四月 一日(日)晴 刻み海苔散らして散らし寿司となる(海苔)
四月 二日(月)晴 ほんのりと薫りに酔って桜漬け(桜漬け)
四月 三日(火)晴 つままでも湯色に染まり松葉海苔(松葉海苔)
四月 四日(水)晴 桜餅葉まで苦みを含ませて(桜餅)
四月 五日(木)曇 磯焼の栄螺の蓋と格闘す(栄螺)
四月 六日(金)晴 蓬餅どこか古びたオルゴール(蓬餅)
四月 七日(土)曇 蛍烏賊刺身醤油は濃い口に(蛍烏賊)
四月 八日(日)晴 蓬餅香りの良さを色に見る(蓬餅)
四月 九日(月)晴 独活の香の残るキッチン朝支度(独活)
四月 十日(火)晴 とんとん拍子に行くかしら桜鯛(桜鯛)
四月一一日(水)曇 ふかふかとトランポリンか春苺(春苺)
四月一二日(木)曇/晴 芽かぶとろろ些細な事が気に掛かる(芽かぶとろろ)
四月一三日(金)晴/曇 身を舟に焼けて帆の立つ焼き蛤(蛤)
四月一四日(土)曇 歳なりの記憶噛みしめタラ芽棘(タラの芽)
四月一五日(日)雨/晴 真鶴港眼下に臨み芹のびる(芹)
四月一六日(月)曇 蓬摘む笑顔が見てる水平線(蓬)
四月一七日(火)曇 春みかん二つに割って生ジュース(春みかん)
四月十八日(水)雨 独活の香の灰汁強きほど白きほど(独活)
四月十九日(木)晴 ひじき煮ていつも変わらぬ里の朝(ひじき)
四月二十日(金)晴 フライパンまずはにんにく香ばしく(にんにく)
四月二一日(土)晴 一本の骨を抜かれて桜烏賊(桜烏賊)
四月二二日(日)晴 甘辛く煮られ小鮎の盃上り(小鮎)
四月二三日(月)曇 独活炒め滲む汁気の香るほど(独活)
四月二四日(火)曇 桜海老チャーハンに入れ昼曇り(桜海老)
四月二五日(水)雨 酸っぱさも程よく水雲宵の酒(水雲)
四月二六日(木)晴 ハーブのせ鰆ほっくり焦げも良し(鰆)
四月二七日(金)晴 青竹の田楽二つ浜の茶屋(田楽)
四月二八日(土)晴 振り出しにもどればいつも古茶旨し(古茶)
四月二九日(日)晴 釜揚の越後の蕎麦の白く煮え(釜揚)
四月三十日(月)晴 蜜柑食べひとつがふたつほのぼのと(蜜柑)
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