六月 一日(木)晴 あじさいの生気に満ちて地球色
六月 二日(金)晴 朝晴れて夏めく色の木々迫る
六月 三日(土)晴 見上げれば木々空までも昇る朝
六月 四日(日)雲/晴 水葵浮かれて空の雲となり
六月 五日(月)晴 瓜の花小さな朝の風を呼ぶ
六月 六日(火)雲/晴 夾竹桃いつも垣根を越え見てる
六月 七日(水)曇 黒南風の去り行く朝の空見つめ
六月 八日(木)雲/雨 梅雨入りの改札口に忘れ傘
六月 九日(金)雲 梅雨曇り人は駅へと急ぎ足
六月 十日(土)雲/晴 夏禽の声が届けば町の朝
六月一一日(日)曇/晴 瓜の花ぽつりと開く垣の内
六月一二日(月)曇 梅雨曇り水面を移る風の色
六月一三日(火)曇/雨 瓜の蔓莟を含み小雨降る
六月一四日(水)曇 朝もやに目高の跳ねて雲開く
六月一五日(木)雲/晴 パンケーキ焦げずに焼けて瓜の花
六月一六日(金)雲/晴(等々力渓谷) 石段を踏み締め昇る苔の花
六月一七日(土)晴 花柘榴谷を見下ろし軒の端
六月一八日(日)晴 木漏れ陽のベンチを探す梅雨晴れ間
六月一九日(月)晴 窮屈な衣を脱皮蛇の殻
六月二十日(火)晴 梅雨晴れの朝に小さな幸見つけ
六月二一日(水)雨(夏至) 雨落ちてポツリ水の輪音の輪に
六月二二日(木)晴 みどりより開けて今朝の空碧く
六月二三日(金)晴 朝の雨どこかへ消えて若楓
六月二四日(土)晴 朝陽うけビルの東西みどり立つ
六月二五日(日)晴 夏障子夜明けを知らす薄あかり
六月二六日(月)曇 梅雨の空遠吠えに町へと迫る
六月二七日(火)曇 商店街雨にかけ込む夏暖簾
六月二八日(水)晴 町雀鳴けば負けじと蝉の鳴く
六月二九日(木)雲/晴 万が一置き傘二つ梅雨曇り
六月三十日(金)雲/晴(道後温泉)夏柳からくり時計の駅の前
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