空手を習いに来る子ども達の中には、親御さんが心配されて連れて来られるような大人しい子がいる。
その事を分かって指導していかないといけないよと。
正直なところ、これまでずっと指導方針について、迷っていました。
そして、最終的に、私は空手道を通じて子ども達1人1人の心の成長を促したいんだなということに気付きました。
今の世の中に不足していると思われる『徳育』の部分です。
となると、何をどう教えるべきなのか。
イロイロと考えた結果、基準となる道場訓を作ることにしました。
大声を出す練習にもなりますしね。
以下、ネットで見つけてきた有名な言葉と、自分なりのその解釈です。
【日常の五心】
・「はい」という素直な心
・「すみません」という反省の心
・「おかげさま」という謙虚な心
・「私がします」という奉仕の心
・「ありがとう」という感謝の心
■素直な心
素直という心のあり方は、他者の教えをそのまま受け入れ、吸収し、自分のモノとする事ができます。
これは、ある意味”才能”だと私は思います。
何かを学ぶには、そういう心のあり方が重要です。
素直さは、人の成長を大きく促す原動力となります。
■反省の心
自分のあり方に常に向き合うのが、反省です。
反省ができない人の心は、”我”に囚われ、固執してしまう傾向にあります。
『菜根譚』という本には、「成長の妨げとなるのは、独善と知ったかぶり」だとあります。
反省には、そうした成長のブレーキとなるものを、取り除く効果があります。
■謙虚な心
謙虚さを身につけるには、まず自分の立ち位置を知ること。
そして、社会的には、人との繋がりを感じ、それに感謝することになりますが、
武道的には、道半ばである事を自覚し、上を目指して精進することになります。
私が所属した大学の空手道部では「優勝以外は全部負け!」と言われていました。
大会で優勝できなかった者は、自らに何かしら至らない部分があることを自覚し、次に繋げるようにとの教えです。
■奉仕の心
奉仕とは他者への働きかけであり、その根源は”観察と配慮”です。
空手に関して言えば、練習時に言われる前に道具の準備に動いたり、大会の昼食時に率先して皆の弁当を配ったり、休憩時に最初に講師にお茶を持って行ったり。
一般的に”気が利く”と言われるのは、この点が出来ているということ。
奉仕には小さな喜び(満足感や達成感)が伴いますが、それが習慣化につなげるポイントでしょう。
自らの行動原理に”観察と配慮”を置くことが、奉仕の心となります。
■感謝の心
感謝の心は、当たり前の事が、実は当たり前ではないという事を知ることから始まります。
例えば、自ら空手を始めようとした場合、先生はおらず、練習場所もなく、1人で練習しなければならない状況におかれるのが普通です。
空手を教わる事ができるのは、先生がいてくれるから。
空手を練習する事ができるのは、施設を利用させてもらえるから。
空手を楽しいと感じられるのは、一緒に練習する仲間がいてくれるから。
今、練習に参加できているのは、そうした有難い事の積み重ねの上に成り立っているんです。
そして、その事への感謝を表すための作法が、「先生への礼」「お互いへの礼」そして「道場への礼」となります。
以上、5つの心を子ども達に身に付けさせること。
それを私の役割として、今後、指導に励みたいと思います。
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