劇場で見損なったこちら。
すっかり忘れていました。
WOWOWにて拝見。
オッサンたちの政治映画は大好きだが
脚本、監督イ・ジョンジェ
って果たしてどんな?
ちょっとなめてかかって視聴。
ジョンジェさん、凄いよ、凄すぎるよ、面白いよ、カッコいいよ、みんな出てるよ
想像以上に面白くてびっくりしました。
感想を書こうと思いますが、とても複雑なので、自分の理解が合っているのか、かなり不安。
ストーリーの核心に触れないと書けないので、この先は超ネタバレになります。
ネタバレしてもいい方だけお読みください。
舞台は1980年代の韓国。
主人公は安全企画部(旧KCIA)の海外部長パク(ジョンジェ氏)と国内部長キム(ウソン氏)
北に情報が漏れていることがわかり、部内でのスパイ探しが始まる…といった流れでストーリーは進みます。
まずは、この時期の政局を把握しないと
話がとんと見えない。
(もちろん、映画の中でも充分説明されます。)
実話ではないにしろ、
「軍事クーデターで樹立された政権」
で起きた事件というのがストーリーの肝。
折しも
8/23(金)から
同じ時代を舞台にして昨年韓国で大ヒットした
「ソウルの春」が劇場公開されています。
(観たいけど行けていない。)
この辺りの歴史
予習しておくと映画鑑賞もより面白くなりそう。
1979年 朴正熙大統領が暗殺され
(この辺りはイ・ビョンホン氏主演「KCIA南山の部長たち」を観るとフィクションとはいえ、ピンとくる?)
いよいよ独裁政権が終わり、民主化が加速すると思いきや。
全斗煥が軍事クーデターを起こし実権を掌握。
1980年には民主化に対する軍の弾圧に抵抗する学生や市民を軍隊を使って制圧した
光州事件が起きている。
ソンガンホ氏の「タクシー運転手」では、光州事件生々しく描かれているのが、記憶に新しい。
この軍事独裁政権下の韓国は「第五共和国」と呼ばれ
この頃、北との関係はどうだったかといえば
1980年に金正日が公式デビュー。
1983年にラングーン事件。
(これが、「ハント」で描かれた大統領暗殺計画のモデルと思われる。)
この後、離散家族の再会など少し良好な関係になるも
1987年大韓航空機爆破事件が起きて再び緊張状態に。
こうやって歴史の流れを見ると
もし、ラングーン事件
本当に北朝鮮スパイの犯行であれば、
関係が良好になるのはおかしくないか?
「ハント」で描かれた真相もありうる?
と勘繰ってしまいました。
さて「ハント」
チョン・ウソン演じる国内部長キムは
元々軍人で、光州事件など内乱で、民衆を鎮圧する立場にいた人。
民衆を武力で強引に弾圧する大統領(軍事政権)は間違っていると考え、国内クーデターを画策している。(陰にはCIAが?)
一方イ・ジョンジェ演じる海外部長パクは
キムに拷問を受けた過去がある。
どういう経緯で安全企画部にいるのか…(おそらく政府に入る前の話なのか、そのあたりの経緯見落としたかも。)
海外部長だけに高学歴の学生だったのか?
この人はこの人で平和的南北統一の夢を抱いている。
2人とも大統領を守る立場にいながら、お互い違う思想や手段で現政権を転覆しようとしている。(と、私は思っています)
映画の冒頭、大統領はワシントンでも同胞から手荒いデモの洗礼を受けていたし。
正式な選挙で選ばれることなく、反抗する民衆の血に染められた指導者。
なんですよね。
それぞれの信念、正義に基づいて、任務を遂行する中で、一方で体制側の命令であるスパイ探しをしながら、上司や仲間に裏切られ、全てを疑いながら、それでも正しい国家を民衆の平和を取り戻そうとあがく姿が、大変
痛カッコいい
イ・ジョンジェの映画愛が溢れる作品だけに、
ちょろっとしか出てこないところにびっくりするビッグネームが友情出演。
ファン・ジョンミン
イ・ソンミン
キム・ナムギル
チュ・ジフン
などなど。
1980年代仕様なのでキム・ナムギル氏など
見逃すところだったよ…。
そんな楽しみ方もあり。
スパイアクション映画が
お好みな方におすすめです。
しかし、ジョンジェ氏は多彩だなぁー。
お見それしました。
(早く「ソウルの春」行かなきゃ時間帯、超減ってる)
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