力が書かせたのか不明だが、バブルを「潰す」提案にも思える。
逆に、政権側が書かせた記事ならばそういう意図があることになるけれど、17年の人民大会前に波乱は望まないだろう。
中国6.4%成長に減速 17年予測、不動産バブル警戒
エコノミスト調査
2016/12/30 0:24日本経済新聞 電子版
中国 香港
【香港=粟井康夫】日本経済新聞社と日経QUICKニュースが29日まとめた中国エコノミスト調査によると、2017年の同国の実質国内総生産(GDP)伸び率の予測平均値は6.4%と緩やかな減速が続く見通しだ。習近平指導部は財政出動による景気安定を目指すが、過熱気味な不動産市況の調整が足を引っ張るとの見方が強い。
調査は12月上~中旬、中国経済が専門のエコノミストに書面で実施し、25人から回答を得た。
16年の成長率は政府目標の「6.5%以上」を上回る6.7%の見込み。インフラ投資や減税、住宅購入ブームに支えられており、凱基証券の陳浩氏は「(鉄鋼や石炭など)卸売物価指数の上昇で過剰生産能力の削減が遅れ、景気底入れには程遠い」と分析する。
17年秋の共産党大会を控え、政府は景気安定を優先するとの見方も強い。ABNアムロのアリエン・ファンダイクハウゼン氏は「マクロ経済の安定をリスクにさらしたくないだろう」と、財政出動を続けるとみる。
金融緩和は当面見送られるとの予測が多数を占めた。シンガポール銀行のリチャード・ジェラム氏は「中国当局は信用バブルが伴う潜在的な問題に気づいており、景気下支え策は財政政策に重点が置かれる」とみる。
景気の下振れ要因は3カ月前の前回調査に続き「不動産市況の悪化」との回答が最も多かった。不動産市況がどれだけバブル的な状況にあるかを1から10の数字(10が最も過熱)で表すよう求めたところ平均値は7。前回から横ばいだった。
地方政府は住宅購入制限策を相次ぎ導入。ソシエテ・ジェネラルの姚煒氏は「住宅投資は減速し、来年前半から他のセクターにも負の波及効果が広がる」と予測する。
人民元相場は米国の金利上昇を背景に元安が続くとの見方が多い。17年末の対ドル相場は1ドル=7.16元と年間で3%超の元安進行を見込む。
中国人民銀行(中央銀行)は元買い・ドル売り介入を実施してきたが、新鴻基金融集団の温傑氏は「外貨準備高が3兆ドル(約350兆円)の水準を割り込むと、市場の信認が弱まる」とみる。
中国に対し強硬姿勢を示すトランプ次期米大統領の経済政策への関心も高く、リスク要因として「トランプ氏の米大統領就任」が3位に入った。
トランプ氏は中国からの輸入品に45%の高関税を課すと主張してきた。スタンダードチャータード銀行の丁爽氏は「支持者をなだめるため、品目を選んで報復関税を課す可能性がある」とみる。
トランプ氏は中国を「為替操作国」に指定する意向も示す。「中国は米財務省による指定条件を満たさない」(中国銀行香港の蔡永雄氏)との見方が多い半面、BBVAの夏楽氏は「トランプ氏の政策は元高圧力をもたらす」と予測する。
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日経の記事はおおむね私のストーリーと合致するものだ。人民元安に誘導されることによって、日本と中国の相違が現れるだろう。
人民元安と元高徒では効果は違うように思える。
今元高に持って行って金余り状態を作っても、投資するものがなくなっているので、日本に対して仕掛けたような円高に金余り状態は、すでに胡錦濤時代の4兆元の刺激策で生まれていて、継続しているわけだ。そこへさらに金余り状態にするとどうなるのだろうか。
日本のバブル崩壊後にハゲタカファンドが襲来して、企業や不動産を安く買いたたいて購入して、再び再生させて高売りして二度おいしい汁をするという構造が、中国の場合、現れるのだろうか。
<不動産市況がどれだけバブル的な状況にあるかを1から10の数字(10が最も過熱)で表すよう求めたところ平均値は7。前回から横ばいだった。>と言うようにバブル的状況であることには変わりはない。
また<「外貨準備高が3兆ドル(約350兆円)の水準を割り込むと、市場の信認が弱まる」>と言うように、現在アメリカ国債をかなり放出して人民元安を支えていると言う。この外貨準備高が3兆ドルを割り込むということはAIIBは機能しなくなることに等しい。
勝又壽良の経済時評[中国、「元安相場防衛」米国債の最大保有国トップは日本へ]
2016-12-30
(1)「中国が世界最大の米国債保有国の座を日本に明け渡した。下落が続く人民元を支えるために外貨準備を取り崩しているからで、円安が進むのを好ましく思っている日本と正反対の事情が背景にある。投資家は中国の米国債保有動向から目が離せない。もしも大規模な売りがあれば、ただでさえ上がっている米金利に一段の上昇圧力が加わり、それがドル高/人民元安の加速をもたらしかねないからだ。米財務省が15日発表したデータでは、10月の中国の米国債保有額が1兆1150億ドルと6年余りぶりの低水準になったことが判明。減少は5カ月連続で、10月までの1年間の減少規模は1392億ドルと12カ月ベースで過去3番目の大きさを記録した」。
10月末の中国の米国債保有額は、1兆1150億ドルと6年余りぶりの低水準になった。減少は5カ月連続である。人民元安相場を買い支える資金として、米国債売却資金が充てられたもの。日本はドル高円安を歓迎しているが、中国は人民元安が外貨資金の流出をもたらすために防止するという、真逆の関係にある。
この関係こそ、日中経済の実力差が遺憾なく現れている。日本は円安になっても外貨資金が流出する懸念はない。むしろ、日本株の高値を見込んで流入しているほどだ。世界一の対外純債権を保有する日本が、ドル高でも微動だにしない底力を見せている。中国はこれまで、人民元高を狙った投機資金(ホット・マネー)が流入して、外貨準備高を押し上げてきた。その人民元相場は先安予想となれば、先の投機資金は流出する。よって外貨準備高も減少するという流れになった。従来の「中国経済万歳論」が、皮肉にもお手上げの「万歳」に直面している。
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中国国債暴落、トランプ・ショックの標的に? 金融危機に波及も
2016年12月28日 17時12分 ZAKZAK(夕刊フジ)
人民元相場の急落や資本流出などが隠せなくなった中国で、最大の危機が生じている。国債相場が暴落に見舞われたのだ。市場では、2008年のリーマン・ショックを招いた米国のサブプライム危機や日本のバブル崩壊後の長期不況と同様の状況に陥るとの懸念も強まっている。
10年物国債の利回りは今年10月に2・6%台まで下落(債券価格は上昇)していたが、今月に入って一時3・3%台まで急上昇(債券価格は低下)し、昨年9月以来の水準となった。3年債の利回りも一時3%台を突破した。
国債というと、安定した運用というのが一般的だが、中国の債券市場では、国債などを担保に資金を借り入れ、また別の債券を買うという取引が常態化してきた。中国の国債が2013年の後半以降、ほぼ一貫して買われ、バブル状態になっていたのもこのためだ。
ところが今月に入って、米国の追加利上げによって資金流出が続き、トランプ米次期大統領の経済政策への期待感からドル高が進行、人民元も下げ止まらないことから、国債売りが加速した。中国の証券会社で、偽造した社印を使って国債を担保にした取引を行っていたことが発覚した問題も市場の不安に拍車をかけた。
国債価格の下落は債券市場全体にも打撃となる恐れがある。「影の銀行(シャドーバンキング)」問題でも注目された高利回りの金融商品「理財商品」で集められた資金の多くが債券市場に投じられているとされ、債券市場のクラッシュにより金融危機を招きかねない状態だ。
投資家は「中国売り」姿勢を強めるばかりだ。中国人民銀行(中央銀行)によると11月末の外貨準備高は前月比691億ドル減の3兆515億ドルで、2011年3月以来、5年8カ月ぶりの低い水準にあり、年内にも節目の3兆ドル(約350兆円)を割りこむ公算が大きくなった。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは、「中国の債務拡大は、08年に米国で起きた住宅ローン危機と同じように相場の大暴落という結果に終わるか、1980年代の不動産バブル後に長期低迷が続いた日本のような結末になるか、あるいはその両方になりそうだ」とみるエコノミストが多いと報じている。
トランプ・ショックの最大の標的は中国になるのか。
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先に通貨発行権のところで、中央銀行は民間企業で、政府は交際を発行して通貨と交換すると理解した。アメリカや日本と中国の違いは、政府が人民銀行を支配していることだと理解した。しかし、現実には中国も国債を発行している。
形の上では日米と似たような形態だが、実質共産党による支配だから、中央銀行の独立性はないことになる。
その政府が発行する国債なのだが、その国債がどうも問題になりそうだ。
つまり、通貨発行権と政府が一体で、政府の思うように通貨を印刷できるわけで、そのような失敗例としてジンバブエのスーパーインフレがあった。
中国の場合は「国債」と言う形態をまとっているけれど、これも言い換えればいくらでも発行できることになる。ただ国債の引き受け手がいなくなると限界が来るのではないか。引き受け手がいないということは国債を買っても利益が出ないということとなる。利回りの低下は「相場の暴落」につながることになるのだろう。
日本と中国のバブル問題を整理してみると、
日本は
①日米の経済的対抗・・・アメリカの圧力・・・プラザ合意・・・作られた円高=金余り状態
②土地と株に余剰の金が流れて投機に走る・・・実体的価値と幻想価値の具体化・・バブル崩壊・・・金融企業の倒産・土地・株の暴落
③ハゲタカ・ファンドの襲来で旨味を持って行かれる・・・・経済の停滞・デフレ経済
*アメリカに仕掛けられてアメリカの金融パワーに負けたのだが、「負けるが勝ち」の側面がある。
中国は
①金融危機に大型刺激策で4兆元の通貨を印刷(投入)・・・金余り状態(実態経済に受け手がいなかった)
②農地の収用で不動産バブルを招く・・・不動産投機・・・インフラ投資・・・腐敗の温床
③外国資本がさらに煽って逃げる・・・
④株式市場を開設して余剰の金を株式に向ける・・・株の暴落・・・・公的資金の投入
⑤不良債権問題・・・シャドーバンキング・・・・
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⑥中国の国債の価値評価・・・人民元の下落・・・・金融危機またはインフレ
*ハゲタカ・ファンドに襲来されていないか、すでに株の暴落時に襲われていたのかだろうけれど、日本とは明らかに場面が違うのだ。中国はバブル崩壊のサイクルをまだ終わっていないのと、そのサイクルの現れ方が違うのだ。
それは前回述べたように、日本はインフラや産業基盤が自前で出来上がっていた社会の上でバブルが仕掛けられたから、「泡」なのだが、中国はその途上にあって、「泡」にならない部分があるのではないかと思う。
2017年から米中の経済戦争が始まる。日本が経験したような激しい攻防となるだろう。ただ日米にあっては幸か不幸か軍事的対立と言う側面はのぞかれていた。しかし、米中においては武力的手段も解放されている。トランプは「勝つ」までやるだろう。
発展途上国を自認する大国が、矛盾をたくさん抱えた経済をどのように対処できるのか、アメリカに攻められながら日本とは違う対処をできるのか、それが見ものとなるだろう。
だが、中国のバブルの問題はまだ解決していない。この中国の国債について、それと人民元相場問題が、最終的に中国の経済を左右するのではないかと考える。続いてそれを考える。
*正直、私も全部が見えて書いているわけではない。問題を探りながら素人的知識でしかないけれど、なんとか中国のこの先を見通してみたいのです。そういうわけで文章もメタメタですがお許しください。あくまでも自分が理解するために書いているのです。
2016-12-30 17:24:25 (アメーバーブログ)