『その夜の侍』
初日舞台挨拶行ってまいりました。
残念なことに上映前挨拶ではありましたが、大変楽しくエピソードを拝聴。
ざっくり映画の感想と舞台挨拶報告を。
『その夜の侍』
劇団THE SHAMPOO HAT主宰
赤堀雅秋氏
初監督作品。
以前戯曲として上演された作品を映画化とのこと。
赤堀さん、「鈴木先生」以来
お久しぶりですー。
さてストーリーは
痩せているのに糖尿病を患っている小さな町工場を営むケンちゃん。
彼の健康を気遣うしっかりものの奥さんはある夏の日、買い物帰りに轢き逃げされ、突然帰らぬ人となってしまった。
妻の死を受け入れられないケンちゃん。
遺骨をテーブルに置いたまま、
ブラジャーについた彼女の残り香を嗅ぎながら、
妻が最後に吹き込んだ留守番電話のメッセージを繰り返し聞き続ける。
そして妻を轢き逃げした男を執拗に付け回し、「お前を殺して俺も死ぬ」というメッセージを送り続けている。
決行日は轢き逃げから5年後の妻の命日。
映画は決行日の2日前からの出来事を細かく描いています。
とにかく面白かったです。
面白いという表現が適切かどうかはわかりませんが、とにかく何だか隣町でありそうな感じのリアリティを私は感じました。
共感できるとかいうことではないのですが、「ナマ」っぽい。
登場人物は
ケンちゃん
ケンちゃんを心配する義理兄
義理兄がケンちゃんに勧める見合い相手のバツイチ数学教員
ケンちゃんを取り巻く工場の従業員
轢き逃げ犯キジマ
キジマの舎弟コバヤシ
何でか行動を共にしている田口トモロヲ
通りすがりのキジマに脅され関係を持つ女警備員
コバヤシの女
三日月好きの風俗嬢
こんなもん?
この人たちが絶妙のキャスティング
です。
一番驚いたのはやはり
主演の堺雅人でしょうか。
薄汚れた汗臭さそうな作業服をだらしなく着込み、
牛乳瓶の底のような顔が歪むほどのメガネをかけ、
べとついた髪
オドオドした歩き方
惜しげなくさらけ出した40近い男のゆるゆるの裸体にブリーフ姿。
妻のブラジャーをポケットから出し、顔に押し付け匂いを嗅ぎまくる姿は今までに観たどの堺雅人よりも新鮮で斬新でリアリティに満ちていてびっくりというか感動というか…。
見た目あり得ないほど汚いのに
大奥の有功より、鍵泥の櫻井より、
私の胸をくすぐるのは何故?
何だか妙に愛おしい男なのです。
そして
綾野剛。
私、彼の評判を聞いても今ひとつピンと来たことがなかったのですが、
この映画のコバヤシという何だか小心者の男の役を演じる彼を観て多くの人がいいと支持する理由をやっと体感出来た気がしました。
セリフが多いわけでもなく
たくさん見せ場があるわけでもありませんが、ちょっとした表情が何だか凄く響くというか…感情が増幅して伝わるような増幅機を持ってるのかも。
これからの作品も楽しみ。
そして義理兄を演じた新井浩文君。
確か「ゆれる」の時にも何気にこういう情に厚い役だった記憶が。
今回は教員という若干お堅い職業もち。不思議と違和感なし。
確かにやられてるよりやってる方がイメージ的にはピッタリな気はしますが。(笑)
そして
轢き逃げ犯キジマを演じた山田孝之くん。
最近無茶苦茶売り出し中?
朝、「ミロクローゼ」という彼が三役やっているハリウッド映画のニュースを観たせいもあり、印象濃厚。
この役柄の迫力も全力全開。
彼は…何なんでしょう。
キジマそのものでした。
こういう人いるよな、いっぱい。(笑)
こんな人たちの間で起こる3日間の出来事。
妙に生活感漂うセリフ回し。
その辺の風景。
その辺に居そうな人々。
そんな光景を眺めながら
隣に他愛もない話ができる人がいるということ。
暇を持て余していないということ。
もしかしたらそれはとても幸せなことなのかもしれない…などと考えたりしていました。
上映前挨拶の際、
山田君だったかな。
映画を観たあと、きっと思い出すシーンやセリフがいっぱいあると思うと言っていた気がしますが、まさに。
そして最後に
堺雅人氏が
「この映画は好き嫌いが明確に分かれる映画だと思う。最小公倍数のような映画もあるが、このような映画に出られることは俳優としてとても嬉しい。
僕はこの映画が好きです」
と挨拶していたのが印象的でした。
私もこの映画大好きです。
舞台挨拶、みんな観終わるとどんよりすると思うと心配してましたが、
私は妙に希望というか光を感じたのですが…気のせい?(笑)
劇場で是非汚な可愛い堺雅人をご堪能下さい。
しかし、イビョンホン主演以外の作品の舞台挨拶にあまり行ったことはないのですが…。
本日3回目の舞台挨拶のせい?
上映前挨拶が終わった後、前方席に陣取っていた30前後のお嬢様方20名ほどそそくさと退席。
…誰のファンも変わらないのね…でもさっき「本日二回目鑑賞の方ー」って質問に手を挙げてたよね…上映前に帰ったら、2回観てないと思うんですが。
(^_^;)
ちょい悲しい。
この堺雅人は2回観ても損はないと思うのだけれど、人それぞれですから。
そうそう。
新井くん紹介の際、掛け声多数。
このー人気者ー。
10回は観られませんが
ブログには監督名間違わず記事書きましたよ!
初日舞台挨拶行ってまいりました。
残念なことに上映前挨拶ではありましたが、大変楽しくエピソードを拝聴。
ざっくり映画の感想と舞台挨拶報告を。
『その夜の侍』
劇団THE SHAMPOO HAT主宰
赤堀雅秋氏
初監督作品。
以前戯曲として上演された作品を映画化とのこと。
赤堀さん、「鈴木先生」以来
お久しぶりですー。
さてストーリーは
痩せているのに糖尿病を患っている小さな町工場を営むケンちゃん。
彼の健康を気遣うしっかりものの奥さんはある夏の日、買い物帰りに轢き逃げされ、突然帰らぬ人となってしまった。
妻の死を受け入れられないケンちゃん。
遺骨をテーブルに置いたまま、
ブラジャーについた彼女の残り香を嗅ぎながら、
妻が最後に吹き込んだ留守番電話のメッセージを繰り返し聞き続ける。
そして妻を轢き逃げした男を執拗に付け回し、「お前を殺して俺も死ぬ」というメッセージを送り続けている。
決行日は轢き逃げから5年後の妻の命日。
映画は決行日の2日前からの出来事を細かく描いています。
とにかく面白かったです。
面白いという表現が適切かどうかはわかりませんが、とにかく何だか隣町でありそうな感じのリアリティを私は感じました。
共感できるとかいうことではないのですが、「ナマ」っぽい。
登場人物は
ケンちゃん
ケンちゃんを心配する義理兄
義理兄がケンちゃんに勧める見合い相手のバツイチ数学教員
ケンちゃんを取り巻く工場の従業員
轢き逃げ犯キジマ
キジマの舎弟コバヤシ
何でか行動を共にしている田口トモロヲ
通りすがりのキジマに脅され関係を持つ女警備員
コバヤシの女
三日月好きの風俗嬢
こんなもん?
この人たちが絶妙のキャスティング
です。
一番驚いたのはやはり
主演の堺雅人でしょうか。
薄汚れた汗臭さそうな作業服をだらしなく着込み、
牛乳瓶の底のような顔が歪むほどのメガネをかけ、
べとついた髪
オドオドした歩き方
惜しげなくさらけ出した40近い男のゆるゆるの裸体にブリーフ姿。
妻のブラジャーをポケットから出し、顔に押し付け匂いを嗅ぎまくる姿は今までに観たどの堺雅人よりも新鮮で斬新でリアリティに満ちていてびっくりというか感動というか…。
見た目あり得ないほど汚いのに
大奥の有功より、鍵泥の櫻井より、
私の胸をくすぐるのは何故?
何だか妙に愛おしい男なのです。
そして
綾野剛。
私、彼の評判を聞いても今ひとつピンと来たことがなかったのですが、
この映画のコバヤシという何だか小心者の男の役を演じる彼を観て多くの人がいいと支持する理由をやっと体感出来た気がしました。
セリフが多いわけでもなく
たくさん見せ場があるわけでもありませんが、ちょっとした表情が何だか凄く響くというか…感情が増幅して伝わるような増幅機を持ってるのかも。
これからの作品も楽しみ。
そして義理兄を演じた新井浩文君。
確か「ゆれる」の時にも何気にこういう情に厚い役だった記憶が。
今回は教員という若干お堅い職業もち。不思議と違和感なし。
確かにやられてるよりやってる方がイメージ的にはピッタリな気はしますが。(笑)
そして
轢き逃げ犯キジマを演じた山田孝之くん。
最近無茶苦茶売り出し中?
朝、「ミロクローゼ」という彼が三役やっているハリウッド映画のニュースを観たせいもあり、印象濃厚。
この役柄の迫力も全力全開。
彼は…何なんでしょう。
キジマそのものでした。
こういう人いるよな、いっぱい。(笑)
こんな人たちの間で起こる3日間の出来事。
妙に生活感漂うセリフ回し。
その辺の風景。
その辺に居そうな人々。
そんな光景を眺めながら
隣に他愛もない話ができる人がいるということ。
暇を持て余していないということ。
もしかしたらそれはとても幸せなことなのかもしれない…などと考えたりしていました。
上映前挨拶の際、
山田君だったかな。
映画を観たあと、きっと思い出すシーンやセリフがいっぱいあると思うと言っていた気がしますが、まさに。
そして最後に
堺雅人氏が
「この映画は好き嫌いが明確に分かれる映画だと思う。最小公倍数のような映画もあるが、このような映画に出られることは俳優としてとても嬉しい。
僕はこの映画が好きです」
と挨拶していたのが印象的でした。
私もこの映画大好きです。
舞台挨拶、みんな観終わるとどんよりすると思うと心配してましたが、
私は妙に希望というか光を感じたのですが…気のせい?(笑)
劇場で是非汚な可愛い堺雅人をご堪能下さい。
しかし、イビョンホン主演以外の作品の舞台挨拶にあまり行ったことはないのですが…。
本日3回目の舞台挨拶のせい?
上映前挨拶が終わった後、前方席に陣取っていた30前後のお嬢様方20名ほどそそくさと退席。
…誰のファンも変わらないのね…でもさっき「本日二回目鑑賞の方ー」って質問に手を挙げてたよね…上映前に帰ったら、2回観てないと思うんですが。
(^_^;)
ちょい悲しい。
この堺雅人は2回観ても損はないと思うのだけれど、人それぞれですから。
そうそう。
新井くん紹介の際、掛け声多数。
このー人気者ー。
10回は観られませんが
ブログには監督名間違わず記事書きましたよ!
公開の規模のせいで、ご覧になっている方が少なくて、
多くの方の感想を聞けないのが残念に思います。
わたしは観れる映画が少ない地方に暮らしているので、
普段はあまり無理しないんですが、
これだけは、と、頑張って遠出した甲斐がありました。
堺さんが言われるように、好き嫌いがはっきり分かれそうな作品ですが、
わたしもこの作品は好きですね。
もし、近くで上映があったら最低もう1度は観に出かけると思います。
観終わってどんよりしないのは、最後の最後の台詞、というか、吐息というか、
それの声音(?)の御蔭なんでしょう。
彼にあの声を出させるために、ここまでがあったのだと思いました。
節操のない拙宅ですが(^_^;)
よろしければ今後ともよろしくお願いいたします。
公開の規模のせいで…
-そうなんですよね。
シネコンでかかったとしてもこの手の映画は
夜遅くとか、朝早くとか、なかなかゴールデンタイムにはかけてもらえませんよね。
尚且つ好き嫌いが分かれるという
ヒットするには難しい状況だとは思いますが、
私的には堺雅人作品ではこれを一位にしても
いいかもしれないと思うほど、
この堺雅人に会えたことが嬉しくて仕方ない作品となりました。
ただ人に勧めるには若干抵抗がある作品ではありますが…。(^_^;)
ラストシーンのズブズブ(プリンがではなく笑)
いいですよね。
赤堀さんの優しさを感じました。