さて、自宅でお灸をするようにと言い含めた患者さんには、3日後の診察の結果も知らせてくださいと念を押していたのですが・・・。診察日が過ぎても連絡がありませんでした。
(逆子のまま治らないから手術予定を言われてショックだったとか?あきらめて受け入れることに決めたのかも)
結果がわからないことには効果の有無もわからないまま、鍼灸師としてはモヤモヤが後を引きます。が、連絡が来ないものをこちらから問い合わせるのも非常に気が引けるものです。
お灸を続けるなら時間との勝負になるので、恐る恐るLINEで様子を訊ねてみると、「治ってました。」
(やれやれ)
自宅でもお灸は続け、持ち帰ったお灸は使い切ったとのこと。
病院では「一応治っているね、でもまだわからない。出産までにまた逆子になることもある。」というようなことを言われたそう。
(確かにそうだけども。「そのときこそはよろしくお願いしますね。」ぐらいのこと笑顔で言ってみればよかったんじゃ・・・。なんて無理だよね。初産の人をビビらせないで、先生。)
この患者さんはもう一度おいでになりお灸をしましたが、治ったのにお灸をするとまた逆子になるのではと心配したようです。そして、里帰りした実家でのお灸は家人に嫌がられてこれ以上は続けられないという話で中断しています。
逆子を治す鍼灸は安産のための鍼灸でもあり、出産までお灸を続けることが望ましいといわれています。逆子が治ったからとすぐにお灸をやめてしまうことなく、出産を迎えるまで継続していただきたいところです。これはすなわち、母胎をよい状態に保ち、再び逆子になるのを防ぐ意味もあるでしょう。
限られた条件の中でできることをやったのですからあとは安産になりますようにとお祈りするばかり。
今回は今まで一度も逆子と言われていなかったのに逆子になったもので、35週間近でも治りやすかった例として記録しておきました。