資料 日本平和委員会第3 回常任理事会提案文書案 20211106
全国の会員のみなさんへの呼びかけ
総選挙結果を踏まえ、平和運動の新たな前進を切り開きましょう
――全国津々浦々で、日本平和大会視聴会を開催しよう――
2021 年11 月6日 日本平和委員会第3 回常任理事会
全国の会員のみなさん、総選挙での市民と野党の共闘の勝利のためのご活動、本当にお疲れさまでした。
私たちは、この総選挙に向けて市民連合と野党4 党が共通政策を確認し、全国で候補者一本化の努力を重ね、政権交代をめざし臨んだことを、心から歓迎しました。9 月11 日の第1 回理事会では、この共通政策を実現することは、「私たちが長年にわたって実現を求めてきた平和要求と重なり合うものである。これを実現することは、憲法と平和を破壊し続けてきた自公政権の政治を大きく転換させることとなる」と位置づけ、「あらゆる活動を、総選挙での自民党政治への厳しい審判と、市民と野党の共闘による新しい政治実現のための活動に結び付けて展開する」ことを呼びかけました。
そして、総選挙用宣伝ビラやプラスター、横断幕の作成や平和新聞特集企画の発信、平和大会パンフを活用した学習活動、ツイッターデモなどをくり広げました。全国各地で、平和の要求を掲げたキャラバン宣伝行動や市民連合に参加して共通政策に地域の平和の要求を反映する活動も展開されました。
会員さんが野党統一候補として奮闘した選挙区もありました。
菅前首相が国民の批判で退場に追い込まれた中で、自民党は、マスコミも利用しながら総裁選で世論の流れを変えることに力を注ぎ、新たに発足した岸田政権は、予算委員会も開かず、内閣発足後史上最短で解散・総選挙を強行しました。
これに対し、市民と野党の共闘の側も、短期間で全国7割以上の214 選挙区で候補者を一本化
するなど、懸命に取り組んできました。
総選挙の結果は、甘利自民党幹事長や石原元幹事長、平井前デジタル担当大臣など、自民党有力議員に野党共闘の候補が勝利する選挙区が生まれ、全国62 の選挙区で、野党で一本化を図った候補が激戦を競り勝ち、その他の選挙区でも接戦に追い込む状況をつくりだしました。それは、自公政権を追いつめ政治を変える原動力が、市民と野党の共闘にあることを、改めて示すものでした。
しかし、全国的には、共通政策の魅力や、野党共闘の意義を、「安保条約廃棄を掲げる政党と協力したら混乱するのでは?」などの、市民の中にある不安や様々な攻撃を乗り越えて広げるまでには至りませんでした。また、実際には改憲・軍拡推進の与党補完勢力であるにもかかわらず「改革」ポーズを前面に出した「日本維新の会」へ政権批判票が流れることをくい止められませんでした。
この結果、自民党は議席を若干減らしたものの安定過半数の議席数を維持し、自民・公明に維新を加えた改憲容認勢力が衆院の3 分の2 を占める結果となりました。しかし、市民と野党の共闘を力強く発展させる以外に、平和の要求を実現する道がないことは明らかです。
私たちは、今回のとりくみから教訓を引き出し、学び、市民と野党の共闘を、来年夏の参議院選挙に向けて、さらに力強く発展させるため、活動を強めることが求められています。
岸田政権はその選挙公約の中で、憲法改定の推進、軍事費の倍増、敵基地攻撃能力の保有、AI兵器、極超音速ミサイルなどの開発、新たな国家安全保障戦略や中期防衛力整備計画の「速やかな策定」、自衛官の募集体制の強化、辺野古新基地建設の着実な推進、基地周辺土地利用規制法の執行など、危険な日米軍事同盟強化、「戦争する国づくり」の政策を掲げました。
その一方で、核兵器禁止条約への署名を拒み、締約国会議へのオブザーバー参加さえも拒否。バイデン政権が核兵器先制不使用方針に走らないよう働きかけているとも報じられています。
このような路線は、この地域での核と核、軍事と軍事の対決をいっそう激化させ、日本の国土と国民を戦争に巻き込む道につながる極めて危険なものです。
この路線の推進を止めさせ、憲法改悪阻止、戦争法廃止、核兵器禁止条約への署名・批准、憲法にもとづく平和外交の推進など、市民と野党の共通政策の方向に政治を転換することは、私たち平和運動の引き続く不動の責務です。
当面、11 月20 日の「なくそう!日米軍事同盟・米軍基地 2021 年日本平和大会(オンライン)」を成功させることは決定的に重要です。この大会は、総選挙後の情勢を踏まえた平和運動の方向を学び、交流し、意思統一を図る当面では最大の全国的な集会となります。
また、大会は、総選挙でも野党共闘攻撃の焦点となった、「日米安保条約廃棄」の必要性や、憲法にもとづく平和のビジョンについて学び、交流する大会です。この大会の視聴会を全国津々浦々に広げ、多数の人たちに参加してもらうことが、市民と野党の共闘を強める上でも、安保条約破棄めざす運動を強める上でも重要です。
この大会の成功に全力をあげながら、市民と野党の共闘の発展と私たちの草の根の運動を発展させ、憲法と平和を破壊する自公政治を転換させるため、全力をあげましょう。
(1) 平和大会視聴の輪を、全国津々浦々で大きく広げましょう。
■すべての会員、読者に大会の視聴を呼びかけましょう。すべての基礎組織で視聴会に取り組みましょう。
■広範な団体・個人に視聴を呼びかけましょう。昨年の平和大会の到達を土台に、今年の世界大会の成果も受け継ぎ、視聴会を大規模に成功させましょう。
■視聴会では、大会で学んだことをいっそう力にするために、感想を交流し、各地の平和の課題も学び、交流も重視しましょう。
(2) これと結んで、会員・読者、地域組織づくりを広げましょう。
■視聴会に参加した人に、平和新聞、平和運動誌の購読や入会を呼びかけましょう。視聴会を新しい地域・職場平和委員会づくりの契機にもしましょう。
■12 月11 日の全国地域活動交流会も、多数の地域で視聴しましょう。
(3) 平和大会を力に、次の行動につなげましょう。
■岸田政権の改憲・核兵器固執・「敵基地攻撃」大軍拡・戦争する国づくりに反対する運動の具体化を進めましょう。12・8 太平洋戦争開戦80 年の反戦平和の行動に取り組みましょう。
■沖縄辺野古基地建設中止求める全国的運動と名護市長選挙(来年 1 月 16 日告示、23 日投票)勝利のための支援活動を重視しましょう。12・3緑ヶ丘保育園米軍部品落下4 周年企画(オンライン)を成功させましょう。
■1 月のNPT再検討会議に向けて、日本政府に核兵器禁止条約への参加を求める署名運動を広げましょう。
(4)来年夏の参議院選挙に向けて、ただちに市民と野党の共闘の態勢を強め、とりくみを開始しましょう。
■あと8カ月後に迫った参議院選挙に向け、総選挙の教訓を生かして、本気の市民と野党の共闘を全国で草の根から発展させ、改憲・大軍拡の自公政権とその補完勢力に審判を下し前進をつくりだすこと、とりわけ参院での改憲派3 分の2 を許さないことは、憲法と平和を守る上で決定的に重要です。各地でその準備をただちに始めましょう
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